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異世界転移6

「ふフふ、きみたチおもしろいね」


 くすくすと笑いながら言うフレイの言葉に俺は振り向く。


「ねェ、よかったらまおうグんにはいらない? きみたちにムいているとおモうんだけド」


「悪く無い提案だが残念ながら俺達は――ん? 君達に向いてる?」


 何だろうちょっと嫌な予感が……。


「うん、われらガまおうグんのやぼうは……」


 フレイはそこで一呼吸置くと堂々と言い放った。


「せかいをじぶんたチのせいへきでそめあげることなノだよー! わーぱちパち」


 ……いやなんて?


「ちょっと詳しく聞かせてもらっても?」


 リリーが前のめりにフレイに問いかける。


 俺は無言でリリーの頭をはたいた。


「なんでー?!」


 リリーの言葉を無視してフレイに聞いた。


「本当にそれは魔王軍全体の野望なのか?」


「そうだよーやクしょくがうえのホうだとじぶんノせいへきにそめられるちイきがふえるのー」


 自分のって事は個人個人で違う性癖なのか。


 いやそんな事はどうでもいい。


 目的の一つである魔王の野望の阻止がこんなにくだらない事だとは……。


「ちなミにわたしのやぼうはだんせいをぜんいんショタにしてはんずぼんをハかせることだヨ」


 ド変態やないか。


「だんせいをショタにするマじゅつもかいはつしたよー」


 無駄にすごい魔術開発しとる。


「まおうグんないでついたあだナは、はんズボンショタのフレイだよ!」


 フレイさん魔王軍内でいじめられてない?


「これは……同性愛者を異性愛者にする魔術があれば……」


「なるほど……魔王軍に入るのも悪く無いか……」


「ありだね……」


 ありだねじゃねぇんだよ。この場にまともな奴いないの?


 と、そこへ駆けつけてくる複数の足音が聞こえてきた。


「今度は私達が相手です!」


 見ればギルドの女の子が何人かの冒険者を連れて来ている。


 やっとまともな人達来た!


「あなたの好きにはさせません! 私達と勝負です! ――クイズで!」


 まともな人達じゃなかった!


「いや待って待って。クイズで勝負って何?」


「この街ではいざこざが起きたらクイズで勝負して治める事になっています」


「この街やべぇ」


 というかそんなのフレイが応じる訳――


「いいヨ!」


 残念だが魔王軍はまともじゃなかった。


「じゃあ対戦相手は私達に任せてもらえませんか?」


「任せろ」


「私達が相手だー!」


 そこで名乗りを上げる変態三人。


「いいよ!」


 サムズアップで応える女の子。


 何でやねん。


※ ※  ※


 その後、住民によってテレビ番組でよく見られるようなクイズのセットまで設置され、いよいよ始まろうとしていた。


 クイズ大会(?)が。街の命運を掛けて。


 ……いや何で?


「さぁ準備が整いました! では始めたいと思います第123回クイズ大会!」


 あ、やっぱり大会なの?


「実況は私、冒険者ギルドの看板娘がお送りします!」


 作者名前決めろ。


「解説は今日街を訪れた冒険者、佐藤攻一さんです。よろしくお願いします」


「あ、よろしく。……なんで?」


「順番にお答えください。一人満点10点で審査員3人の合計点数の高い方が勝ちです」


 無駄にルールしっかりしてる。


「では第一問! シチュエーションクイズ! より正しいと思う解答をして下さい」


「展開早い」


「目の前で男性がけがをしています。あなたはどうしますか?」


 ピンポーン


「早い……!」


 素早く押したフレイに慄くリリー。


 いや早押しじゃないから。


「ショタにしてはんズボンをはかせる」


 そんで解答がごみ。


 ピンポーン


「むしろ何も履かないように勧める」


 ごみが二つになった。


「さぁ点数は……25対25の同点! どう思いますか、解説の佐藤さん!」


「点数が割と高いのが意味が解らないですね」


「はい続けて第二問!」


「俺要る?」


「好きな人を振り向かせるにはどうしたらいい?」


「嫌な予感しかしない問題来ましたね」


 ピンポーン


「つ、つきあっテくださいっておモいをつタえる? あっ12サいいかダったらはんズボンをすすめる!」


 前半と後半の落差。


 ピンポーン×3


「監視カメラ、盗聴器、家宅侵入……あらゆる手段を使い相手を知り」


「持っている衣類という衣類をはぎ取り」


「代わりにとても気持ちの良い鞭やろうそくを置いて帰る」


 三人は微笑んだ。


「「「これが心を射止める最高の方法」」」


 絶対に違う事だけは解る。というかそれ以外は何も解りたくない。


「で、でもそレってはんザいじゃないノ?」


 犯罪を気にする魔王軍。


「そこに愛があれば無罪です」

 注 有罪です。


「……ワたしのまケね」


 薄く微笑んでフレイは言った。……いや何で?


「はんズボンショタのやボウはあきらめるよ」


「フレイさん……」


 鏡花が少し悲しそうな表情を見せる。


「ほいくしょのセンセイになってコドモめでるよ」


 全く諦めてなくない?


「す、すごい……魔王軍幹部に勝った……」


 ざわつく住民達。


 だがそのざわつきはいつしか歓声へと変わっていく。


「勇者様の誕生だ!」


「宴だー! 酒だ、酒を持ってこーい!」


「めデたいねーめでタいネー」


 ……歓声の中に魔王軍幹部おらへん?


住民達は嬉しそうに食べ物や酒を持ってくる。


 ギルドの女の子は感激した様子で鏡花達の手を両手で握っていた。


 世紀末達はその周りで騒いでいる。


 俺はその住民達の輪の外にポツンと一人で座り、こう思った。


 


 いや、そうはならんやろ。


小ネタ

次回から更に色々加速。


※ ※ ※


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