幕間 幻惑剣01
小さな男の子 名前はユウキ 年齢は5歳
闘技場で木剣を構え 2メートルくらいの男と向かい合っている
「はじめ」
開始と同時に対戦相手の男に向かって ユウキがジャンプ
ユウキは「必殺 幻惑剣」っと叫び 物凄い速さで対戦相手の頭めがけて木剣を振り下ろす
対戦相手の男はユウキの木剣に自分の木剣を当てて防ごうとする
が
「な なぜ」
ユウキの木剣は対戦相手の男の木剣をすり抜けて男の頭に「トン」っと当たる
ユウキは地面に着地と同時に 後ろに飛び
対戦相手に向かって「僕の勝ちでいい」っと聞くと
対戦相手は困惑した感じで「ああ」っとだけ言うが何が起きたのか分からずに立ち尽くしていた
審判が「勝者 ユウキ」っと叫ぶと
会場からは拍手と何かを叫ぶ声が鳴り響いた
ユウキはすぐに セコンドにいる母親の元へ走っていき 抱きつく
「ママ どうだった」
「可愛い」ユウキの母親はにっこりと微笑みユウキを抱きしめ 頭を撫でる
「もう 試合のことだよ」
クスクスっと笑い「相手も怪我してないし ユウキも怪我してない 偉い 偉い」
「えへっ 次の試合まで ここで待つの」
「そうね 時間があるから 屋台でも見に行きましょ」
ユウキと母親はグランディオ王国の王都で毎日開催されている武術大会に来ていた 参加人数は18人 トーナメント式で2人がシードで準決勝から参加する 5回勝てば優勝となる
参加しているのは人族が16人 そしてシードの2人は魔族である 開催者は魔王 この王都は魔王によって支配されている
人族は誰でも参加可能だが 16人未満の時は奴隷になっている人族が強制参加させられる
今回は自由参加が1人 つまり ユウキだけ 残り15人は魔族の奴隷になっている人達である
すれ違うのは魔族ばかり 屋台や店で働いているのは人族の奴隷達
ユウキの母親は何かを確かめながらキョロキョロと歩く
「ねぇ ママ あれ食べたい」
「美味しそうね じゃあ ママは2本ね」
ユウキが肉串の屋台に駆け寄ると 奴隷の店員は驚き
「どうして ここに」
「大会に参加するためだよ それより これを3本ください」
「ああ 君の母親が参加するのか 魔族に捕まったのか 逃げるなら あの道を通って真っ直ぐに進めば東門に行けるぞ」
「違うよ 観光に来ただけだよ」
「何を言っている 大会に出れば 殺されるんだぞ」
「え~ 違うよ ルールは対戦者同士で決めていいんだよ 僕はね 頭に木剣が当たったら勝ちってルールを提案するんだ」
「はぁ まあ いいさ 3回戦までは人族としか当たらないからな 無理はするんじゃないぞ ほら 出来たぞ」
「お金は?」
「いらない 無料なんだ まあ 基本は魔族様しか 来ないがな」
「ありがとう お仕事頑張ってくださいね」
ユウキは肉串を受け取り母親の元に
2回戦もユウキが提案したルールを相手の男は受けてくれた
そして また開始と同時にユウキはジャンプし 男の頭目掛けて物凄い速さで木剣を振り下ろす
今度の対戦相手の男も木剣で受けようとするが やはり ユウキの木剣は男の木剣をすり抜けた
スピードの乗った木剣が頭に当たったはずなのだが
「トン」っと軽く 男の頭に当たる
やはり 何が起こったのか分からずに 男は立ち尽くす
ユウキが「僕の勝ちでいいよね」っと言うと 男は我に返り 「ああ」っと返事を
3回戦もユウキは同じ提案を
しかし 対戦相手の男が「いや 俺は鉄の剣で戦う ルールは何でもありだ 死ぬまで戦うぞ」っと
「死んじゃってもいいの」ユウキは首をかしげながら聞く
「ふん ご主人様は血を見たがっているんだ つまらない試合はするつもりはない 死ねば この生活から解放されるし 勝てば食事が豪華になるしな」
「ふ~ん じゃあ あなたが死んだら終わりってことでいいんだね」
「はは 貴様が死ねば終わりの間違いだろ」
「僕は強いんだよ」
「はは そうか どっちでもいいさ 勝っても負けてもな」
「はじめ」っと審判が叫ぶと
