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佐藤攻一 ストーカーとドMと露出狂の変態美少女に迫られているけど変態だからではなく同性愛者だから興味ありません

「俺は――」


 一晩中考えた。


 俺はこいつらの事を恋愛の意味で好意を持っているのか?


 俺はこの先どうしたいのか?


 考えて考えて……。


 自分の気持ちを見つめ直した。


 そして――



「俺はお前らを恋愛の対象として見れない」



 答えを出した。


 鏡花はそれを聞くと小さく頷く。


「今までありがとうございました」


 深く深く、綺麗な所作で頭を下げる。


「本当に心より感謝する」


「ありがとうね攻一」


 二人も続けて言った。


 顔を上げた鏡花は変わらず微笑みを浮かべていた。


「攻一さんとの日々は本当に、楽しくて宝物です」


「……………………………………」


「……また、どこかでお会いしましょう」


 鏡花は背を向け部屋から出ていこうとする。


 その姿はいつもと変わらないのに、どうしようもなく寂しそうに見えて……。


「……最後にもう一つだけいいか?」


 その背中に向かって俺は声を掛けた。


 鏡花は少し目を開いて驚いたような虚をつかれたような表情を浮かべる。


 しかし、すぐにまた微笑み俺と向き合った。


「もちろんです」


 俺はやっぱり異性の事を恋愛対象として見れなかった。


「……今から言う事で、もしかしたらお前らをさらに傷付けるかも知れない」


 お前らは何だかんだ良い奴らだと、そう思ってる。


「悪い、俺のわがままだ。少しだけ許してくれ」


 俺なんかと出会わずに他の奴と恋をして普通に幸せになれたんじゃないかって、そう考えてしまう。


「俺は多分、この先もずっと異性の事を好きになる事はないと思う」


 一晩本当に考えて、そして思い出していた。


「鏡花の言う通りここで終わりにした方が良いんだと思う」


 三人との今までとその前も。


「でも、もしお前らが良いと言ってくれるなら」


 本当に……。



「俺はお前らとこの先も一緒に居たい」



 今まで色々な事があった。



 気付けば鏡花はぼろぼろと涙を流していた。


       ※ ※ ※


 笑えと、強く自分に言い聞かせていた。


 でも自分でも解らない内に涙は溢れていて。


 もう止められなかった。


 一緒に居たい、と攻一さんは言った。


 私だってそうだ。


 一緒に居られるなら、豪華な家柄も豪勢な食事も綺麗な服もたくさんのお金さえも何もいらない。


 あなたと一緒に居たい。


 あなたの事を愛しているから。


       ※ ※ ※


「悪いな、泣かせたな」


「いいんです、これは大丈夫ですから」


 鏡花は目を擦りながら後から出てくる涙を必死に拭う。


「ねぇ……攻一さん。この先も一緒に居られるんですか?」


「……お前らがもう嫌だって言うまではな」


「じゃあ一生一緒ですね」


 鏡花は泣きながら笑った。


「ちょっとー! さっきから二人だけで話さないでよー!」


「全くだ。この場面で放置プレイとは……つくづくご主人様だな!」


「お前らはこんな時でもいつも通りだな」


「涙なんてもう枯れるくらい出たし、鏡花が代わりに出してるからいいの!」


 何だその謎理論は。


「あーもう! 何かお腹空いたよーもうお昼だし」


「何か食べましょうか」


「あー、それだったら……」


 俺は窓から外を眺めた。


「花見に行かないか。場所はどこでも良いから」


「花見? だがまだ桜は咲いていないと思うぞ?」


「咲いてなくてもいいよ。今日何となく行きたい気分なんだ」


「私は良いと思います。お弁当を作りましょう。……もちろん攻一さんの好きな物をたくさん入れますからね」


 ストーカーと


「そういえば……桜の木に吊るされた事は無かったな……なぁ攻一、ものは相談なんだが――」


 ドMと


「最近腹踊りを体得したから特別に攻一には見せて上げるからね! 遠慮しなくても良いよ」


 露出狂の変態美少女が迫ってくるけど、


「やめろ。木に吊るすぞ」


 変態だからとかじゃなく、


「攻一私は?! 私は吊るしてくれるのか?! 踊るか私も!」


 同性愛者なんで興味ありません。


「はいはい、解ったから。早く準備行くぞー全員でやった方が早く終わるだろ」


「ふふ、そうですね。行きましょうか」



 でもきっと、俺達はこの先も一緒に居る。


これにて完結です。

これまでお読みくださりありがとうございます。


読んでみての評価を下の★1から★5で教えて頂ければ幸いです。

感想もダメだった点などでも全然大丈夫ですので教えていただければ嬉しいです。

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