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プロローグ. 可哀想な王妃さま

侯爵家の長女として生まれた彼女は、7歳の時に第一王子との婚約が決まった。

王家からの勅令だった。


かつてこの世界は魔法と共にあり、それはありふれたものだった。彼女の生まれた国も建国から多くの魔法使い達の手によって安寧を得ていた。

それが、時を経て魔法自体を扱える者がどんどん減っていき、今では過去のものとなっていた。最後の一人が亡くなったのも既に五百年も昔の話だ。

大地に魔力は溢れているのに、人が魔力を宿すことが出来なくなったのだ。

しかし、人々は魔法の栄華に縋りついた。鉱石などの大地の恵みに宿った魔力を駆使して活用する技術。魔道具だけが魔法の残影の様に残ったのだった。


彼女が王家に選ばれたのは、その体に魔力を宿して生れてしまったからだ。

とは言っても、大昔の賢者の様に魔力を巧みに駆使することはできないし、底知れない魔力を宿しているわけでもない。

火を灯せるわけでもない、傷を癒せるわけでもない。かつていたと記録されている聖女の様に、万病を癒す奇跡が起こせるわけではない。魔鉱石の様に魔道具の原力として変換できるわけでもなかった。出来ることと言ったら、体から溢れた魔力がキラキラと輝くだけだ。

ただ、体の中に魔力がある。たったそれだけの理由であった。


この国を建国したのは混沌の時代を終わらせた賢者の一人と言われている。その子孫である王族は子々孫々と高い魔力を受け継いたという。しかし、ある時から世界的に魔力保持者は減っていき、人は魔力を宿さなくなった。王族も魔力をうしなって久しくない。

王家は一体何を思ったのか、ただ魔力を宿した彼女を王家に取り込むことに躍起になった。

彼女の愛のある自由気ままな生活との別れであり、不幸の始まりだった。


婚約が決まって間もなく彼女は王城に住まいを移した。王子妃教育の為との名目だった。

家族は早すぎると反発し抗議をしたが、城からやって来た臣下は王命だと取り付く島もなかった。

口論の様な応報の最中、彼女が頷かなけば半ば誘拐の様になっただろう。

小さな耳に囁かれた言葉は残酷であった。此の侭では、不敬罪で皆捕らえるしかない。と小さな肩に決断を迫ったのだ。

幼子が決断するにはあまりに重く残酷だった。ただ貴族子女として、彼女は無理やり幼子の殻を破り淑女となったのだ。

ただ流れる涙は、止めることは出来なかった。


登城した彼女には、十数人ものあらゆる教師が付けられた。その中には学者や医術者もおり彼女の身体に針を刺し、あらゆる検査を行った。何年もの間、繰り返されるそれは人体実験とどう区別できただろうか。


教師たちは代わる代わるやってきては、彼女に教鞭を振るった。知性、品性、気品、他人より優れた存在であれと、誰よりも秀麗であれと、王子妃として過ぎた品格を彼女に求め、強要した。

瑣末な事すらミスと叱責され、生活の全てを管理された。

帰省も許されず、家族に会う事すら制限され、面会が許されたとしても傍には侍女や騎士たちが控え、その一挙手一投足、全てが教師に筒抜けだった。

初めての家族との面会の日に、彼女は両親や兄に甘え、弱音を吐いてしまった。泣いてしまったのだ。帰りたいと。制限時間付きの面会が終わるころ、縋ってしまったのだ。離れたくないと。

半ば強引に引き離された彼女を待っていたのは、教師たちからの譴責であった。

王子妃にあらぬ行動だと、情けなくはしたない行いであると、王子妃の婚約者としての酷い過失であると。激しい叱責と止むことのない鞭打ちは、酷い折檻であり虐待であった。

彼女の心を何より抉ったのは、家族の過失という言葉だった。

貴女は、王子妃となるのです。将来、王妃になるのです。未來の国母としての気品をお持ちなさい。あの様なはしたない振る舞いを許すなど家族の過失でもありますよ。貴女がしっかりなさいませんと。陛下にご報告させていただかないといけません。王妃はそんなはしたない真似はいたしません。自覚をなさい。王妃としての。微笑みなさい。みっともない。感情を殺しなさい。恥ずかしい。貴女は王妃となるのです。ご家族がどうなってもよろしいのですか。王妃として、王妃ならば、王妃なら、王妃は、王妃が、王妃とは、王妃って?王妃、王妃、王妃、王妃、王妃、王妃、王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃王妃・・・・