ユウキは「必殺 幻惑剣」っと叫び 鉄の剣を男に向かって投げた
男は鉄の剣だけで盾も鎧も装備していない
男はユウキの1回戦と2回戦の戦い方を見ていた
剣がすり抜けていたのを
男は剣で受けずにかわすことを選ぶが
かわした瞬間に 別の剣が飛んでくる
かわせないと思った男が鉄の剣ではじくことにした
すり抜けるのか
っと思ったが 普通に弾くことが出来る
男がほっとした次の瞬間に 3本目の剣が飛んでくる
弾くが 4本目の剣が 5本目の剣が
ユウキは叫ぶ 「必殺 幻惑剣はかわすことなど出来ない」っと
「くっ アイテムボックスから 沢山出しているだけだろ いつかは 尽きる」
「それはどうかな 沢山に見えるだけで実は1本の剣かもしれないよ」
床に沢山の鉄の剣が落ちているのだが・・・
「くっ いったい 何本あるんだ」
「1本だよ 無限に見えるかもしれないけどね いつまで弾くことが出来るかな」
13本目までは防ぐことが出来ていたが
「くっ」
完全に弾けずに体に
一度体勢がくずれると
「ぐはっ」
14本目の鉄の剣を弾くことが出来ずに
・・・
男は解放された
・・・
「勝者 ユウキ」
鉄の剣を全て収納して母親の元に戻ろうとすると 審判の男が
「どうする 次は棄権するか 次の準決勝は魔族様との対戦になる 殺し合いを希望されている」
「う~ん ねぇ 木剣で頭に当たると負けってルールじゃダメなのか聞いてみてよ」
審判は横に首をぶんぶんと振る「無理 無理」っと
「じゃあ 殺してもいいんだね」っとユウキが言うと
「はぁ 魔族様の強さは人族とは違うんだ まあ 俺は人族じゃないから 君が死んでも構わないがね」
審判の背中には蝙蝠の翼が生えている 逃げられないようにするためなのか 足がない 移動は人族の奴隷におんぶされないと出来ないようだ
「僕が勝つからね」
「はぁ まあ ルールは何でもあり そして魔族様に勝てば 報酬として 奴隷になっている王族を1人貰える」
「可愛い子はいるのかな」
「はは 勝てた人はいないからな」
4回戦の相手は2メートル以上もある魔族 禍々しい剣と黒い鎧 兜 盾を装備している
審判が「はじめ」っと叫ぶと
開始直後にユウキはその場で「必殺 幻惑剣 奥義」っと叫び
美しい剣を振り上げ 相手に向かって素早く振る
距離は5メートルくらいあるのだが ユウキの剣からは物凄いエネルギー波が
鋭い刃となり 魔族に向かって飛んでいく
魔族は左手の盾を構えて受けようとしたのだが
サクッ
っと真っ二つに
盾も
体も
会場からは物凄い声が
観客は全員魔族なので 何を言っているのか分からないが 悲鳴ではなく 盛り上がっているような声が鳴り響く
審判の額からは汗が
震えながら小さな声で「勝者 ユウキ」っと
会場からは割れんばかりの拍手と 何かを叫ぶ声が
同族が殺されたというのに 盛り上がっているようだ
審判が「ちょ ちょっと 待っていてください 報酬のことを聞いてきます」っと 魔族のセコンドに話を聞きに
審判はセコンドの魔族にペコペコと頭を下げながら話しを
そして ユウキのところに
「ここで棄権すれば報酬の王族が1人貰えるそうです」
「次も戦うよ」
「はぁ 奴隷は選べるんですよ 王を選ぶことが出来るから1人で十分だと思いますがよろしいのですか」
「うん 戦う でも 一応聞いてね 木剣で頭に当てた方が勝ちというルールにしないかって」
審判はまた首を横にぶんぶんと振る
恐ろしくて聞けませんよっという顔で
そして5回戦 決勝戦が
「はじめ」っと声と共に
ユウキが「必殺 幻惑剣 奥義」っと美しい剣を魔族に向かって振ると
鋭い刃のようなエネルギー波が魔族に向かって飛んで行く
魔族は左にかわそうと 素早く移動するが
魔族の動きに合わせて エネルギー波も魔族に向かって方向を変え
スパッ
っと真っ二つになり
戦いは一瞬で終わってしまった
「えっ 勝者 ユウキ」
青ざめた審判が叫ぶと 会場から拍手と叫び声が
そして 高笑いをしながら近づいてくる魔族?が
