第60話 ~皆さんとお疲れさま会なのです~
第60話 ~皆さんとお疲れさま会なのです~
「試験も終わったんだしよ、週末あたりみんなでどっか行こうぜ~?」
前期末試験の最終日、もう皆さん部活に行かれて静かになった教室で木島さんがそう言いだします。
「ふむ、それも良いかもしれんな。貴様の50連敗も祝ってやらなくてはいかんしな。」
そう工藤さんが答えています。えっと、それお祝いするものでしたでしょうか。
「文化祭のお疲れさまもやっていないし、良いかもしれないね。姫は働きづめだったんだし、僕らと違って。」
今度は毛野さん。そういえば私、二日間ともずっと調理室で給仕していましたね。あれはあれで楽しかったですから良いのですけれども。
「ふむ、良い提案だ。木島君の連敗記録が更新されることも祈ろう。」
柿沼さんが眼鏡を直しながらそう言っています。
「普通はそこは連敗記録が止まることを祈るんじゃないのかよ⁉」
私もそう思うのですが、何故か皆さんの中では告白失敗がもう大前提みたいですよ、木島さん。
「私、週末はまた通院が…。」
間の悪いことにあるのですよ…。二週間に一回の通院というのも面倒ですよね。仕方ないのですけれども。ホルモン治療をしっかりとしておかないと体の女性化が保てませんから、手を抜くわけにはいかないのです。血液検査の結果を見るとすでに私の精巣はテストステロンの生成を止めている様子なので、ホルモン治療が抜けてしまうと性ホルモン不足からの更年期障害症状が発現、という事にもなりかねません。それは避けたいところです。
「それなら姫が通院終わったところに合流すれば良いんじゃねぇか。」
そう木島さんが提案します。ええ、まあそれなら動くことはできますね。
「そうだな、まさか通院に我々が着いてゆく訳にもいかないだろうしなあ…。」
工藤さんがあごに手を当ててそう考えこんでいます。…えっと、産婦人科に同年代の男子四人を連れて通院しに行ったら、間違いなく周りの患者さん達からとんでもない目で見られますよ。私がものすごくふしだらな有り得ないほど汚れた娘に見られると思います。
「率直に言って、とんでもない勘違いをされるよね、それ。」
「僕の演算でもそういう結論になるな。」
と、毛野さんと柿沼さん。はい、私もそう思います。
「一人でも相当問題ですのに、皆さんでいらしたらとんでもないことになりますよ、私もう通院を続けられなくなってしまいます。」
「間違いなく『このふしだら娘! 相手は誰だ!』って話になるよなぁ。」
木島さん、私もそう思いますけれど口に出さないでください、恥ずかしいですから。
「何を教室で危険な話をしているのよ。姫がそんなにふしだらな事をする訳がないでしょう。清い関係を保つに決まっているじゃないの。姫と駄犬どもだけで出かけるなんて私が許さないわよ。」
あら、早島さんです。
「じゃ早島さんも一緒に行こうぜ?」
臆面もなくそう誘いをかける木島さんです。意外と遠慮が無いですよね。物怖じしないところはいつも通りですけれど。
「そうねえ、駄犬の50連敗祝いに付き合うのも一興かしらね。」
「だからそこは祝うところじゃねぇだろう⁉」
木島さん自身はツッコんでいますけれども、皆さん記録達成という事で祝う方向みたいです。ええと、私は祝うのではなく慰める事にしましょうか。
「まあ木島の連敗記録は今後も伸びるだろうから適度に祝うとして、早島さんも文化祭お疲れさまという意味では一緒だな。我々のようなクラス展示とは訳が違うだろう。調理部はかなり苦戦したと聞いているしな。」
そう工藤さんがやや真面目な口調で言ってくれます。はい、率直に言って戦況は悪かったです。私も出ずっぱりでがんばりましたけれども、どこまで戦局に寄与出来ましたかどうか。