あぁ、わたくしが間違っているんです。わたくしは第一王子の婚約者なのだから、わたくしは将来、王妃となるのだから・・・・・・・・。


その後の家族との面会は機械的でぎこちないものだった。

愛らしい愛娘の他人行儀な微笑みに両親は酷く狼狽し心配した。兄は王家に対して憤りを隠せないようだったが、彼女はそれを微笑みで諫めた。

わたくしは、将来の国母になりますのよ。と。

何も言わないで、何もしないで、放っておいて。だって、わたくしは王妃になるのだから。彼女は次第に家族を遠ざけていった。

指先から足の爪先まで、自分の身体でさえ、身に着けるものも全て彼女が好きに出来るものはない。

起きて就寝するまで誰かが彼女を見ているのだ。ずっと、誰もが彼女を見ている。そして求めるのだ。王妃らしくあれと。

微笑み、仕草、佇まい、声色、タイミング、速度、王妃らしくあれ、誰が決めたのか、誰が決めたのか、誰が、決めたのか。


しかし、彼女は皮肉にも優秀だった。泣き言一つ漏らすことなく粛々と日々の激務をこなしていった。全て、出来てしまったのだ。完璧に。

王妃になる。王妃になる価値がある。役目がある。それだけが彼女の根幹を形成していたし、それだけが彼女を支えていた。

時が過ぎ、王立学園に入学する頃には彼女は殆どの教育を終え、誰が見ても完璧な淑女になっていた。

涼やかな視線からは知性が感じられ、佇まいや仕草からは気品が溢れ、会話一つ一つが洗練され品性に富んでいた。誰よりも優秀な成績を叩き出し、誰よりも美しく人々の視線を奪った。

誰もが彼女を褒めたたえたし、誰もが彼女を認めざる得なかった。

教師たちも諸手を上げて喜んだ。最高傑作だと。

婚約者である第一王子も彼女の勤勉さを認め、感謝を述べてくれる。

ただ愛してはくれなかった。


学園に入学した第一王子は、一人の女子生徒と恋に落ちてしまったのだ。

婚約者である彼女ではない、地方の子爵令嬢と常に行動を共にしているというのだ。

彼女の耳に噂が舞い込んでくる。直接伝えに来る生徒も後を絶たなかった。

だけど、偶然見かけた二人を見てしまったとき思ってしまった。これは、仕方ないと。諦観してしまったのだ。

微笑み合いながら、寄り添う二人を見たとき怒りも憎しみも沸いてはこなかった。慈しみ合い愛を囁く二人の笑顔を見たときに、純粋に美しいと思ってしまった。

わたくしには出来ないと、彼女は王子と令嬢の恋を認めてしまったのだ。

現実を受け止めるのは酷く虚しく苦しかった。だけど、どんな顔をしたらいいのだろう。分からなかった。


しかし、彼女とて全てを認めた訳ではない。分かっていたのだ。王妃は自分にしかできないと。何故ならば彼女は完璧だったから。何故ならば、彼女には魔力があったから。

思った通り、両陛下も宰相も貴族院の議員たちも子爵令嬢を認めなかった。

王妃に相応しいのは彼女しかいないと。学力も素養も身分さえも全てが劣る子爵令嬢ごときが王妃など、恥知らずも甚だしい。彼女と比べることすら烏滸がましいと愛し合う二人を激しく糾弾したのだ。

