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とりあえず称号の確認終わったから木に登る必要無くなったんだけど…なんか木下に誰かいて、シリアスな感じ出してるんだよねぇ…100メートル離れてても聞こえる会話…あれ、気配だよね?音ちゃうよね?音も気配ですか気配操作さん。とりあえず去るまで待つか…会話を盗み聞きしながら。男二人のどっちもイケメン。色は知らん。
「おい、なんでここに呼び出した?」
「…お前、リーティナのこと好きだろ?」
「っ!?」
「わかってんだよ、いっつもあいつ見てて。でもさ、お前も俺がリーティナのこと好きだって知ってるんだろ。…なんで、好きになっちまったんだよ…」
え、何三角関係?あらぁ、やっだー。
「そ、れは……すまない」
「しかもお前、あいつにキスしたんだろ?」
「……」
あら。いやでも、キスするのは自由…だよね?
「…なぁ、模擬戦しようか。勝った方があいつにアタックする。負けた方は応援する。…やるか?」
どうしてそうなった。
「…分かった」
わぁ。まぁ、がんばれー!私はキスしてない方を応援するぞー!
両者、構えて構えて…始まった!なんで声もないのに分かるんだろうね!
キスしてない方がキスした方を攻撃しまくっている!キスした方は防御をして隙を狙っている!キスしてない方とかいうの面倒くさくなってきたから男Aにしよう!した方はB!
……あれ?ていうかさ、付き合う付き合わないの問題はリーティナちゃんが決めるんじゃないかな?嫌な予感。
カンっ
男Aの模擬刀が弾かれた!喉元に模擬刀を突きつけられる男A!勝者B!
「やめてっ」
「「リーティナッ!?」」
嫌な予感的中!フラグ回収はや。ちょうどいい所で出くわしたね!ちなみにリーティナちゃん男二人が集まってる時100メートル先に居た。薬草取りながらこっちに来てた。気配操作でバリバリ分かった。さすけは。ちなみにこの女の子上の中くらいの可愛らしい庇護欲をそそる顔してる。
「リ、リーティナ…いつから居たんだ?」
「ついさっきよ。……なんで、幼なじみのあなた達が争ってるのっ!」
「「そ、それは…」」
勝った男Bは気まずそうにしながらも覚悟を決めた目!それを見た男Aは悔しそうにしながら俯いている。…え、マジでここで?
「…リーティナ。」
「もう、なぁに?」
「…俺、お前のことが好きなんだ」
マジだったぁー!ここで告るのはあかんやろ。男Aどうするんだ。
「…えっ?」
「笑うとこも、怒るとこも、心配してくれるとこも…全部、好きなんだ。」
「う、うそっ…」
「…本当だ。」
お?これは…いけるか?見つめあって見つめあって…
「…わ…も…」
俯きながら恥ずかしそうにリーティナが言っている
「ん?」
「…私も、好き…」
「っ!?…いつ、から?」
「…私の10歳の誕生日の時。」
「…そうか。そうかぁ…じゃあ、俺らはその時から両思いって事だな。」
「そう、なの?」
「あぁ。…夢のようだ」
「うん…」
「リーティナ…」
「ターレン…」
うっとりと見つめ合う2人。二人の世界に入っちゃったよ。蚊帳の外のAどうするの?
蚊帳の外なAめちゃくちゃショック受けてるよ?そこそこ昔から両思いってことと、もう自分のことなんて気にしてないってことのコンボで大ダメージ受けちゃったよ。どうすんのこれ。
「…リーティナ、行こうか。親に伝えたい。」
「うん、認めてもらう。」
え、何結婚を前提にした交際?何も言ってなかったのにそこまで行っちゃったの?あー…結婚を前提にした交際で3コンボ…手繋いでハート撒き散らしながらラブラブで帰って言った…4コンボ…忘れ方がえげつない…あーあーあ…燃え尽きてるよ…慰めるか…?いや、逆にコンボ増やしそうだぞ…?そもそも他人だから慰めなくていいよね…?慰める…?うん、いいや。
うーん、まだ加減できないから飛ぶ以外で降りれないよな、地面へこんだりしそうで。飛ぶのは飛ぶで目立つよなぁ。ユリウスいなくならない限り降りれないぞ…?いっそこのまま寝るか…?睡眠必要ないけど…あ、気配消せる!行ける行ける!なぜ私はやばいスキルを忘れたのか!