「そうだねえ、姫も早島さんもお疲れさまという意味では一緒だよね。一緒にねぎらいの一つや二つしても罰は当たらないんじゃないかな。」
毛野さんも、早島さんがご一緒でも特に問題はない様子です。
「うむ、またあのような料理が出てくるよりは、一緒に労をねぎらう方が明らかに理にかなっていると信ずる。」
ですからそれはもう忘れましょうよ、柿沼さん。そんなに強烈でしたかあれは。
「どこかいい心当たりってあるかぁ?」
木島さんがそう聞いています。
「あるにはあるんだが、ちょっと高いんだよな。」
と、工藤さん。工藤さんはコーヒーにこだわりのある方ですものね、カフェの情報にも詳しいらしいです。もっとも本人の弁によりますと、仙台のカフェを特集した本を熟読しているだけだという事ですが…。
「ふむ、僕に良い心当たりがある。仙台駅東口から徒歩八分程度の好物件だ。いかがだろうか。」
徒歩八分ならそれほど遠くないですね。良さそうです、柿沼さん。
「眼鏡の駄犬は甘味にはうるさいのだったわね。それなら任せても良いのではないかしら。」
あら、早島さんそこは認めていらっしゃるのですね。
「なんだか珍しいですね、早島さん?」
思わずそう言ってしまう私です。
「調理部のクッキーを気に入る程度に味は解るようですからね、多少は信用もおけるのではないかしら。」
ああ、いろいろと申しましても柿沼さんがクッキーを気に入って買って行ってくれたのは嬉しかったのですね、早島さんも。ですから任せてみましょうという事ですか。相変わらず素直におっしゃらないのですから、もう。…木島さんも家族のお土産にと同じだけ買って行ってくれたのですけれどもね、そちらは評価されていないのでしょうか。
「んじゃ決まりだな、姫の通院は何時頃に終わるんだ?」
「そうですね、12時には確実に終わっていると思います。」
そう木島さんに答える私です。
「ほんじゃ12時に仙台駅のステンドグラス前集合って事でどうよ?」
待ち合わせの定番ですね。特に問題はないです。木島さんの提案に皆さんうなずかれて賛意を示しています。
「よっしゃ、決まりだな。まあ後の事は当日美味いもん食べながら考えようぜ。」
という事になりました。楽しみですね、皆さんと一緒にお出かけなんて。
とりあえず少々遅れましたけれども、私と早島さんも調理部に向かいます。
「やれやれ、駄犬どものせいで遅れてしまったわね。」
とおっしゃいながら、どこか愉快そうな早島さんです。
「楽しみですね、週末。」
そう微笑む私。早島さんはちょっと無理に表情を変え、少々怒ったような顔をされて、
「私は駄犬どもが姫に余計な事をしないかと心配でならないわよ。」
とおっしゃいました。やれやれ、素直ではないですよね、早島さんは。
「お疲れさまです。」
「はい、お疲れさま。二人とも遅かったわね?」
浮田部長さんにそう聞かれてしまいます。
「ちょっとクラスで友人たちとお話をしていまして。」
「大方ろくなことを企んでいないのでしょう。良いからさっさと着替えてきなさい。」
どうしてそう決めつけるのですか、宇野さん。まあとりあえず着替えてきましょうか、宇野さんが怖い笑顔をしていらっしゃいますし。
「私は沙樹子とは違って、法に触れるような事はしないわよ。」
「私もまだ捕まったことは無いわよ!」
「捕まったことがないだけで触法行為は何度もしているわよね。」
「露見しなければ罪ではないのよ!」
なんだかまた不毛にして駄目駄目な論理を発していますよ、宇野さんが…。反省の色が無いうえに遵法意識も薄いのですね…。はぁ、本当に何かしでかさないと良いのですけれど…。
さて、女子制服に着替えて戻ってきました私です。その間に部長さんと赤松副部長さんは皆様に赤点の恐れが無いかどうかを確認していたご様子で…彦崎さんと八浜さんが微妙な微笑みを浮かべていました。お二人とも自信が無いのですね…。皆さんで結構がんばって勉強したと思うのですけれど。
