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100奇譚  作者: 非辻 嫌欺
4/7

見透かされない - 1

長編につき4分割。

100奇譚・4話目

「えー、それじゃあね、右前から順番に自己紹介してって!」

うちの担任だ。

もうなんか社会の荒波にもまれたかのような雰囲気を出しているが、新卒の先生である。

先生の頭には、角が生えている。

ここにいる者は大体、角ありが半分、角なしが半分といったところだろうか。

あ、私にはくるくるかわいい角が耳の後ろあたりについてるよ☆

さて、私の番だ。とびっきり目立ってやろう。高校デビューってやつさ。


「こんにちはー、どもどもー、あたしは萌衣(もえ)、”もえぴ”とか”もえ”とか、気楽に呼んで♪」


きまったね、こりゃ。よーきゃの仲間入りじゃね?

さて、次の人に交代っと…


「こんにちは。」


パーカーで全身黒ずくめ、タイツも黒、変質者が過ぎるな、顔も見えないし。

タイツなんていらねぇだろぉ??生足じゃ生足。

「お前ら、あたしに話しかけんな。近づくな。見んな。失せろ。」

そう言って教壇から降壇~じゃなくて、


「名前は!?!?」

がたっと立ち上がって聞く。

名前くらいは言ってもらいたいものね…私より目立ってるもん。

「名前は透子、てか話しかけんな。」

顔はフードの影で見えない。声かわいいし、絶対かわいいと思うんだけどな。


変な奴だったと思いながら、私は早速部活動見学にあれこれ奔走した。

特にやりたいものもないが、教室の女子に誘われたから料理研究部に入ることにした。

そんなこんなで、教室に荷物を取りに行く。


ん?あの黒ずくめパーカーは…

油断してフード脱がないかな…。


ん?


おっ?


おっおっ!?


脱いだ――――!!!!!!


ん????

あ、やべ、むせる…

「けほ」


「誰ッ!?!?――まさかあのピンクおちゃらけ羊頭???」

「ちょっと!!失礼!!」

あ、


やってしまった。―――いやそれより、

「頭透けてね?」


透子は顔を真っ赤にした!いや透明だけど!多分した!

「だからやだったのにぃ―――!!」


こうして、私たちの意味不明な学園生活が始まるッッッ!!!


・・・


Q.なんでフードかぶってんの?

A.はぁ?いや脱いだらさ、首の透明のとっからブラもパンツも丸見えだろうが。少しは頭使え?


Q.みんなと仲良くしないの?

A.するわけねぇ…珍獣のごとくおもちゃにされる未来が見える…。お前みたいな奴にな!


Q.いっつも透明なの?

A.いや、光が当たると―どうたらこうたら、まぁ…そんな感じ。


Q.透明感のある肌ですね!モデルとか興味ありません?

A.はぁ?ぶち〇すぞ。


Q.メイクとかするの?

A.信玄餅って知ってる?あれってきな粉かけるんだけど、


Q.L〇NE交換しよ!

A.チッ……


・・・


てなわけで、とーこちゃんと仲良くなりました。

「いやなってねーわ。」


「え、うそ。声出てた?」

「だいたいわかるわ。」

単純だって言いたいのかァ??おおん??


一息ついて、言う。

「私たち、意外と似てるのかもね…。」

透明なところとか。

何かを隠してるとか、似た者同士。

そんなとーことは、友達になれる気がした。


・・・


翌日、

「初日はいなかった人が一人いるので、自己紹介よろしく。」

はっ!そうか翌日は自己紹介する人がいないから目立てるのかっ!!

ちくしょう!!


「初めまして。国立新生物学研究所から来ました。ホムンクルスII - αです。」


癖つっっっよ!!!


え?え??

よし、とりあえず…

「お昼ご飯一緒に食べよ!!」

これだよな。

おい、とーこ。なんだその"信じらーれなーい"みたいな目は…いや見えないんだけど。

「本当かい?嬉しいなぁ。」

「うん!お弁当はあるの?」

「あるよ!」

マシュマロ。え、女子なのに。いいんだ。それお昼ご飯、いいんだ。


・・・


Q.普段は何やってんの?

A.戦闘訓練と演算訓練と治療訓練とぉ

「わかった、もうわかった、もういい。」


Q.名前はどんな意味が?

A.型番号と形態だよ!


Q.その服何?絶対制服じゃないしぴっちりしすぎでは?男子に狙われるぞ。

A.これが一番動きやすいんだ。学校長からも許しは得てるよ。


Q.ご趣味は?

A.無いです。

「えぇ~」

A.無いです。


「トランプあるよゲームしよ、とーこちゃんも。」

「いいよ。」

「時間気にしろばかたれ。」


・・・


ふぅ…今日の放課後はとーこちゃんと3人で帰ろうかな。

とーこちゃん、むすっとしてたな。

嫉妬か?嫉妬か!?

「ちげーよばかたれ。」

「おわ、私頭透けてる???」

「本当に透けてるやつの前で言うなばかたれ。」

「にあるふぁちゃんとも一緒に帰るよ~。」

「…」

あれ?にあるふぁちゃんのこと嫌いか?まいっか。

「さて、にあるふぁちゃん呼びに行こ!」


・・・


それから数週間が過ぎた夜、私はとーこちゃんからのメッセージを見て顎が外れていた。

「通話しよう。」

あの…とーこちゃんが!?ついにデレた!?!?

「ちげーわ」

おいおい遠隔で思考読まれたんだが、盗聴でもされてんのか。

「ちげーわ」

おわ。

ということで電話をかける。

「もしもーし」

「おう。」

「ビデオいっすか。」

「いいよ。」


あれおっかしーな、今日やけに素直じゃね。

「どしたの~急に電話くれてお母さん嬉しいわ☆」

「…」

「あれ元気ない。」

「あのさ、あいつと関わんの嫌なんだけど。」

嫌い、か。一応誰かだけは聞こう。

「誰のこと?」

「あいつだよ、”に何たら”。」

名前も呼びたくないか!それともマジど忘れか?

いやそんなことはない。とーこちゃん記憶力はいいから。

「あいつはあたしが透明なこと知らないんだよ!…知ったらどうなるか分かったもんじゃない!」

「んーそうかな?私は似てるなってビビッときたけど。」

「あんたはぶっちゃけもう信用してる。全然言いふらす素振りもないしね。けどあいつは―――」

「それでいいの?」

「――あ?」

「私だって隠してることはいっぱいあるよ?にあるふぁちゃんにもある。これは絶対。」

私は続けた。

「私は”暴いて受け入れる”タイプ。にあるふぁちゃんは”聞かないでそっとしておく”タイプ。」

「何の話?」

「秘密があっても許容してくれる。仮に暴かれたとしても、私が何とかする。」

「いやだってッ!」

「お願い。」

「――――ッチ!あーもう!わかった。わかったって。」

「ほんと?」

「いいよ、ちょっとは頑張ってみる。」

「ありがとう。と・こ・ろ・で、このまま寝落ちもちもち…してもいいんだよ?」

通話を切られた。ひどい。

コンセプト

”透明と不透明”


続きは作りません。完結です。4分割なので、残りの3話もあるので。

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