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第28話 ~木島さんが五月病なのです~

第28話 ~木島さんが五月病なのです~


 五月も中旬の金曜日になり、立夏も過ぎて陽光が眩しいくらいになってきました。今朝の朝ごはんは山菜そばです。少々たんぱく質が足りないので、冷や奴も一緒につけましたけれど。

「何だか今日は精進料理みたいだな。朝からこれじゃ元気出ないぜ。」

 と、食卓に着いた兄様が仰います。うーん、そうでしたか…。

「文句があるなら食うな、せっかく絢子あやこが作ってくれたんだぞ。」

 と、お父様がたしなめてくださいます。

「麺類ってすぐ腹が減るんだよ。これじゃ昼まで持たないぜ。」

「文句ばかり言わないの。旬の山菜で良いじゃない。」

 美琴みことさんも擁護してくれます。よく山菜の旬なんて覚えていましたね。

「私はこのくらい軽い方が助かるけどねえ。拓斗たくとに合わせていたら胃がもたれて大変よ。毎日肉ばっかりになるのが目に見えているじゃないの。」

 今度はお母様です。兄様は朝からがっつりとお肉や油ものを食べたがるのですが、他の皆様はそんな重い物は朝から食べたくないとおっしゃるので、間を取り持つのがなかなか大変なのです。

 ちなみに山菜そばは調理部レシピです。レシピ帳からせっせと写し取ってきて、既にレシピノートは3冊目に入っています。ご飯ものばかりですけれどもね。でも実用的でいいと思います。お菓子のレシピばかり写してきても、あまり使う機会がありませんものね。気分的には楽しいのですけれど。

絢姉あやねえ、もう紫外線強い時期になってるけどちゃんとUVケアしてる?」

「ええ、UVカットのクリームを塗っていますよ。たぶん大丈夫だと思います。」

 あまり日焼けしていない方が綺麗に見せやすいですからね。日焼けが濃くなるとお化粧品の色も変えないといけませんから、肌のトーンが変わらない方が出費がかさまなくて済むので助かります。

「うんうん、若いうちからのケアは大切だからね。後々響くんだから。」

「中学一年生に言われても説得力が無いんだが。」

 兄様がそんな事をおっしゃいます。

「それなら私が言えば説得力があるかしら?」

 と、お母様です。ええと、まあそれはそうかもしれませんね。

「母さんの若い頃には紫外線ケアなんて概念無かっただろう。」

「まあ失礼ね、日傘をさして歩くくらいの習慣はあったわよ。」

 微笑ましい親子の会話です。うん、お蕎麦は茹で時間ちょうど良かった様子ですね。これも麺によって違いますから油断のできないところです。冷や奴には刻み細ネギとすりおろし生姜を薬味に置いてあるので、多少アクセントになってくれるでしょうか。


 朝ご飯を食べ終えて自転車で登校です。確かに日差しが厳しくなってきましたね。あまり日焼けをしたくは無いので、信号待ちもこっそりと日陰で待つ事にします。まあ、たいして効果があるとは思えませんけれどもね。それよりはホルモン治療が効いて色白になってくることを期待する方がまだ現実的かもしれません。


 学校に着いて、自転車置き場に自転車を止めます。あら、あれは木島さん。なんだか後ろ姿に生気がないですがどうされたのでしょうか。

「おはようございます木島さん、どうかされたのですか?」

「…おはよう姫、俺はもう駄目だ…。」

 一体どうされたのでしょう、また急に。いつも明るくて元気な木島さんが朝からこんな調子だとは。私の知らぬ間にまたどなたかに告白して手ひどく振られでもしたのでしょうか。

