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引きこもりは禍鎧を着込んで  作者: ウツウツ
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ギルドの一室

栗毛のポニーテールの女の子が照明の元でサラサラと何かを書き込んでいた。

まだ大人には成りきれていない、幼さと大人の間にいるような女の子だ。

明るい黄色の瞳に少々つり目の目立つ顔だが可愛い部類に入るだろう。


その頭は紙と道具を忙しく行き来している。

頭が動く度に後ろで束ねた髪も動く。

どうやら何かを紙に写しているようだ。


「うぉっしゃ〜。

や〜っと終わったッス!」


栗毛の女の子は長い間、書き物をしていたのか腕を上げて伸びをして疲れを取ろうとしていた。

先ほどまで気を張っていたからだろう。

キリッとしていた顔付きがホニャっと崩れた。


「やっと終わりましたか、ローニー。」


ローニーと呼ばれた女の子の背後から声をかける者がいた。

その声の主を知ろうと振り返ったローニーは驚きの声を上げた。


「へ?

ホ、ホールメンギルド長!?

なんでここにいるんスか!?」


ホールメンギルド長と呼ばれた、黒い長髪に青い瞳、声や顔つきは中性な者が立っていた。

そして、不思議な事にその長い長髪から長く細い耳が重力に逆らうようにピンっと生えていた。


「ローニー、貴女が記録の提出を遅れているため、私が取りに来たのですよ。」


「うっ。

それは、すまないッス。」


「時間の管理に気を付けて下さいね。

では、記録の提出は出来ますか?」


「はい!

ちゃんと書き上げてるッス!」


ローニーは先ほどまで書いていた紙をギルド長に押し付けるように渡した。


「・・・ええ、綺麗に書かれていますね。

ローニー、貴女が書いた記録は情報が見易く、まとめられているため城内でも重宝される事でしょう。」


「そ、そうスか。

・・・うへへ。」


ギルド長は片手で紙を持ち、片手でローニーの頭を優しく撫でた。

ローニーは面白いように顔を崩して笑った。

ギルド長から褒められた事がよほど嬉しかったらしい。


しかし、紙を読み進めていくギルド長の顔つきが少し険しくなった。


(ゴブリンとマッシュの魔石が少ない?

森の異変についての報告は聞いていませんが何かあったのでしょうか?

・・・もしや、キングでも誕生して統率でも取り始めましたか?)


「そういえば、ローニー。

今日は何か聞きましたか?」


「今日ッスか?

え〜っと、あっ!

そういえば、ガンデスさんがロムちゃんから聞いた話らしいんッスけど。

森で謎の鎧を見かけたらしいッスよ。」


「謎の鎧ですか?」


「なんでも鍛冶屋のオーベルさんよりも大きな鎧を見かけたらしいッスよ。」


「・・・なるほど。

では、ローニー、翌日にロムさんとガンデスさんをギルド長室に呼ぶようにしておいて下さい。」


「ウッス、了解ッス!」


(あとは、森について間者を潜らせてみますか。

まだ、被害が出ていませんが痕跡は見つかるでしょう。

謎の鎧についても森の異変に関連している可能性もありますし、情報を集めましょう。)


<><><><><><><><><><><><><><><><><>


『あっ!

"ホロウ"ちょっと止まって!』


クッキーが鎧に止まるように指示を出した。


『ねぇ、あそこ。

あそこの床が膨らんでいるのが分かる?』


画面を見ると少し先の床と壁の境目ににボール状の膨らみを見つけた。


『お願い、アレを割ってみて!』


クッキーのお願いのような命令に男は従い鎧を操作してそのボール状の膨らみを鎧に踏ませて割った。


ー【グロウ】を入手したー


『こんなふうにアビリティやアイテムをゲット出来るの!

でもたまに邪悪な存在が出てくるから気をつけてね!』


その言葉を聞いた男はこれまでの通路で同じようなボール状の膨らみがなかったか思い出そうとした。


少し鎧の操作を止めていたが、また前進するように操作を始めた。

どうやら、今までは無かったと結論を出したらしい。

《予告》


トレジャー

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