「姫ちゃんは赤点はないわよね~?」
副部長さんにそう念を押されます私です。
「無いと思いたいですし、そう願いたいです。」
率直な気持ちを答えて微笑む私です。まあ、これは皆様同じお気持ちだと思いますけれどもね。
「今日はサンマを買ってきて焼くわよ。気仙沼から良いものが届いている時期ですからね。」
とのことです。なんだか早めのお夕飯みたいですね、部長さん。
「勿論ご飯も炊くしお味噌汁も作るわよ~。」
結構本格的に作る様子ですね…。まあ、普段の調理で慣れた私には特に問題はありませんけれども。…あれ、宇野さんが何か顔が引きつらせていらっしゃいますよ。
「…お魚苦手なのよね…。」
あら、そうだったのですか…。
「沙樹子は青魚を食べてドコサヘキサエン酸を積極的に摂取した方が良いと思うわよ、物覚えが悪すぎていつも同じ悪事ばかり働くのだから。サンマは中々豊富に含まれている方だから、自費で50匹くらい購入して食べると良いわ。」
相変わらずの早島さんです。
「まぁ失礼ね、きちんと覚えていて常に改善はおこたらないわよ。」
「『悪事』なのに『改善』とはこれ如何にというところね。改悪の間違いでしょう。」
ええっと、字義どおりに捉えるとそうなりますでしょうか。確かに宇野さんだんだん手口が巧妙化して露見しにくくなっている気はしますし、手つきがだんだん怪しくなっている気は致しますが…。
相変わらずの私は残留組です。調理机に備え付けのグリルには魚焼きグリルもついていますから、今日はそちらを使う様子ですね。魚焼き器を使った方が便利だし綺麗に焼ける! というお話もあるのですけれど、あれ以外と壊れやすくって、結構すぐ電熱線が駄目になって買い替えを余儀なくされてしまうので、備品として備えておくにはちょっと不都合なのでしょうね。いえ、単に我が家がハズレの魚焼き器ばかり購入しているという事なのかもしれませんけれども…。
そんな訳で買い物から戻ってきた皆様と一緒に、調理開始です。今日は珍しく、調理机4台稼働で縦割り班編成です。何故かなと思ったのですが、『だしの取り方』をみっちりと覚えてほしいという事でした。
うーん、普段は前の晩からお水に煮干しを漬け込んでおくので、この短時間でだしを取れと言われてしまいますと少々勝手が違いますね。まあ、おだしに使った煮干しをそのままおみそ汁の具にして使って、大抵兄様と美琴さんに不評を買ってしまうのですが。そんなに煮干し美味しくないでしょうか。まあ、鰹節を煮てだしを取ることもありますから、そちらを参考にしながら先輩方のご指導を賜りましょう。私の班は三年生の山名先輩と二年生の天野先輩です。基本的な調理を担当するのは私。天野先輩も方法を再チェックというところのご様子です。…ああ、11月に控えた芋煮会に向けての練習も兼ねているのですね、きっと。
「姫ちゃんは手際が良いですね、あまり言うところもないかもしれないです…。」
と、山名先輩がほめてくださいます。少々嬉しいですね。山名先輩は私達一年生にもいつも丁寧に接してくださるのですよ。
「いえいえ、まだまだです。家で調理を任せられるようになってまだ2年ほどですから…。」
と、事実を答える私です。しばらくお母様の補助をしながら腕を磨いたあと、お母様の指示で調理をするようになって、完全に任せて頂けるようになったのはまだ最近の事なのですよ。
「そうか、姫ちゃんは家でも調理担当なのだものね。場数は私よりも踏んでいるかも…。」
そう天野先輩もおっしゃいます。まあ、場数を踏めば必ずうまくなるというものではありませんが…。
「ほぼ毎日調理している事だけは確かですけれど、それがどこまで身になっていますかどうか…。あ、そろそろお魚焼けてきましたでしょうか。」
ことこととお味噌汁を作りながら、今度はお魚の方の具合を見ます。ああ、いい具合ですね。お皿に取り分けましょう。
