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引きこもりは禍鎧を着込んで  作者: ウツウツ
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予想外な事

【ブック】から取り出したダンジョンコアを3人娘の前に出した。


「それを使用せよ、という指示でしょうか、ホロウ様」


ーーーY/Nーーー


カチ。


男はリアが初めて話した事にも何も反応をせずに選択した。


しかしを選択してもリアは動かない。

いや、動けない。

目の前の鎧はコアを持ったまま身動き1つしないのだから。


自身が発した言葉を肯定しているのか否定しているのか判断が付かないのだ。


『やってだって!』


その選択はクッキーには伝わったようだ。

クッキーの言葉に安心した様子でリアは鎧からコアを受け取り3人寄って話し始めた。


「リア、(あるじ)はこれをどうする事を望んでいるのだ?」


怪訝そうにリアに詰め寄るマーダ。

これと指差したダンジョンコアに視線を落とし、またリアの顔を見る。


「ごめんなさい。

まずはこれが何か分からないです、はい」


恐る恐る会話に入るラナウィ。

ダンジョンコアから視線を外さないのは未知の物に対する恐怖からだろう。


「まずは考えてみましょう。

ホロウ様が私達に求めているのは強さ。

クッキー様が名前を教えて下さった、この装備や今までの私達への行為は全て、私達を強くする為のもの。

ならば、答えは自ずと出てくるものです」


まずは考えろと言うリア。

しかし、そのリアの表情も明るくはない。

受け取った本人さえ、持っている物体が何か分からないようだ。


「なるほど」


「えっと」


「………」


それっきり、黙ったままダンジョンコアを見つめる3人。

しかし、それで自体が好転する訳ではない。


「クッキー様、これはなんでしょうか?

良ければ、使用方法も教えて下さい」


思い立ったリアはクッキーに尋ねた。

鎧に聞いても意味がないと無意識に判断したのだろう。


『それはダンジョンコアよ!

ダンジョンの心臓とも言われてるの。

高純度の魔力の塊であり、他にも個々のダンジョンコアによって様々な効果を持っているよ!


使う例を上げれば複数人で発動させる魔法の媒体としたり、加工して武器や防具を改良に使われるよ!』


クッキーはリアの質問に快く答えた。

邪悪な存在だなんだと嫌っていた割にはすんなりと答えたものだ。


「武器…」


「防具…」


「改良…」


そして、クッキーの説明に3人は揃って鎧の方を見た。


敵を撲殺する姿。

敵の攻撃に歯牙にもかけない姿。

自分達の主人の姿。


「主が強くなるべきだな」


「もっと硬くなれば頼りになります!」


「意見は一致したようですね。

では…」


リアは意を決して鎧に近付いた。

そして持っていたダンジョンコアを鎧の腹部に押し付けた。


するとどうだろうか。

ダンジョンコアは何者にも傷付ける事のできなかった鎧にまるで泥に沈むような速度で溶け込んでいった。


➕➕➕➕➕➕➕➕➕➕➕➕➕➕


その様子を映像で見ていた男は自分の思惑とは別の行動をしたNPCにそう現実は上手くいかないかと反省した。


永遠とレベリングができる場所。

淡々とした作業になるだろうが男はそれを好んでいた。


何かしていないと思い出してしまうのだ。


フラッシュバックという現象がある。

これは心の病や麻薬なんかに関連した言葉だ。


ふとしたきっかけで恐怖が蘇る。

男にとっては日常全てがきっかけになりうる爆弾なのだ。


あの日、あの時、あの瞬間。

男の人生に災厄が襲いかかったあの出来事を。

男の人生の転機とも呼ぶべきあの頃を思い出す。

思い出してしまうのだ。


それは男が幼い頃にガラポンで当てた地球一周クルーズ旅行。


それは多くの命が消え去り、そして…


今の世界の現状に繋がる1つの要因だ。


事実は小説よりも奇なり。

そういう言葉がある。

男が体験したものはその言葉が当てはまるだろうか。


現在の医療の最もたる象徴。

不老不死になる技術。

その技術が明らかになったあの現場。


そして、今でも悪夢で見るそれは男が抱える闇だ。

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