クリスマス2
「解った。お前らがそのつもりならこっちにも考えがある。三番、佐藤攻一、今までで一番やばいと思った鏡花の行動」
「私ですか? 光栄ですね」
「えー鏡花ずるーい」
「選ばれなかったの逆に燃える」
この流れで何で選ばれたがるんだよ。
「プルルルル・・・はい、もしもし。・・・え? 攻一さんの使用済みスプーンとストローを誤って捨てた?! 何をやってるんですか我が家の家宝ですよ!」
そのモノマネに三人は――
「プルルルルって自分で言うところが可愛いですね」
「ねー私も思ったー」
「声を似せようとして全然似てないのも高評価だな」
頼む鏡花の変態行為にも目を向けてくれ。
「と言うか・・・そんな事ありましたっけ・・・?」
「そう言えば無かったような」
「無いな。間違いない」
いやあったわ。
「鏡花の監視カメラに映像残ってるだろ」
「ちょっと確かめてみましょうか」
えっいいの?
「じゃあ攻一さん、いつぐらいだったかを――すみません、電話が掛かってきました。・・・はい・・・はい・・・解りました。攻一さん映像全部消えました」
こいつ・・・! 証拠隠滅に走りやがった・・・!
「まぁ些細な事は置いておいて、クリスマスパーティを進行しましょう」
「現状、パーティ感がゼロなんだけど」
やった事と言えば俺の気持ち悪い行動のモノマネと都合の悪い映像の証拠隠滅だけなんだが。
「攻一、安心しろ。もちろん楽しい企画を考えている」
安心できない。
「三人で考えたんだよ!」
更に安心できなくなった。
「クリスマスパーティと言えばプレゼント交換だと聞きましたので用意しました」
「それって後半でやる事なんじゃ・・・」
いや良いけどさ。
いや待て良くない。こいつらのクリスマスプレゼントだと?
「・・・お、俺はプレゼントとか用意してないからさ。だから悪いし、プレゼントは遠慮しようかなー・・・」
「安心してください攻一さん」
「えっ?」
「婚姻届けでいいです」
安心して良いとは一体?
「いや・・・婚姻届けに必要な書類とか今無いし・・・」
「あるぞ」
「・・・印鑑とかもないし」
「ウー○ーに届けてもらうから大丈夫だよー」
「ウー○ーで?! い、いやお前ら三人いるから争いになるんじゃないか?」
「法律変えます」
「ひぎぃ!」
鏡花はニコリと笑うが目は一切笑っていない。
こっわい。
「では攻一さんのプレゼントは後日必ず頂くとして」
もはや脅迫に聞こえてきた。
「私達もプレゼントを用意しました」
「攻一が喜ぶ顔が目に浮かぶなー」
俺は大変な目に遭ってる未来が目に浮かぶ。
「まずは私が渡そう」
そう言って朔夜が綺麗にラッピングされた箱を持ってきた。
「箱の大きさからいって、蝋燭か鞭じゃないか?」
朔夜の性格的にも。
「ふっ」
朔夜は笑うと俺にプレゼントを手渡す。
「蝋燭か鞭? 違うさ」
俺はプレゼントを開けた。
「蝋燭と鞭だ」
要らない。
俺は朔夜のプレゼントを脇に除けた。
「ンンッ♡ 放置プレイ・・・! 嬉しい・・・!」
次に鏡花がラッピングされた箱を持ってくる。
「攻一さんに喜んでもらえるか不安なのですが・・・」
俺はプレゼントを受け取った。
「鏡花のプレゼントって想いが重そうだな・・・」
「フフ、そんな事ありませんよ」
微笑む鏡花。
「それに私、反省したんです」
「鏡花・・・?」
「今まで攻一さんの事を盗撮したり盗聴したり私物を収集したり・・・本当に申し訳ありませんでした」
言葉にしたら恐ろしさが増すな。
「そのプレゼントは私の反省の証です」
俺はプレゼントを開け、中を覗き見た。
「私の私生活の映像、500時間を収録したBDボックスです」
重さの権化だよ。そして要らない。
「ちなみに反省の証ってどの辺りの事を言ってるの?」
「貰ってばかりでなく供給に回ろうかと」
「盗聴盗撮収集を今後は?」
「もちろん続けます」
お願いだから反省してくれ。
小ネタ
「鏡花は謝れて偉いな、全然悪くないのに」
「全然って事は無いんじゃないか? ねぇ?」
※ ※ ※
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