そんな訳で出来たご飯を頂く私達です。
「うん、美味しくできているね。姫ちゃんのご飯を食べられる旦那さんは幸せだね。」
天野先輩がそんな事をおっしゃいます。いえそんな、私に旦那さんなんてお話は早すぎますよ。
「あらあら、赤くなってしまって…。本当に姫ちゃんは純ですね。そこがまた可愛らしいですけれど。」
山名先輩にも笑われてしまいました。なんだか部内では、私がまだ男子だという事はもうすっかり忘れ去られているような気が致しますね。
「私も頂きますね。」
先輩方がお箸を付けられたのを確認してから、私も食べ始めます。先にという訳には行きませんものね。
「部長、サンマを二匹食べたいお気分だったりしませんか⁉」
隣の机で宇野さんがそんな事を言いだしましたよ…。
「一匹でお腹いっぱいね。ぐだぐだ言わずに食べなさい。作り手が好き嫌いばかり言うんじゃないわよ。食材に失礼よ。」
部長さんがばっさり切り捨てられています。まあ、そうですよね。
「吉川先輩と菜々子は⁉」
何か宇野さん悪足搔きしていますよ…。吉川先輩は一言自分で食べなさいとおっしゃり、早島さんは往生際の悪い事と一言おっしゃって終わりでした。
…うん、今年のサンマは美味しいみたいですね。サンマが安く美味しく食べられるのは三陸地方沿岸に近い地域の特権のようなものですから、これを楽しまないという手はないのですよ。
今晩は私は夕食は軽めにしましょう、結構ちゃんとご飯、いただいてしまいましたからね。
さて週末、土曜日です。私は無事通院を終えて、少々早めに皆様との待ち合わせ場所に参りました。さすがにまだどなたの姿も見えませんね、まあ、まだ時間まで30分はありますものね。のんびり待ちましょうか。
「あら姫、早いのね。まったく、姫を待たせるなんて駄犬どものくせに生意気な。3時間くらい前から来て大人しく待っているのがお似合いというものだわ。」
早島さんがいらして早々に毒づいていますよ。苦笑する私です。
「通院が思ったよりも早く終わったものですから。…早島さん、お綺麗ですね。」
「親がこういう服を着せたがるのよ、私の趣味ではないわ。」
そうおっしゃいながら、少々お顔を赤くしていらっしゃいますよ。薄手の白いニットのセーターにロングスカートがストレートロングの碧の黒髪と相まって、お綺麗さを引き立てていると思います。
「姫も可愛いわよ、姫らしいわね。」
私は少し装飾の入ったブラウスの上に編み模様のカーディガンを羽織り、チェックのスカートに黒タイツという装いです。夜になると少々寒いでしょうか。
「ごめんなさい二人とも、女性を待たせるなんて失礼な事をしてしまったね。」
毛野さんが真っ先にやってきました。早島さんはその通りよ駄犬、などと答えていらっしゃいますよ。
「む、早めに来たつもりだったが…遅かったようだな。失礼した。」
今度は柿沼さん。いえいえ、私はたまたま早く終わっただけですから。
「おお、皆早いな。待たせてしまって申し訳ない。」
程なく工藤さんも到着です。
「あれ、俺最後⁉ まだ待ち合わせ時間まで10分もあるんだぜ⁉」
驚かれる木島さんです。確かに皆さん早いですよね…。
「うむ、では全員そろったし行くとしようか。こちらだ、ついてきてほしい。」
柿沼さんがそう案内を始めます。珍しいですね、柿沼さんが率先して動くというのも。
「ああ、僕は速足な方だから、ゆっくり歩くつもりだが速かったら言ってくれ。今日は姫と早島さんもいるからな。」
と、気遣ってくれる柿沼さんです。
「はい、ありがとうございます、柿沼さん。」
「ふん、駄犬の割には気が回るわね。」
相変わらずの早島さんです。そう言いながら、何か結構楽しそうなご様子なのですけれどもね。
徒歩八分、目的のお店に着きます。…あれ、果物屋さん?