「…大丈夫ですか木島さん? もう表情が死んでいますよ…。」

 あんまり大丈夫では無さそうな気がしながら、私はそう尋ねます。

「…ははは、俺はもう駄目だ…。」

 なんだか解りませんが埒が明きませんね。とにかく教室まで連れてゆきましょう。

「ほら、とにかく教室まで行きましょう。詳しいお話は席で聞きますから。」

 私は木島さんの手を取って、引っ張って行きます。なんだか珍しい構図になりましたね。


「おはよう姫。…何だ木島、朝から不景気な面をして。」

「姫、おはよう。なんだい木島君、朝に他校の生徒に声を掛けて振られでもしたのかい?」

「姫は息災で何よりだ。木島君は朝から一体何だね。」

 もう皆さん教室にいました。工藤くどうさん、毛野けのさん、柿沼かきぬまさんの順です。

「おうお前ら…俺はもう駄目だ…。」

「さっきからこれしか言わないんですよ…。一体どうしてしまったんでしょう…。」

 私は心配を顔に出してそう皆さんにたずねます。心当たりはないのですが…。

「とりあえずちょっと活を入れてやるから待ってろ。」

 工藤さんが立ち上がって、木島さんの親指の付け根を思いっきり押しています。

「痛ててててて! 痛ぇよ工藤!」

「ふむ、ここが痛いという事はお前、疲れているな?」

 あ、工藤さん何をしているのかと思ったらツボ押ししていたのですね。

「昨晩眠れなくてよう…。」

「木島君でも眠れないなんてことがあるのかい? 授業中でもお構いなく寝る君が…。」

「…何で知ってるんだ?」

「そりゃ僕の方が後ろの席だもの、丸見えだよ。あまり寝ていると成績下がるよ?」

 木島さんと毛野さんのやり取りです。まあ、私からもよく見えていましたが。

「で、一体どうしたんです?」

 私は少しは生気を取り戻してきた木島さんにたずねます。

「何つうか、高校生活が思い通りに行かねえんだよ…。高校になったら環境も変わって、女の子とも仲良くなって青春するはずだったのに、もう既に15連敗だぜ…。挙句最近は告白する前に逃げられるようになっちまった…。これじゃあもう中学校時代と変わらねえじゃねえか…。」

 …えっと、まだ5月の末ですから、学校が始まって8週間程度な訳ですから…木島さん、私の知らない間に週に2回も振られていたのですか。よく私のところに泣きつきに来ているなとは思っていましたが、もうそんなになっていたのですね…。

「お前の日頃の行いの悪さの当然の帰結だ、仕方がないだろう。」

 にべもない工藤さんです。まあ、それはそういう部分もありますけれど…。

「木島君、自業自得って言葉を知っているかい? 少し噛み締めると良いんじゃないかな。」

 毛野さんもあっさりとそう言っています。あんまり追い詰めては可哀想ですよ。

「ふむ、演算の必要もない程当然の結末だな。」

 柿沼さん、そう思っていたならもうちょっと止めるなり何なりしてあげてください。

「皆さん、落ち込んでいるところにそんなに責め立てたら可哀想ですよ。せめてこういう時くらい少しは優しくしてあげましょうよ。」

 困った微笑みを浮かべてそうお願いしてみます。聞いて頂けないと思いますが。

「15連敗? もうそんなに迷惑をかけて歩いていたの? 姫、ちょっと手伝いなさい、化学室に行くわよ。」

「早島さん、来て早々に何をおっしゃるんですか?」

「チオペンタールナトリウムと臭化パンクロニウムと塩化カリウムをもらって来るのよ。」

 …確かその組み合わせは…一般的に薬殺刑に使われる薬物ですよ⁉

「全身麻酔剤と筋弛緩剤と心停止剤なんて高校の化学室にある訳がないでしょう⁉」

「無いなら合成すれば良いのよ。塩化カリウムくらいならすぐ作れるでしょう。」

 また無茶な事をおっしゃいます。早島さん、合成できるほど化学の知識をお持ちなのでしょうか…。何かあり得そうな気がするから恐ろしいです。そもそも静脈注射ができるのかどうかも怪しいのですが。

「確かにそうかもしれませんが駄目ですってば!」

「沈み込んでいるならいっそ楽にしてやるのも慈悲だと思わない?」

「思いません!」

 思うって言ってしまったら早島さんを止められなくなってしまいます。ここは意地でも止めませんと。

「早島さん、もう早島さんで良いから俺と付き合ってくれ…。」

 木島さん、何を血迷った事を言い出すのですか⁉ 早島さんに聞かれませんように!