彼女は分かっていたのだ。彼女の十年間が無駄になることはないだろうと。

優秀な彼女でさえ十年間を要したのだ。一から王子妃教育をするならばどれ程の時間が必要だろう。自由奔放な令嬢がそれに耐えれるだろうか。

それに、可憐に笑う奔放さが令嬢の最大の魅力だとしたら、王子妃教育はその魅力を壊すだろう。

第一王子もそれを理解していたのだろう。彼女に言った。


「王妃としての名誉は君に。私の最愛はあの娘に。私は君と結婚して国に尽くそう。許してくれるね?」


勿論彼女は頷いた。それでいいと思ったのだ。否、それしかないと思ったのだ。

自分にどれだけの価値があるだろうか。王妃にならなければ、生きる価値すらないのだ。

誰もが認めた完璧な淑女に拭えない瑕疵が付いた瞬間だった。一つ綻びを見つけると人間はそれを解くように群がる。

美しいがそれだけ、可愛げがない冷徹女。王子の真実の愛を邪魔する悪女。人間味がない、まるで血の通ってない人形。

王子に捨てられた人形姫と。

人々は陰で彼女を嘲笑した。

しかし表立っては誰も口には出来ない。彼女は誰もが認める将来の王妃なのだ。

王妃としてならば誰にも文句は言われない。それくらい彼女は完璧だった。


残りの学園生活、第一王子は令嬢との愛を育みながら謳歌し、彼女は学生で婚約者の身でありながら王子妃としての公務に勤しんだ。

そして、卒業するとほぼ同時に愛のない二人は盛大な式を挙げ、王子は王により正式に立太子され王太子となり、彼女は婚約者から王太子妃となったのだった。


披露パーティで一通り挨拶を終えた彼女は王太子を残し一足先に会場を後にした。酷く疲れていたのだ。

窮屈なドレスを脱ぎ捨て湯船に浸かると、侍女たちが執拗に彼女を磨き上げてくる。それを不思議に思いながらぼんやり見ていた。そしてふと気が付いた。

あ、そうか、普通ならば今日は初夜なんだ。

笑ってしまいそうだ、彼女は愛されてなどいないのだから、来るわけがないだろうに。

もうどうでもいいから早く眠ってしまいたかった。疲れたんだと思う。なんだか分からないけれど苦しかったし。なんだか分からないけれど悲しかったから。

磨き上げられて薄いネグリジェを着せられた彼女は問答無用でガウンを羽織った。そのままふらふらとベッド近づくと迷うことなく横になり、布団を被って目を閉じた。

半分眠っていたのだと思う。だから、王太子がやってきて声を掛けられた時は夢かと思ったし、数秒おいて覚醒した後も何かの間違いだと思った。


王太子はぼんやり見上げる彼女にクスリと笑うと


「酷いな。私を待たずに眠ろうと?」


と彼女の頬にサラリと触れた。

どうして、と問う彼女に夫婦なのだからと微笑んだ。



彼女は身ごもらなかった。

しかし、夫婦としての情けを賜ったあの一夜が彼女を王太子妃としての責務へと突き動かした。

夫からの愛情はなくとも両陛下からの信頼は厚かったし、王城で働く臣下達は彼女の能力の高さや、分け隔てのない真摯な姿を敬愛してくれた。

未來の王妃として望まれている、それとただ一度だけの夫婦としての契りが彼女の希望であり、残った自尊心の一欠片として自身の存在を繋ぎとめてくれた。

大丈夫、わたくしはこの国の王太子の妻なのだと。あの人の隣にいるのは結局はわたくし一人なのだと。わたくしは未來の王妃なのだと。

頑張れる。大丈夫。頑張ろうと。


けれど、それもあっけなく踏みにじられることとなる。

子爵令嬢が王太子の御子を身ごもったのだ。王太子は直ぐにそれを公表し令嬢を寵姫として王宮に召抱えた。

それから少しずつ少しずつ王太子妃の代わりに寵姫を公務や舞踏会に連れ添った。

両陛下は彼を諫めた。当然だろう。もはや公務の殆どは彼女がいなければ儘ならないのだ。だが、御子が誕生するとその諫言も減っていった。

どんな顔をしていいのか分からなかった。どんな顔が相応しいのか分からなかった。分からなかったから何も言わなかった。只々、公務に励み、国の発展と民草の安寧の為に身を粉にして働いた。