「おめでとう」っとユウキの母親が走ってユウキに抱きつく
「えへっ 楽勝だね ママのおかげだけどね」
「実戦経験は大事だからね 無理だけは絶対にダメだからね」
「うん」
ユウキと母親が抱き合っていると審判が振るえながら
「あの~ こちらが魔王様です お話があるようです」
ユウキの母親が「そう ちょうどいいわね 話をしたいと思っていたのよ 魔王は私の言葉が分かるのよね」
この世界には人族の言葉と それ以外の言葉の2種類がある 人族の言葉を通訳出きる指輪はあるのだが その逆はないので 人族には他の種族の言葉を理解することが出来ないのだ どちらとも話せるのは別世界から来た 邪神の世界からきた種族のみ 例外はあるようだが・・・
審判が「魔王様が俺と戦うのかと」
母親が「向かって来ないない戦わないわよ 王都の奴隷達を見たけど 扱いは まあまあね 健康そうだし 食事もちゃんと与えられているようね 臭くもなかったしね」
審判が「こら 魔王様はお前の言葉が分かるのだぞ 敬語で話せ 殺されてもしらないぞ」
「私はこの魔王より強いわよ ユウキには まだ無理かな」
「うん 無理そうだね 楽勝で勝てそうなら戦ってみたいけどね」
審判は真っ青な顔で「魔王様は笑ってくれているが 知らないぞ 戦わないなら報酬を渡すから来いっとおっしゃっている」
「じゃあ ついて行くわ 行こう」 そう言って ユウキの手を繋ぎ 魔王の後についていく
審判は人族の奴隷におぶられて魔王のすぐ後に続く
「そうだ ねぇ 魔王 16歳の魔法使いの男の子を探しているんだけど 紺色のローブに 血のような色の杖を持った男なんだけど 知らないかな」
「こら 様をつけろ 様を 知らないそうだ えっ 第4の英雄かとおっしゃっている」
「ええ そうよ 探しているの 知らない」
魔王は首を横に振った
「知らないとおっしゃっている」
「残念 この国も外れね」
城の牢屋に着くと中には30人くらいの人族が
戸惑いながらユウキと母親を見ている
審判が「欲しい奴隷を2人選べ」っと言うと
どよめきが そして すぐに「私がこの国の王だ グランディオ王だ」っと男が嬉しそうに叫んだ
母親が「ユウキが勝ったんだから ユウキが選んでいいのよ」
「じゃあ あの子と う~ん ママ 可愛い子は1人しかいないよ」
王が「待て 私は王だぞ 解放してくれるのだろ」っと必死に言ってくるが
ユウキと母親は興味なさそうに他の奴隷達を見る
ユウキは8歳の女の子に話を
「クリステル 君を解放するけど 他に解放して欲しい人はいる」
クリステルは 隣にいる男の子の手を握る
「私だろ な クリステル 私が解放されれば大勢の人を助けることが出きるんだ」
ユウキは「じゃあ クリステルと その子で」
「待て 貴様 言っている意味が分かっているのか そもそも貴様は誰なんだ」
「僕はユウキ 第4の英雄さ」
牢の中の人々からどよめきが
最強の魔法使い 最強の英雄か っと口々に
しかし すぐに 年齢が違うだろっと
王が「ふざけるな 貴様が第4の英雄のはずがないだろ 第4の英雄なら なら」
ユウキの母親が笑いながら「第4の英雄なら 可愛い子だけを助けるのよね」っと
王が「頼む 助けてくれ 私は王なのだ 私が解放されれば この国の人々の希望になれるのだ」
母親は「どうだか また 戦争でもするんでしょ そもそも あなたが戦争を仕掛けたからいけないんでしょ」
「何だと 私は人族のために戦ったんだ」
「まあ 私達には興味がないけどね」
「貴様も人族だろ」
「私は人族だけど 友達は獣族や魔王や大天使だよ そして この子は第4の英雄 可愛い子の味方なの」
「なっ ふざけているのか 私は王だぞ 王なんだ」
ユウキも母親も興味がなさそうに無視
審判が困惑した顔で「王は助けなくていいのか 本当にこの2人でいいのか」
ユウキが「うん 第4の英雄は可愛い子の味方なんだ そして可愛い子の愛する者なら 助けるんだよ」っと
審判が「魔王様が第4の英雄は生きているのかと」