「私で良いから何ですって? 世迷い事が聞こえたような気がするのだけれど。」

 あ、早島さんが本気の怒りに入ってしまいましたよこれは…どうしましょう、私で止められるでしょうか。

「…なんてな、まさか早島さんが俺なんか相手にしてくれるわきゃねぇよなぁ…。」

「姫、ちょっと野球部に行くわよ。」

「今度は金属バット持ってこようって言いだすのですね⁉ 撲殺も充分に駄目ですってば!」

 私は早島さんの手を掴んで必死に止めます。今度こそ本気でやりかねません。何しろ先月、荷物の入った重い鞄で木島さんを思いっきりぶん殴った方ですから。

「それなら剣道部にしておいてあげるわ。性根をとことん叩き直してやるわよ。」

「今は教育的指導に体罰を用いる事は禁止されていますってば!」

 結局穏便では無い方にしか行ってくれない早島さんです。困りました、これは。

「なあ、もう姫で良い。いやもう姫が良い。姫、俺と付き合ってくれ。」

「えっ?」

 いえ、やけっぱちの告白だとは解っているのですが…。

 …何でしょう、妙に胸が高鳴って止まらないのですが。

「寝言は寝て言え!」

 工藤さんが木島さんの首を絞め始めたのを見て、我に返った私です。

「ツッコミ役の駄犬、そのまま絞め殺しておしまいなさい。姫に手を出そうなんて駄犬の分際で百億年早いわ。」

 どうやら早島さん、自分で手を下すのはやめてくださったご様子ですが、今度は工藤さんが…。

「工藤さん、工藤さん、木島さん死んでしまいますよ、もうその辺で…。」

「僕もちょっとさっきの発言は許せないなあ木島君?」

「…同感だ。」

 毛野さんと柿沼さんも何だか殺気立っているのですが…。どうしてこうなったのでしょうか。

 その後、私は三人がかりで木島さんが締められる地獄絵図を見せられることになってしまったのでした。

 早島さんは大変満足そうでしたが…。


 お昼休みです。

「…ったくよぉ、痛ぇよお前ら。まだ治らねえじゃねーか。」

 木島さんがぼやいています。工藤さんも毛野さんも柿沼さんもそこまで跡の残るような打撃は加えませんでしたが、ダメージはしっかり残っている様子です。

「多少は元気になったようだな、何よりだ。」

 工藤さんがそう言っています。何か文脈が繋がっていないのですけれど…。

「で、何でまたあんな世迷い事を言い出したんだい? 早島さんといい姫といい、触れたら確実に危ない人達に手を出そうとするなんて。」

 木島さんは大きく溜息をついています。

「今朝も言ったじゃねぇか、高校生活が思い通りにいかねぇって。もっとこう彼女の一人もできて楽しく過ごす予定だったのによ、現実にはお前らとつるんでばっかりだ。こんな高校生活で良いのかよって思ったら夜も眠れなくてだな…。」

「良いも悪いも自分で招いた結果だろうが…。」

「まあまあ工藤さん、まずはお話くらい聞いてあげましょうよ。」

 途中でツッコむ工藤さんを私は制して、木島さんに話の続きを促します。

「で、眠れなくて元気が無いのかい? なんかそれだけでもないような気がするんだけど。」

 毛野さんは一応続きを聞く気はあるみたいです。

「なんかこうやる気が出ねぇんだよ…もうなんかどうでも良いや、みたいな気になっちまって…。気力は出ねぇし何にも関心が持てねえんだよ…。」

 ああ…少々時期は遅い気がしますが五月病というものでしょうか。木島さんも普段の行動の割に繊細な感性の持ち主ですから…。

「何か対策ってあるのでしょうか…。」

 困りましたね、これは。私達でどうにかできるものでしょうか。

「気分転換をしてストレスを溜めない事だな。以前の環境の友人と会うのも有効だと言われている。木島君、君には仲の良かった中学校時代の友人は居ないかね?」

 柿沼さんも相変わらずの知識量ですね。どこで覚えてくるのでしょうか。

「あー、あいつらか…。…久しぶりに会いてぇな、高校でも良い仲間ができたぞってお前らの事を自慢してやりてぇ。」

 自慢してやりたくなるくらい良い仲間と思って頂けていたのですか。ぽろりとこぼれた本音がなんだか嬉しいですね。

「それなら会ってくれば良い。明日明後日は土日だ、時間の都合くらいつくだろう。」

 と、工藤さん。一応心配はしていたのですね。

「そうですよ、少しは気分を変えて元気を出してください。木島さんの元気がないと私達も調子が狂ってしまいますよ。」

 そう微笑む私です。皆さんも何だかやりにくそうにしていますしね。

「まったくだよ、木島君の唯一の良い所が無くなってしまうじゃないか。」

 毛野さん、あんまり褒めていないですよそれは。元気だけが取り柄という事ですよね。

「同感だな、せっかくの長所が減殺されてしまう。」

 そう賛意を示す柿沼さんです。うーん、良いのでしょうかこれは…。

「まったくだ、お前ときたら元気な時でもろくなことをしないが元気が無くなったらもっとろくでもない事しか言わないではないか。さっさと元気になってこい。」

 工藤さんの言い様が一番ひどいです。まあ確かに、急に早島さんに声を掛けだした時には焦りましたけれど。…でも女王様と下僕という感じで案外似合いそうな気もするのですけれどもね。あ、下僕扱いはいくらのなんでも可哀想でしょうか。早島さんが女王様なのはともかくとしても…。