「…眼鏡の駄犬、どう見ても果物屋さんなのだけど?」
「奥にカフェスペースがあり、ここで扱っている果物を使った甘味を提供しているのだ。果物屋ならではの水菓子を使った甘味が売りだという事だ。評判はかなり良いと聞いている。」
早島さんが不審がって問うと、柿沼さんは眼鏡を直しながらそう答えています。あ、本当です。レジの奥に喫茶スペースがあります。果物屋さん直営の喫茶ですか。なんだか珍しいですね。
幸いちょうど空きがあって、すぐに入れた私達です。スマホさんで情報を調べてみたら、結構混んでいて待ちが出ることもあるのだとか。運が良いですね。
みんなでメニューを眺めながら、何を頼もうかと思案中です。私は早島さんと一緒にメニューをのぞき込んでいます。
「結構色々あるのね…。ケーキの種類も色々あったようだし、迷うところね…。」
「そうですね…。でもせっかくですし、水菓子を使ったものが良さそうですよね…。」
つい柿沼さんにつられて、懐かしい言葉を使ってしまう私です。結局色々なフルーツを楽しもうという事で、皆さんフルーツパフェになりました。
「…パフェを食べる駄犬どもね…。何か愉快な姿になりそうね。私達が居なかったらとても格好がつかないのではなくて?」
早島さんがそうくすくすと笑っていますけれども、これは意訳するとたぶんみんなで一緒に甘味を食べるとは嬉しいわねという事になるのではないでしょうか。
「僕は割と平気で頼んでしまうが…何かおかしかっただろうか。」
やや不思議そうな顔の柿沼さんです。…普段真面目な印象の柿沼さんが黙々とお一人でパフェを食べている姿は、少々違和感はあるかもしれませんね、確かに。悪い訳では全くないのですけれども。
「俺は美女二人と一緒で嬉しいぜ!」
安定の木島さんです。…私も美女ですか? ちょっとそこは自信が無いのですが…。早島さんは文句なくそうですけれどもね。
「先に飲み物が出て来たか。ふむ、思ったよりは悪くない。良いお店のようだな。柿沼の選択は正しいようだ。」
と、工藤さん。コーヒー、お好きですものね。
「紅茶も良い香りだね。まあ、調理部で飲んだものにはかなわないだろうけれど。」
そう私達を立ててくれる毛野さんです。
やがてパフェも出てきて、みんなで頂きます。
「それでは姫と早島さんの文化祭お疲れさまでしたと、皆の試験お疲れさまでしたと、木島君の50連敗を祝して。」
「最後のは要らねぇよ!」
柿沼さんがカップを挙げたのに合わせて、皆でカップを挙げてこたえます。さすがに乾杯まではしないですけれどもね。ちなみに木島さんの抗議は皆様にスルーされました。
「柿沼君、連敗記録が伸びることを願ってを忘れているよ。」
笑顔の毛野さんです。
「それも要らねぇ!」
それはそうですよねえ、木島さん。私も苦笑するばかりです。
「…ふむ、さすがに良い水菓子を使っているな。皆の口にも合うと良いのだが。」
と、柿沼さん。
「生クリームもかなり良い仕立てねえ。こんなところにこんなお店があったとはね、知らなかったわ。眼鏡の駄犬も意外にやるのね。」
なんだか珍しく早島さんが好評価ですよ。素直に美味しいっておっしゃればよいですのに。
「これは美味しいですね、良いお店に連れて来て頂いて、ありがとうございます、柿沼さん。」
素直にお礼を申し上げる私です。
「何、僕が来てみたかっただけの事だ。姫と一緒に来られたのは嬉しいがね。」
と、ほんの少し微笑みを見せてくれた柿沼さんでした。
その後も皆さんで街を歩いて、本屋さんに行ってみたりウィンドウショッピングを楽しんだりして、のんびりと一日を過ごしたのでした。皆さんで遊べる機会が持てるのは、素直に嬉しいですね。それも女性の姿でとは。
良い一日になりました。
柿沼さん活躍回です。
もっとも柿沼さんあまりでしゃばるタイプではないので、ごく控えめな活躍回ですが。
そして木島さんは50連敗を前期のうちに達成した様子。よくやりますねえ…。
カフェで出されたパフェは皆さんに好評だった様子です。
さすがに甘味にうるさいと日頃言っている柿沼さんのチョイスですね。