見透かされない - 2
「んじゃ!あとは若いお二人だけで~♪」
私は透子。わけ合って、光が当たると透けるという体になってしまった。
そして私は今、物凄く苛立っている。
私は同級生のピンク羊に、得体のしれないホムンクルスと一緒にカフェに誘われた。
…あの羊、にやけてたからおかしいと思ったんだ.......!!
カフェについて注文、料理が来て―――。
あの羊、そう、萌衣が帰ったのだ。
羊の奴ッ…あたしが料理残そうとしないの知っててッ!!!
とにかく今はピンチ。
このホムンクルスにあたしの体質を知られてはならない。
なぜなら、こんな親が国立新生物学研究所とかいう生命体のどこを信じろと??
連れてかれて研究材料になるわ!とにかく今は早めに完食してさっさとGO HOME!
会話の文字数が1文字でも少ないほどいいッ!!
食べろ!食べろ!食べるんだ!!
・・・
1文字も話さなかった…...話しかけられなかった…それはそれでショックなんだが。
あーそうですか、こんな全身黒ずくめ不審者系JKとは話したくもないってことですかぁ。
それよりも、あの羊にぎゃふんと言わせ――――「危ないッ!!!!!」
交差点の中央を歩いていた時だった。あのホムンクルスは私を突き飛ばして―――
トラックに轢かれた。
驚きで涙も出なかった。
何度も名前を呼んだ。
でも返事はしなかった。
彼女は、死に際で微笑んでいた。
・・・
「昨日、II - αさんがお亡くなりになりました。」
先生は悲しそうに告げる。
私をかばってくれたことに敬意をこめて、黙祷をした。
「こんなムードの中悪いが、転校生を紹介する。」
転校生もかわいそうだ。こんな雰囲気のまま自己紹介なんて―――
「初めまして。国立新生物学研究所から来ました。ホムンクルスII - βです。」
「「癖つっっっよ!!!」」
あの羊頭、私とセリフ被せやがって。
彼女は、帰ってきたのか?まぁでも最初は―――
「お昼、一緒に食べない?」
「いいよ。」
彼女はそう言ってマシュマロを取り出した。
・・・
Q.あんた、II - αの記憶はあるの?
A.死亡したため、死因の解析に終了した後、記憶は削除するんだ。
Q.あたしたちのこと、覚えてないの?
A.私は別個体であるため、記憶は私のものしか保持してないよ。
Q.とーこ、いいじゃん。また思い出つくろーよ!
「だって、萌衣は悲しくないの?」
「私だって悲しいけどさ、でもにあるふぁちゃんが~とか言って困らせんのも違うでしょ?」
Q.ね~にべーたちゃん♡
A.もちろん!二人と仲良くしたいよ。
「ヨシ、トランプやろう。」
「はぁ、時間だっての!ほら行くよ!次移動教室だから!」
「萌衣ちゃん行くよ。」
「むぅ。」
・・・
II - βを放課後に教室に呼び出した。
いま、教室には萌衣と、あたしと、II - βがいる。
「…II - αと性格は同じなのか?」
「そうだよ!何か聞きたい?」
それなら、多少は信頼できるかな...............
萌衣がうなずく。
「後ろ、見てて。」
「いいよ。」
私はフードを脱ぐ。
「―――いいよ、こっち見ても。」
「――――ッ!!!」
II - βは驚く。あたしは続けて言う。
「あたしは、元々人間だった。だけどとある事情で、光が当たると透けるようになった。」
「それは…」
「あたしは、II - αに助けられた。」
「!!」
「だから、II - βを信じようと思う。ありがとう。ごめんね。」
「透子…」
「週末、3人でカフェ行こうよ。今度こそは、たくさん話そう。」
「あー、ごめん…バイト…入れちゃった。」
角からも汗をかいている羊頭…こんのアマぁッ…!
「雰囲気壊すなッ!」
「ごぉ~めぇ~ん」
・・・
あれから1週間…。
「ごめんバイト。」
「ごめぇめぇバイト。」
「おバイト失☆礼☆♪」
「僕ッ、アルバイトォォォォオ!!!!!」
「…ス――ッ、ちょっとぉ…バイトでぇ…。」
放課後まじ全部断られたんだが、
あーはいはい、
『文句ばっか行ってくる排他的JKと関わんのはモームリ。絶縁代行してぇ…』ってとこか。
「II - β、後をつけるぞ、ついてこい。」
「あいあいさー、隊長!!」
こうして我々は、アマゾンの奥地(?)へと向かった…