 そんな訳での土日明けです。月曜日になって、木島さんは元気になったでしょうか。

 教室に行ったら、木島さんの机には鞄だけが置いてあってご本人はいません。このパターンはどうも…。

「おはよう姫、あいつは元気になったみたいだな、どうも。」

 工藤さんが来て早々、そう結論を出しています。

「…どうもそんな気がしますよね。」

 私も微笑んでそう答えます。

「おはよう二人とも。おや、木島君は平常運転に戻ったみたいだね。」

 毛野さんもそのように推測しているご様子です。

「皆、お早う。おや、木島君は元気を取り戻した様子だな。」

 柿沼さんも同様な結論を下しました。これで四人とも同じ結論に至った訳ですね。

「…で、今日はうまく行くと思います?」

 私は一応聞いてみます。返ってくる答えは解っている気がしますけれどね。

「無理に決まっているだろう、あいつ学校内の女子からどういう扱いを受けているのかいまだに自覚しておらん。」

 工藤さんの言う事ももっともなのですが…。

「まあ無理だろうね、でも元気が出ただけ良いんじゃないかな。」

 まあそうかもしれませんね、毛野さん。

「僕の推測では勝率は極めて低いと思われる。」

 私もです、柿沼さん。まあ、口に出して言うのは可哀想ですから言いませんけれど。

「…で、今日はどこの誰に行ったんだろうな。また変な迷惑かけないと良いんだが。」

 工藤さんが溜息をつきます。そういえばこの間は手芸部の中里部長さんに行って、手ひどいダメージを受けて帰ってきたのでしたっけ。…もしかして落ち込んでいたのはそれもあったのでしょうか。実は結構本気で入れ込んでいたとか…。うーん、でも八週間で一五連敗する方がそこまで引きずるとも思えないでしょうか。

「この間は姫、大丈夫だったのかい? 調理部は手芸部とも付き合いがあるんだろう?」

 と、毛野さんから聞かれました。ええまあ、特に大きな問題は。

「中里手芸部長さんから泣きながら帰っていったけど大丈夫だったかと逆に心配されましたよ。あの方は良い方ですね、優しくて穏やかで。」

 そう答える私です。これは事実ですから問題ないでしょう。

「そういう評判だったな、調理部長さんの方はちょっととっつきにくい感じの人と聞いているが…ああ、これは失礼な言い方だったかな、姫の前で。」

 うーん、でもまあぱっと見の印象はそうかもしれませんね、工藤さん。

「初対面だとそうかもしれませんが、その実面倒見の良い周囲に目を配れる気立ての良い方ですよ。私は部長として、先輩としてお慕いしていますよ。」

 私は微笑んでそうお話します。実際よくお世話になりますし、様子もよく見てくださっていますし、宇野うのさんの件で止めに入ってくださったことも何度もありますし、私にとってはとても良い部長さんです。

「姫ぇ~!」

 あら、木島さん帰っていらっしゃいました。これはやっぱり一六回目の敗北ですね。

「また駄目だったのですか、木島さん…。」

「みなまで言ってくれるな…何も言わずに胸を貸してくれっ。」

 やれやれ、私の胸は余程気に入られてしまったみたいですね。

「よしよし、そのうち良いご縁に恵まれますよ、きっと。」

 胸に縋りつく木島さんを慰める私です。やっぱりこうしていると木島さん、何だかかわいいですよね。

「元気が出たのは何よりだがいちいち姫に泣きつくな、木島。」

「そうだよ、気安く姫の胸に触れるんじゃないよ。」

「もう充分だろう。」

 三人そろってまた木島さんを引き剥がそうとします。

「あと五分、いや四分半、いや四分で良い、もうちょっと!」

「朝から何をやってるのよ、姫も簡単に許しちゃ駄目よ、もっと強く拒否しなさいよ。」

 早島さんがやってきて早々に、私達の様子を見てそうおっしゃっています。

「ええ、でも、まあ、可哀想ですから…。」

 私は木島さんの頭を撫でながら、そう答えます。…嫌いではないのです、これ。

「優しいのは結構だけれど、駄犬は厳しく躾けないと駄目よ? 姫。」

 相変わらずの言い様ですね。早島さんなりの私への心配なのでしょうけれども。早島さんは私が女子だと知っていますからね…。胸に縋りつかれる心情も察しているでしょうから。

「くそ、今日は強固だな、元気になったな木島!」

「姫に害を与えないで何とか引き剥がさないと!」

「剥離剤でもないと無理なのか⁉」

 引き剥がそうとする三人と、縋りつこうとする木島さんの争いは続いております。


 やれやれ、何にせよ元気になってくれてよかったでしょうか。

 ようやくいつもの私達に戻った気が致しますね。


木島さんも人並みに落ち込むことはある様子です。ちょっとひどい落ち込み方ですが。

それにしてももう16連敗目。よくやりますねぇ。

毎回泣きつかれる姫も大変そうです。拒否しないのも悪いとは思いますが。

とりあえず元気にはなってくれたようで何より…なのでしょうか。



※チオペンタールナトリウムと臭化パンクロニウムと塩化カリウム

文中で触れている通り、薬殺刑に用いられる薬剤たちです。

薬殺刑はチオペンタールナトリウムで全身麻酔をかけて意識を失わせ、臭化パンクロニウムで呼吸を止め、塩化カリウムで心臓を止める、という手順で行われます。

ちなみに塩化カリウムは肥料にも使われていますし、工業分野でも使用されているので、意外と一般的な物質だったりします。

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