母親が「ええ 生きているのは間違いないんだけどね どこにいるのかが まあ 楽しく遊んでいるんだろうけどね」
審判が「ソア様という魔王は一緒なんだろとおっしゃっているが どうなんだ」
「ソア 誰 それ」
「さ 最強の魔王様だそうだ 赤髪の美しい女性の魔王様だそうだ」
「あっ あかりちゃんね 一緒だと思うよ」
「友達の魔王様とは その」
「そうよ あかりちゃんとは友達なのよ あかりちゃんは私よりも強いのよ」
「当たり前だろ 最強の魔王様なんだろ」
「追いついてみせるけどね」
「う~ あの剣はなんだとおっしゃっている その子 ユウキの使っていた剣だ」
「ああ 12宝剣ね たぶん 世界最強の剣 私の剣だよ あなたくらいなら一瞬で真っ二つに出来るわよ」
「こら 魔王様に向かって そんなこと出きるはずがないだろ」
魔王は笑っているが 審判は真っ青な顔で何度も 魔王様に謝れと
「魔王様が本当に戦わないのかと」
「ええ 向かって来ないなら戦わないわよ あなたも私に勝てないって分かっているでしょ」
「こら 調子に乗るな 殺されるぞ」
魔王は笑っているようだが 審判はずっと真っ青な顔で「そんなはずありません」っと呟く
ユウキと母親は食事に誘われたが断り城を後にした
ずっと黙ってついて来ていたクリステルが「ねぇ あなた達は 私達はあなた達の奴隷になるの」
「僕はユウキ 可愛い子の味方だよ クリステルの味方 どこでも好きなところに連れて行ってあげるよ」
「でも 世界は魔王に支配させてるんでしょ」
「27人の魔王が支配しているのは王都のみだよ 27の国の王都のみ まあ サブル王国以外は大変みたいだけどね どこか行きたい国はあるの」
「えっ 安全な所なら」
「ねぇ ママ どうするの」
「そうね サリアのところでいいんじゃないかな」
「お家はダメなの 里は」
「う~ん 知らない人を連れて帰るのはねぇ~ ユウキが面倒を見れないでしょ」
「うん ママと修行の旅だもんね」
母親が「サリアのところで サブル王国でいいかな」っと聞くと
「えっ サブル王国は その」
「どうしたの」
「その 裏切りの国だって お父様が」
「サリアはね サブル王国の女王はね 人族も 魔族も 獣族も 他の種族全てと仲良くしようとしてるのよ」
「でも 魔王が魔族を率いて攻めてきたのに」
「それはね 先に人族が攻めたからでしょ 人族は攻めてもいいけど 魔族はダメってのはおかしいでしょ」
「でも その前に魔族が」
「ふっふっ その前にグランディオ王国が魔族の領土に攻め込んだでしょ」
「えっ でも その前に」
「ふっふっ その前に人族が その前に魔族が その前に人族がね」
「えっ でも 魔族は人族を奴隷に」
「人族は獣族を奴隷にしているわよ 魔族の奴隷になった人族より 人族の奴隷になった獣族の扱いの方が酷いのよ それに人族が人族の奴隷を扱うよりも グランディオ王都で見た人族の奴隷達の扱いは悪くなかったわよ クリステルも健康そうだけど 酷い扱いを受けていたのかな」
「うんん」
「でしょ」
「グランディオ王国の人達を助けてくれないの」
「どうして」
「えっ どうしてって 魔王に支配されているのよ」
「私は興味ないけど ユウキは」
「僕もないよ 倒すなら獣族を奴隷にしている人族の方かな」
「えっ どうして」
「僕の友達は きょうだい達は獣族が多いんだよ 一緒に育った12人の内 3人は人族 7人は獣族 1人は魔族 1人は天使族なんだ」
クリステルは「でも」っと小さな声で言った後 無言で下を向いた
ユウキの母親は「サリアの所が嫌なら ノルンの所はどうかな フラテール教団のある街だと平和みたいだけど」
「えっ ノルン様 はい そちらの方がいいです」
「じゃあ そうしましょ 迎えが来るまで時間があるから王都を見学しようか クリステル 案内してくれるかな」
クリステルはこの国の第4王女で 一緒に解放された弟は この国の第6王子 グリフ王子だそうだ