「…帰りたくない…なんで報告に行ったんだ…隣の家だぞ…すぐにうちの親にも伝わるに決まってる…そしたらまたあいつら見せつけられて…もうやだ…会いたくない……家出、するか…」
うわぁ、鬱になってる。ていうか家出はダメだぞ家出は。親が心配すると思うからダメだぞ。
「うん、家出しよう…親も、多分許してくれる…」
え、許してくれるの?というか1人で?1人で旅に出れるステータスかお姉さんが確かめてあげよう。年齢知らんがすぐ分かる。
[名前]ユリウス·シュレミスト
[年齢]16
[属性]火
[レベル]21
[能力]
HP 1000/1000
MP 500/500
STR 112
VIT 97
AGI 56
INT 85
DEX 5
MND 30
LUK 42
[スキル]
火魔法☆5
剣術☆6
生活魔法☆2
[特殊]なし
[称号]
剣士
精神年齢考えれば私がお姉さんだ、うん。…あ、結構強い。少し戦える者のステータスが平均10、HPは100、MPは30だと考えると強い。1人でも大丈夫だな、うん。ほっとこ。…しばらくみてるけど。時間は有限。暇人は暇人。
さぁさぁ参りましたAの家。ユリウスか。
親許してくれるのかな?家出。
「…ただいま」
「おかえりー。…あの子のことは、残念だったわね。」
「…あの、」
「おう、おかえり。あの子のことは諦めな。だいたいおめぇも女ひとりにうつつを抜かしてんじゃねぇ。もっとシャキッとしろや。」
かなり気まずそうなユリウスの言葉を遮ったお父さん!
「もう、あなた!」
「これでも優しく言ってんだぞ、俺は。」
お父さん降臨。ビミョーにえぐってる。
「…もう、いい。」
「…は?おい、どうしたよ。お前あんだけ好きだったじゃねえか。」
呆けた感じ。確かには?だよね、あの好き具合から見て。
「…俺、あいつら見てるの嫌だから家出する」
「あぁ?なんでお前が出なくちゃいけねぇんだよ。結婚とかしたらあいつらも家出てくだろ。」
「結婚するまでとか何ヶ月かかるんだろうな?それまで耐えられるわけないだろ?」
こっちはこっちでビミョーに抉ってる。
「…いや、でもよ。」
頑張れお父さん!
「…いいじゃない、あなた。この子が自分から言い出したのよ。理由はなんであっても、なんだかんだ親の言うことを聞いていたこの子から。祝福して上げましょう?」
へぇ、以外。ユリウスって親の言うこと聞く現代では少ない方の子なんだ。見た目的には悪人イケメンだけども。それにしてもこの親あってこの子だなぁ…イケメンと美女。お父さんの方が悪人っぽい顔してるからお父さんの遺伝子の方が濃いんだなぁ…
「…分かった、しかし、俺を勝負で勝たせなければ行かせぬ。」
なんという古典的な。いや古典的な世界だけども。
「あなた!」
「…外は過酷だ。俺程度も来せないのならば、外ではすぐ死ぬぞ。」
「…でも…」
「分かった」
「ユリウス!…あぁもう、好きにしなさい!」
お母さんやけくそ。お父さんとユリウス結構頑固なのかね…?
外に出ていく皆さま。私も静かに気配を消して着いていく。ちなみに椅子に座ってガン見してました。
「木刀でやるぞ。ルールは、いつもどうりでいいな?」
「あぁ。」
「リリー。頼めるか?」
「はいはい。もう。」
お母さんリリー?あだ名かな?本名かな?
「…すまない。では、構え。」
「…」
二人の間を風がふきぬける。
「…初め。」
2人とも1気に近づき、打ち合わせる。ユリウスの方が押してるかな?でもお父さんは様子を見てる感じだ。
数回打ち合わせた後、お父さんが反撃に出た!ユリウスは防戦で精一杯だ。突然の覗き!
[名前]ルリテス
[年齢]46
[属性]火
[能力]
HP 1460/1460
MP 120/120
STR 157
VIT 124
AGI 65
INT 14
DEX 5
MND 32
LUK 35
[スキル]
剣術☆9
炎魔法☆2
[特殊]
なし
[称号]
剣豪
うわぁ。ユリウスより強い?いや、魔法ステータスはユリウスより劣っている。剣特化?やべー。
まあでも、剣特化ならユリウス負けるかー。
右左右左上下左…そういうゲームに見えてきた
「…俺は、旅に出るっ…!」
「っ!?」
「っ!?」
っ!?はい?え、マジで?体光ってんだけど?…あー、炎魔法体に付与した感じか。炎魔法の適正良すぎて強化されてる。身体強化かよ。適正の良さは先祖返りかな?旅に対する執念でそうなるとかやばい。今決めたことでしょそれ。そうか。そんなにショックだったかあのコンボが。
どんどん攻めて攻めて早い早い早い!ユリウスが早い!…あ、お父さん防戦一方にしてたのに受け止められなくて負けた。
しんっと静まり返る。この緊張やだー。まみー。
「…しょ、勝者、ユリウス!」
ナイスまみー!声が引きつってたけど!そしてバタッと倒れるユリウス。初めて使ったっぽいからね。そりゃあ倒れる。
お父さんも疲労で地べたに寝転がってる。お疲れ様ー。