リル03
街の門が開き
沢山の盗賊達が出て来る
盗賊達は走って向かってくる
が
「強石弾」
リルの土魔法で次々に倒れていく
リルの魔法は盗賊達の身体を貫き 一撃で倒してしまう
誰も サーナ達の場所まで辿り着くことは出来ない
・・・
20分くらいすると
街から出てくる盗賊が途絶える
300人くらい出て来たのだが
立っている者は 生きている者は誰もいない
「ママ 疲れた~」
リルは母親に甘え 抱きつく
母親は笑顔でリルを抱きしめ
「じゃあ 後は サーナ 頑張って」
「えっ わ 私 む 無理ですよ」
「ふっふっ まあ いいわ 行きましょうか」
リルの母親はリルを背中におぶり街の門へと歩き出す
サーナは聞く
「リルちゃんの魔法は その 凄く強いですが 何だか石を投げているように見えるのですが」
「ふっふっ 秘密よ 2人の秘密なのよ」
「そ そうですよね」
「ふっふっ 秘密を守るなら サーナと私の2人の秘密にしてくれるなら教えるけど」
「い いいんですか もちろん 誰にもいいません」
「じゃあ 2人の秘密よ」
「は はい」
「サーナのレベルは53でしょ アイテムボックスの中には沢山の物が入るから そこに石を収納しておくの」
「えっ 石を?」
「そして 石を取り出し投げるのよ」
「えっ 魔法じゃなかったのですか」
「ふっふっ 魔法よ やってみるわよ」
街の外壁の上にいた盗賊に向かって 石を
石は真っ直ぐに盗賊に
しかし 盗賊は気づき
避けようとする
が
石は軌道を変え
盗賊に命中し身体を貫いてしまった
「ねぇ 魔法でしょ」
「えっ 魔法なんですか」
「ふっふっ 石魔法を知っている?」
「は はい」
「石魔法は まずは石を作り 石を強化し 石を飛ばし 石の軌道を変え 敵に命中させる」
「えっ そうなんですか」
「ふっふっ まあ そんなこと考えなくても 出来るんだけどね 理解した方が強い魔法を放てるわよ」
レベルが上がれば 魔法の才能がある者は魔法を放つことが出来るのだが
・・・
サーナも この世界のほとんどの人達も そんなこと考えもせずに魔法を使っているのだ
・・・
「魔法はイメージで強くなるのよ 1つ1つの工程を理解し 強くイメージ出来れば魔法の威力は上がるのよ」
「そうなんですか でも 石は その アイテムボックスから」
「そうよ 石は拾えばいいの わざわざ魔法で作る必要はないのよ 魔力の節約になるし 硬い石を拾ったり 魔法で作っておいたほうがいいのよ」
「な なるほど」
「そして 投げることで 飛ばす魔力を抑えることも出来るし 投げるのと同時に飛ばす魔力を使えば 速度を増すことも出来るわよ」
「そ それで あんなに速く飛ばせるのですか」
「魔法で軌道を変えることも出来るからね 単純でしょ」
「いえ 全て初耳で」
「ふっふっ やってみましょうか」
リルの母親はアイテムボックスから 飛苦無を取り出し サーナに渡す
「えっ これは飛び道具ですよね」
「そうよ 石よりも投げやすく 威力もあるわよ」
「えっ その 石魔法ですよね」
「ふっふっ そうよ ほら 来たわよ」
サーナとリルの母親が街に入ると 盗賊が5人も走って向かってきた
サーナは言われた通りに投げる
投げる瞬間に 魔力で飛ばすように
すると飛苦無は 物凄い速度で盗賊に
盗賊の胸に突き刺さる
しかし 盗賊は倒れずに向かってくる
5人が同時に接近してくる
サーナは焦り リルの母親を見るが
リルの母親はクスクスと笑い
2本目の飛苦無を渡してきた
接近されすぎて 投げることなど出来ないのだが
目の前に盗賊が
首が落ちていく盗賊が
サーナは恐怖と驚きで
動くことが出来ない
5人の盗賊の首が次々に落ちていく
サーナの目の前で倒れていく
リルの母親を見ると
手に剣を持っていた
「斬ったのですか」
「そうよ ふっふっ 見えなかった?」
「は はい まったく」
「もっと稽古しないとね 毎日 稽古しないとダメだよ」
「えっ は はい」
サーナには意味がよく分からなかった
レベルが上がれば強くなれる世界
素振りや筋トレ 走り込みをする人など 誰もいないのだ
「あっ ローラ それに ロイズ オドル ヤン グアン みんな無事なのね 助けを呼んだの もう大丈夫よ」
盗賊達がサーナの仲間達を拘束して近寄ってきた
仲間達の首には奴隷の首輪が
奴隷の首輪は24時間経たないと発動しない
今なら まだ
・・・
盗賊の数は200人以上
それも 頭の盗賊は恐ろしく強い
ドガナー 男 レベル89
更に その周りにもレベル80以上の盗賊達が5人もいる
ロイズは叫ぶ
「無理だ 俺達に構わず 逃げろ この街には2千人の盗賊がいる ぐはっ」
ロイズは盗賊に殴られ 地面に頭をつけられる
ドガナーは 堂々と前に出て来て
何かを話そうとしたのだが
身体に穴が
ドガナーは倒れた
横を見ると リルが母親の背中から降りて 投げた後のポーズをしていた
一撃でレベル89の盗賊が 盗賊の頭が
・・・
誰も動かない
混乱しているのだろう
頭が死んでしまったのだ
しかし すぐに 動き出すことに
リルの母親がリルに
「競争よ」
「負けない~」
笑顔で次々に石を投げ始めた
リルがサーナに
「暇なら 私の代わりに 強石弾って叫んでね」
「えっ えっ」
「ふっふっ ここは連石弾よ ほら サーナ 叫んで」
「えっ えっ」
次々に石が飛んでいく
リルの母親が放った石は恐ろしい程の威力で
盗賊の身体を貫通し 更に後ろの盗賊の身体も貫通していく
盗賊達は混乱しているのか
向かってくる者はいない
逃げ惑い
次々に倒れていく
サーナの仲間達を拘束していた盗賊達は
真っ先にリルの母親に倒されていた
しかし 仲間達は呆然としたまま その場で立ち尽くしている
サーナは必死で叫ぶ
手を前に出し
「土魔法 連石弾 強石弾」
魔法は使ってないので もちろん 何も飛び出さないのだが
・・・
沢山の盗賊がいると言っていたが
援軍に来るどころか
逃げていく盗賊達
次々に倒れていく盗賊達
恐ろしい光景は20分くらい続き
盗賊は誰もいなくなってしまった
サーナは思い出したように 走り出し
仲間の元に
泣きながら ローラに抱きつく
リルがB級ポーションを取り出し
サーナの仲間達に
何が起こったのか 今だ理解出来ていないサーナの仲間達
リーダーのロイズは 前に出て
頭を下げる
「仲間を救ってくれて 俺達を救ってくれて ありがとうございます あなた達は いったい」
リルの母親はクスクスと笑い リルの背中を押し前に
リルは自信満々に
「第4の英雄 最強の魔法使い」
サーナの仲間達はサーナを一斉に見る
「えっ その~」
2千人の盗賊のボスを一撃で倒した3歳の女の子
第4の英雄を名乗る女の子
その正体とは
・・・