王都の中ですれ違うのは魔族ばかり
クリステルとグリフは魔族を見ないでいいように下ばかりを見て歩いていく
クリステルがユウキに「怖くないの」っと
ユウキは笑いながら「僕の方が強いから安心していいよ それにママはもっと強いんだよ」
「ふっふっ まあ 安心していいわよ 人族と魔族と獣族の争いに興味はないけど 向かってくるなら倒すからね」
突然 グリフが「ねぇ お姉ちゃん あの人達」
路地裏から手招きする人族の男達を指差す
クリステル「私達を呼んでいるみたいです」
しかし ユウキは「僕は興味ないよ それより 向こうの建物を見に行こうよ あれってギルドなんだよね」
ユウキの母親も「そうね 今は使われていないみたいだけど さすが王都のギルドね」っと男達を無視して進む
クリステルとグリフは えっ えっ っと言いながら ユウキ達に続く
魔族が周りからいなくなると
突然 男達が現れた
さっきの男達のようだ
「グリフ王子様 クリステル王女様 ご無事で何よりです」
リーダーらしき男が話しかけてきた
ユウキが「知っている人」っとクリステルに聞くと
クリステルは首を横に振る
ユウキが「じゃあ 行こうか 次は向こうの建物を見に行こう」っと男達を無視
クリステルとグリフも男達に頭を下げ ユウキの後に続き歩き出すと
「待ってください 私達は王を助けるために仲間を集めて機会をうかがっていました どうか 我々と共に立ち上がってください グリフ様 クリステル様」っと
ユウキがクリステルとグリフに「殺し合いをしたいの それとも ノルンの所に行く」
グリフが「殺し合いは嫌です」っと クリステルもコクリと頷く
ユウキが「じゃあ 行こう」っとクリステルの手を引いて歩き出すと
男達は剣を抜き ユウキ達を囲み「来ていただきます あなた達は私達の希望になっていただきます」っと
ユウキの母親がクリステルに「ねぇ 襲ってくるみたいだから この人達を盗賊認定すれば」っと
男が「何を言っている 我々はこの国を救うために活動しているのだ」っと
ユウキも「剣を抜き 力ずくで物事を解決しようなんて 盗賊だね」っと
ユウキの母親が「王族には盗賊認定が出きるんでしょ たしか2人の王族がいれば出来るのよね」っとクリステルに言うと
クリステルがコクリっと頷き 首にかけていたペンダントを持ち「あなた達を盗賊に認定します」
グリフが「承認します」っと
「馬鹿な 我々は国のために」
ユウキの母親が「もう盗賊になっているわよ 鑑定を2回すれば盗賊って表示されるようになってますよ」っと
「貴様 王女様に何を吹き込んだ」っと剣を抜いたまま向かってくる
ユウキが木剣を取り出し「必殺 幻惑剣」っと叫び 男に向かっていく
ユウキのスピードは速く 男の横から木剣で男の頭を目掛けて振り下ろす
男も剣で受けようとする
が
やはり すり抜けて
男の頭に「トン」っと当たる
男は慌てて 後ろに飛んで間合をとる
ユウキが「どうする 僕は強いんだよ 降参したほうがいいよ」
しかし 男は「誰が」っと言って ユウキに向かっていくが
ユウキは「必殺 幻惑剣」っと言って 木剣で男の胸を向かって突きを
ユウキの木剣の長さは1メートルもなかったはずだが
木剣は2メートルに伸び
「ぐっ なぜ」
間合の外からの攻撃に いきなり伸びて胸に当たった木剣に驚きながら 慌てて後ろに下がる
ユウキの木剣を見ると元の長さに戻っている
ユウキが「僕の幻惑剣には勝てないよ 全員でかかってきても一緒だからね」っと
「貴様は何者 魔族の仲間なのか」
「違うよ 僕は第4の英雄さ」
母親はクスクスっと笑い クリステルは「さ 最強の英雄 我がままで理不尽な英雄」っと呟く
「英雄様 いや そんなはずは グリフ様 クリステル様 我々と共に」
クリステルとグリフは首を横に振る
男達はうっと声をもらし そして 逃げるように立ち去っていった
「お待たせ」っと後ろから ユウキに抱きつく綺麗な女性
女性が杖をかかげると
転移の光が全員を包んだ