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「やあっ」


「はっ」


「とりゃあっ」


ユウとの毎日の試合稽古で剣使い相手の戦い方は慣れてきたが


どう考えても 魔法使いの戦い方ではない


「師匠 俺って魔法使いですよね 全然魔法使いぽくないんですけど」


「貴様は いつも 使っているだろ」


「えっ 何をですか」


「はぁ 稽古中に俺に向かって石を投げてるだろ あれは土魔法 石弾と同じだぞ まあ 石に魔力がこもってないけどな」


う~ん たしかに 師匠に向かって毎日投げているから どんどん速度もついているけど 避けられているからなぁ~


「魔力がこもってないデメリットはあるんですか」


「ない メリットのほうが大きいな」


「メリットですか」


「何度も説明しているんだがな」


「講義のときは 寝ているもんね」


「ユウを見ているだけだよ」


「えへへっ」


ユウは俺に近づき ちゅっと


キスを


「はぁ 魔法使いが使うマジックシールドという魔法がある これは魔力を通さない盾だ 貴様が魔法のように石を投げれば 魔法使いならマジックシールドを使うだろう もちろん 魔力がないから マジックシールドは貫通して相手に石が直接当たる」


「んっ 魔法使いは剣や矢を防ぐ盾はないんですか」


「もちろんある 物理シールドという魔法がある これなら 物体を通さない 土魔法や氷魔法も防ぐことが出来る だが マジックシールドは物理シールドと同じ魔力で3倍の防御力があるから 魔法を放たれたなら必ずマジックシールドを使うはずだ」


へぇ~ そうなのか


「でも 石投げで敵を倒すのは難しいんでしょ」


「そうでもないぞ 貴様の力と速さなら 最強の土魔法使いよりも威力が出るようになるだろう」


本当にそうなのかなぁ~


「でも 石投げは魔法使いぽくないですよね」


「貴様がいつも俺にやっているように 幻影を使えば 石を投げているのか 魔法を放っているのか分からないだろ 魔法使いぽく 何か適当にセリフを言えばいいだけだろ」


「魔法使いの魔法のセリフって適当なんですか」


「適当と言えば適当だな 魔法はイメージで強くなる 石を作り そして 飛ばすイメージが出来る言葉なら何でも構わない」


ということは無言でも放つことが出来るということか そういえば スノウやフレアは無言で魔法を放っているかぁ


「これを使ってみるか これなら装備力が0の貴様でも使えるだろう」


「紐ですか」


「ああ そうだ 投石紐だ 聞いたことくらいあるだろ」


「えっ 知りません」


「はぁ 講義で簡単な説明は何度もしたんだがな まあいい 手で石を投げる時も円を描きながら速く遠くまで投げ出すだろ それと同じ仕組みだ ここに石を包み 両端の紐を持って振り回す 後は片方の紐を手放すことで 石だけが飛んでいく」


おおっ 簡単だな では さっそく


師匠から長さの違う投石紐を沢山貰いアイテムボックスの中に


そして 師匠に向かって


「師匠 たまには 当たってくださいよ」


「馬鹿か 無理だ 貴様の威力なら手で投げられても死ぬぞ しかし 投石紐のコントロールは難しいのに上手に扱えているな」


「的がいいからなのかもしれませんね 当てたいと強く思える的だからかな」


「はぁ 石の大きさ 形状 硬さなどいろいろ試しながら稽古しろ 自分にあった石をアイテムボックスに収納しておいて 素早く取り出す稽古もする必要があるからな どんな敵に向かって投げるのかを考えながら投げないとダメだぞ」


