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マイフレンド  作者: Seabolt
どうしよう・・・お礼
11/68

3

こうして数日がすぎた。


その間、朝のジョギングでも島内さんに会えなかった。


そして、めぐみは、思い切って山下に連絡をすることにした。


仕事が終わり、携帯を片手にとるめぐみ・・・


え~い・・・


「もしもし、どなたですか」


山下の声が・・・


その声に少し落ち着きをなし、


言葉に詰まるめぐみ


「先日の痴漢騒動で・・・」


めぐみは何とかその一言を言った。


「ああ~あの!!」


携帯のむこうから山下の声がわらった。


「どなたですか。」


横から女性の声が入った、どうも奥山の声のようだ。


「えっと、ところで、どういった御用ですか。」


「先日の件で、こちらもお礼をと」


「そうですか。わたしも助けていただいたお礼もしないと・・ところで、お名前は、」


めぐみは名前を言うのを迷った。


しかし、


「飯塚めぐみです。」と本名を名乗った。


携帯の向うでは、まったく気付かない山下がいた。


そして、


横にいる奥山を見て、ちょうどいいと思い


「うちの社にもそういう名前の新人がはいったばかりです。ところで、今からどうですか?」


めぐみを誘った。


その言葉に驚くめぐみ


「えっ!?今からですか?」


「暇だったら、どうです」


しばらく考えためぐみは、山下と会うことにした。


「わかりました。」


「ちなみにどこにいます。」


「・・・の近くです」


「会社近くですね。ポンドという喫茶店がありますからそこで待ってください。」と電話を切った。


山下は、らっきーと思った。早速、近くにいた奥山に


「今日は、大事な客があるから、だめだ」


その場を離れようとした。


「さっき・・・ところで大事な客?」


奥山は浮かない顔をして聞いた。


「ちょっとした、いきさつでね、名前も、うちの課にきた。えっと」


「飯塚さん?」


「そう、同姓同名だって笑うよな」


奥山は、その名前を聞いて、めぐみを疑い、めぐみを探した


しかし、すでにめぐみは退社したあとだった。


めぐみは、出勤時と同じ男っぽい姿で、喫茶店で待っていた。


そこに、山下が入ってきた。


すぐさま、めぐみは、立ち上がり


「先日は、ありがとうございました。」


「こちらこそ、ありがとうございました。まぁ、座ってください。」


二人は、挨拶を交わし席に着いた。


その瞬間に、めぐみは凍りついた。


奥山がこそっとその店に入ってきたのだ。


そして


こちらを見ていた。


注文を終えた山下は


「今日は、どんな用事で?」


「わたし、飯塚めぐみです。先日は助けていただいて、本当にありがとうございました。」


よし、これでわたしが、同じ会社の人間とわかったはずと思っていたら。


「こちらこそ、友人を助けていただいて、しかし、男の人の尻を触っていた痴漢も、痴漢だよな」と笑いだした。


その声が聞こえたのか、奥山はめぐみをもう一度確かめ店を出て行った。


めぐみがその姿を見ていたら、


「どうしました?」


「いえ?別に・・・」


「あの人でしょう?」


「ええ・・」


「ちょうど、よかった。」


「なにが?」


「部下なんで、あまりむげにできないもので」


山下は知っていたのだ、奥山がついてきたことを、


「それにしても、何か武術をやってたの?」


「すこし、合気道を」


「それで、酔っ払いを簡単に、ひねれたんか。けど、電車では」


「それは・・・いきなりお尻を触られて・・・気味悪かったんです。」


めぐみは、少し顔を赤らめた。


「ところで、あの酔っ払いは、」


「元上司です」と言ってしまった。


「あやしいだろ。」


「元上司だから、逃がしたんです。」


山下は、ある意味納得した。


「昨日も、今日も助けてもらった。」とつぶやいた


「なんですか?」


「いえ、いえ、今日の番号は、えっと飯塚くんのか?」


「そうですが・・・」


めぐみは、もう女に見られることをあきらめていた。


「たまに、こうして会いませんか?」


「えっ・・・」

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