幕間 解放01
「沢山あるから いっぱい食べてね」
「竜の巫女様 ありがとうございます」
竜の巫女と言われている女性が赤竜と一緒に孤児院で炊き出しをしていた
「余ったお肉は干し肉にするのよ 食べれない素材はギルドに売ってもいいし 何かを作ってもいいからね」
子供達はコクリっと頷きながらも 肉をバクバクと夢中で食べていく
「まだなのか」
「ふっふっ もう少しで終わりですよ」
「我はあの山の赤大牛の魔物の肉が食いたいから来ているのだぞ」
「ふっふっ テエルが戻って来たらね」
竜の巫女が後片付けをしていると 男が近づいてきた
「あなたが竜の巫女様でしょか 私はサザダム王国 第2王子のルジル どうか願いを聞いて欲しい」
「私にですか」
「はい 我々は数日後 王都サザダムを魔王から奪還するために この南の街から攻め込むつもりです 竜の巫女様にも協力願いたい」
「ふん 止めておけ 戦争等に関わる必要はない」
赤竜が言うと 竜の巫女も
「すみません 私には命をかけて守らなければならない人々がいます あなた達が命をかけてこの国を守るように」
「そこをなんとか お願い出来ないでしょうか 赤竜様が姿を見せてくれるだけでも 兵士達の士気が高まります あなたが 竜の巫女様が激励をしてくれるだけでも」
「すみません 私達にも予定があります ただ 今夜 皆様に肉料理を振る舞うことにしましょう」
「本当ですか」
「我の肉を分けるというのか」
「ふっふっ 沢山倒せば問題ないでしょ」
「ありがとうございます 竜の巫女様の手料理を食べれば士気が一気に高まるでしょう」
ルジルという王子は喜びながら 帰っていった
4歳の女の子が3人の可愛い女性達と一緒に孤児院に戻ってくると
赤竜は 竜の巫女と4歳の女の子を背中に乗せ 近くの山へと飛び立っていった