戦闘を想像しながら稽古をするのか う~ん 敵は師匠だけしかいないからなぁ~


「じゃあ 夕食の食材を取りに行こうよ 稽古に調度いいよ」


「そうだな じゃあ 鶴の魔物を食べたいな」


「うん 私も食べたい 行こ」


鶴って食べれるのか 聞いたことないけど まあ 魔物だからいいのか





森を抜け 湖に


「ほら あそこ ここからなら気づかれずに 攻撃出来るよ」


「うん やってみるね」


投石紐に石を包んで


ふぅ~ よし


投石紐を振り回し そして 鶴の魔物目掛けて 片方の紐を離す


げっ 外れた


「もう 今日の晩御飯なんだよ 行くよ」


狙撃に気づき 鶴の魔物は飛び立つが


魔物の習性なのか 人を見ると襲ってくる


おっ 逃げないのか なら もう一度


ユウを見た鶴の魔物の群れはユウに向かってきた


投石紐に石を包み 振り回し


あっ


「ユウ」


石を放とうとしたのだが


・・・


19匹の鶴の魔物が全て ユウに斬られていた


「あっ そうだったね えへっ」


鶴の魔物を回収していると


「よかったね」


「うん でも 大きいよ」


どこからともなく巨大な鰐が現れた


「倒したらダメだよ その巨大鰐の魔物の経験値は大きいからレベルが上がってしまうからね」


「うん 分かってるよ」


距離を取り 投石紐で石を放つ


おっ 命中


あれっ


石は巨大な鰐に当たったのだが まったく傷がついていない


もう 一度


巨大な鰐は近くにいるユウを狙っている


的は大きく 隙だらけ


行けっ


よし


巨大な鰐目掛けて真っ直ぐに飛んでいく



当たっても まったく傷が出来ない


「ユウ 大丈夫か」


「平気だよ 誰だと思っているの 余裕 余裕よ」


ユウは巨大な鰐の攻撃を余裕でかわしていく


なら もう一度


う~ん もう一度


・・・


もう一度


「ふっふっ 満足するまで 攻撃していいわよ」


「ありがとう 威力はかなりあると思うんだけど~」


「そうね なんか変ね」


「当たり前だ」


「あっ 智王様 どうしたんですか」


「師匠 お腹空いたんですか」


「馬鹿か こいつは俺が封印していた邪巨大鰐だ あれを見ろ」


「ほんとだ 封印が壊れてるね ほら あれ」


「俺 俺が鶴の魔物を外した時の石が当たったのか」


「はぁ~ どいてろ 封印する」


「ふっふっ 食べるんでしょ 任せて 魔那達よ 力を貸して 白銀の剣」


巨大な氷の剣が上空に現れ 物凄いスピードで落下し 邪巨大鰐に突き刺さった


邪巨大鰐は唸り声を上げ 暴れまわるが 巨大な氷の剣が身体の中心と地面に刺さっているので その場から移動することは出来ない


「さすが スノウ」


「はぁ 硬い鱗を貫くとは また魔力が上がったのか」


スノウが俺の方をみて「ほら どんどん 攻撃しないと」っと


「うん ありがとう」


「スノウ ダメだよ レベルが上がったら大変よ」


「ふっふっ そうだったわね じゃあ 下がっていなさい」


「あ~ そうだね 任せたよ」


俺が離れると 上空に10本の巨大な氷の剣が現れ 落下していった










「美味しいね」


「うん こんなに美味しい鰐なら毎日でも食べたいね」


「はぁ 普通の攻撃が効かない恐ろしい魔物なんだぞ」


「そうなんですか さすがスノウだね」


「あれくらいは 君も出きるようになるわよ」


「えっ そうかな」


「まあ そうだな 腕力とジャンプ力があれば 似たような攻撃は出来るようになるぞ」


「すごい じゃあ 明日は 白銀の剣の稽古だね」


「あれは凄かったよね 俺にも出来るのか~ ついに俺も最強の魔法使いに」 


「ふっふっふっ 今夜は2人で打ち合わせをしましょうか」


「そうだね」


「今日は私だよ」


「じゃあ 一緒にね」


「はぁ~」




最強の魔法使いになるための修行は続く


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