王太子妃として、未来の王妃として。夫の為に。


元気だった王が病を患い床に伏したと同時に、王太子は王は廃位させ皇后と共に離宮に追いやった。

戴冠式を経て王太子は国王になったが、その隣にいたのは彼女ではなかった。

新王の顔色を伺う面々は、隣に寄り添う寵姫を王妃の様に敬いへつらった。

その半面で、お飾りの王妃。石女の王妃。

彼女を嘲笑った。

言われるのは当然だ。彼女に御子がいないのだから。


わたくしは何だ?わたくしは王妃なのだろうか。

心が折れてしまいそうだ。

彼女を慮り寄り添ってくれる人間も僅かながらいた。

彼女の代わりに憤ってくれる者。

彼女の代わりに、涙を流し悔しがってくれる者。

彼女の背を一緒に支えてくれようとする者。

遠くからでも、彼女の為に働きかけてくれる者。

だけど、どれも彼女の糧にはなりえなかった。

元国王を廃退に追いやった現国王に諫言の出来る人間がどれ程いるだろう。

いないだろう。彼女を慮る利点よりリスクの方が勝るのだ。

彼女は自分を慮ってくれている少ない友たちにはそのリスクを冒してほしくなかった。だから何も言わせなかった。

この舞台から降りようか、それとも自分にもせめて子がいれば、まだ頑張れるだろうか。生きる希望になってくれるのではないだろうか。

大丈夫、お飾りだけれど、まだ王妃なのだ。

無理ならば、離縁してもらおう。離縁して修道院に入って神に身を捧げよう。

それも致し方ないのだ。王妃を降りると思うと胸はジクジクと痛み、悲鳴をあげて騒めく。だけど、もう疲れてしまった。




「・・・情けがほしい?無理だよ。」


勇気を振り絞って希った彼女に返ってきたのは、無情な言葉と冷ややかな瞳だった。


「アニエス、君は子が授かれない身体なんだよ。私たちにはもう三年も子がいないじゃないか。」


「それは!陛下、わたくしたちには」


「いいや、アニエス。私は君を抱いたよ?私たちは白い関係ではない。しかし君は子を授かっていない。これが、事実なんだ。」


「陛下、陛下!わたくしには魔力がございます!!それを王家の血に!」


「それが何だっていうんだ!!魔力があるから何なんだ!!何が出来るっていうんだ!!!」


突然の激高にアニエスはヒュッと息を飲んだ。


「はぁっ。・・・アニエス。私はそんなものは要らないんだよ。」


落ち着けるように息を吐きだした国王は軽蔑した目で彼女を睨みつけた。


「では・・・・では、わたくしと離縁してください・・・わたくしを修道院へ入れてください・・・」


国王は、一変してにっこりと微笑むとまるでアニエスを落ち着かせるように頬を撫で、片方で肩を支えた。


「アニエス、君が子を成さずに三年が経った。我が国では通常、側妃はもてない法があるが、例外があるよね?」


「そ、そんな・・・」


勿論優秀なアニエスに分からないはずかなかった。まるで血液が抜けていくようにヒヤリと身体が冷えていく。アニエスは震えが止まらなくなりずるりとその場に崩れ落ちた。

それを見た国王は、歪に口角を上げ面白そうに言い放った。


「ハハっ、いつも顔色一つ変えない君が。面白いな。そうだよ、アニエス。世継ぎが三年望めない場合、王妃は側妃に堕とされる。魔力があったって子が孕めなければ意味がない。変わって、ミラベルは既に第一王子の母だ。その彼女を国母に。これは当然の流れだろう。」


「離縁してください!!王妃からは降りますから!離縁してください!!陛下!!お願いっ!!!」


アニエスは、国王の足に縋りついた。縋りついて涙を流しながら懇願した。

国王は困ったように笑ったが、その目は高慢にアニエスを見下しサディスティックに嘲笑っている。


「それも無理だよ。アニエス、君は優秀だし、ミラベルに王妃としての公務が出来るわけないじゃないか。黙って落ちておくれよ?アニエス?」


「そ、そんな、そんな・・・嘘よ、なんで?じゃあ、・・・じゃあ、全部、はじめ、から?」


抜け殻の様に見上げてくるアニエスに国王は満足そうに頷いた。


「ありがとう。君は本当に優秀だから。これからも側妃として今まで通りこの国を支えておくれ。」


国王はそう言って静かに微笑むと、崩れ落ちた彼女に背を向けそのまま扉の向こうへと消えていった。



残されたアニエスは時が止まったように動けなかった。


わたくしは、もう王妃ではない?王妃ではないのに離縁も出来ない?

子も授かれない。魔力も要らない?

情けがもらえない。あぁ、愛されていないのだから、当然か。

何故、あの日、わたくしを抱いたのか。

あぁ、あぁ、あああああああああああああああ全部、全部、全部全部、あの娘の為!!!


激しい憎悪が身体中を巡った。許せない、許せない許せないゆるせないゆるせない・・・・・

身体から魔力が溢れてバチバチと爆ぜていく。

けれど、怒りの渦を鎮めるようにまた理解してしまった。

荒々しい波が引いた泉の様に魔力がしんっと静まっていく。

全部、自分が招いた結果だと。


初めから、分かっていたじゃないか、愛されていないと。

わたくしは認めてしまったじゃないか、あの二人を。

それでも王妃になったのだ。わたくしがそれを選んだのだ。

わたくしは人形だと、だから仕方ないと、自分でもそう思っていたのだ。

人形だからと、諦めた振りして、だから仕方ないと、そのせいにしてどこか安心して。

逃げてしまっていた・・・・。

あぁ、だけどあんまりだ。

王妃になるために、家族を捨てたのに。

王妃になりたかったから、二人の愛を認めたのに。

王妃であるために、愛を諦めたのに。

王妃に縋ったわたくしが、全ていけなかったのならば。

どこから間違っていたのかもう、分からない。

分からな過ぎて、そう初めから。

初めからわたくしが生きている意味など、わたくしに存在に価値などなかったんじゃないか。

そう理解した。




可哀想な王妃は足はその日、宙を駆けたが、静かに歩みを止めた。

その足が再び地面を踏みしめて駆けることは二度となかったという。



可哀想な王妃様 略版 fin


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