side クラスメイト 勇者選定
本日4話目。
読み飛ばしてもあんまり問題ないです(^_^;)次あたりから溺愛予定。
「ここは一体・・・」
気がつけばそこは見知らぬ場所。
先程まで確かに学校の教室にいたいたはずなのに何故・・・と冷静にクラスの中心人物である神藤勇樹は考えるがそこでふと見知らぬ人物がいることに気づいた。
他のクラスメイトもこの異常事態に動揺していたが、その見知らぬ人物に視線を向けていた。
そんな空気の中で件の人物ーーーいかにも賢者のような髭の長い人物が口を開いた。
「皆様初めまして・・・私はバルート王国にて『賢者』の称号を国王より与えられしもの・・・名をルクスと申します」
男・・・ルクスと名乗った人物に勇樹は一歩踏み出して言葉を発した。
「俺は神藤勇樹だ。ルクスさん・・・でいいのか?」
「よろしゅうございます。神藤様」
「そうか・・・それで、あんたが俺達をここに呼んだのか?」
警戒心を抱きつつ勇樹はそう質問する。するとルクスはこくりと頷いてから頭を下げて言った。
「皆様におかれましては混乱なさっておいでかと思いますがどうか・・・どうか私達の話を・・・私達の国を救って欲しいのです!!」
その台詞にクラスメイトは何事かと視線でやり取りを交わすが・・・勇樹は一人ルクスに近づいて言った。
「とりあえず説明してくれるか?話はそれからだろう?」
「おお!そうですな!すみません先走りました。まず皆様お気づきかと思いますがここは皆様からしたら皆様のいた世界とは別の・・・異世界と呼ばれる場所になります」
そのルクスの言葉にクラスメイトの大半は困惑の色を・・・そして、その手のオタク知識がある何名かは興奮した様子で騒いでいたが勇樹がそれを視線で黙らせて続きを促す。
「皆様をお呼びしたのは簡単に言えば皆様に魔王を倒して欲しかったからなのです」
「魔王?」
「ええ。この世界には皆様の世界にはない魔法と呼ばれる力があります。その魔法を使える化け物を我々は魔族と呼んでいるのですが・・・魔王とはその中でも最も凶悪で最悪な存在・・・今までにやつらのせいで犠牲になった者は数知れず、我々では対抗しきれない故に、皆様をお呼びした所存でごさまいます」
「そんな化け物を俺達普通の学生に倒せって?冗談だろ?」
論外だと吐き捨てる勇樹の言葉にルクスは力強く否定をした。
「皆様はただの人間ではありません。こちらの世界では皆様は『勇者』と呼ばれる力を発揮することが出来るのです!」
「『勇者』?」
「ええ。皆様はこちらの世界に来るにあたって神々からの恩恵をそれぞれ得ているはずなのです!例えば・・・神藤様右手を出してください」
言われた通りに右手を出す勇樹。するとルクスは懐から出した小さな杖を振り上げて勇樹の右手に軽く当てた。すると・・・
「熱っ!な、なんだこれ!?」
みるみるうちに勇樹の右手に現れる竜の紋章。
それと同時に勇樹の頭に情報としてその力が流れ込んできて・・・ふいに勇樹はその言葉を口にしていた。
「『ドラゴンスレイブ』!!」
その言葉をキーとして勇樹の右手に現れるドラゴンの柄をした黄金の剣。それを見てクラスメイトは驚きの声をあげる。
「ゆ、勇樹・・・それは一体・・・」
勇樹はそのクラスメイトの言葉になんと返していいのかわからずに硬直するが・・・そんな勇樹を見て興奮したようにルクスが声を発した。
「これです!皆様にはこのように多種多様な力が宿っているのです!ですからどうか・・・・私達の国を魔王から救ってください!!」
その言葉に・・・好奇心が旺盛な学生達は静かに頷くのだった。