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引きこもりは禍鎧を着込んで  作者: ウツウツ
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主神のと賢神の

白を基調とした部屋に大きなベッドとそこに上体を起こして本を読んでいる少女が居た。


歳はまだまだ子供と言える。


少女は白い長髪を下敷きに身体を自身よりも大きな特注クッションに寄り掛かっていた。


少女は肌は青白く、目の下には大きなクマが出来ていた。

元は美少女なのに全体的には病人にしか見えない所が物悲しい。


トントン。


「・・・どうぞ」


扉を叩く小さな音に気が付いた少女は間を置いて本を閉じずに部屋に入る事を許可した。


その少女の許可を待っていたのかゆっくりと扉が開いた。

そこにはつま先立ちで扉の取っ手を指先プルプルと震えながら必死に開けた少年が居た。

いや、幼児という言葉が合うかもしれない。


「まだ目標を調べきれてないよ、主神の」


本から目を離さず言葉だけを言う少女。


「ふふ、熱心だねぇ、賢神の。

僕はそんな頑張っている君にお土産と経過報告を聞きに来たんだよ」


少年は背負っていた大きな籠を床に置き踏み台にしてベッドの近くにあった椅子に座り込んだ。


そして大きな籠を漁り1つの果実を取り出し、ポケットから出した小さなナイフで皮を果実を切り始めた。


「熱心って・・・

自分の命が掛かってるんだから必死にもなるわよ」


少女は本から目を離さず呆れたような声を呑気な少年に返した。


そして少年にある事を伝え始めた。


「まず、禍鎧なんて種族は居ない。

分かったのはデュラハンに似た鎧だけの種族みたい。

アビリティについてはジョブや種族なんて完全無視した構成。

中にはユニークもいくつか。

正直、ユニークは初めて知った物ばかりだよ」


少女は不機嫌そうに少年から手渡された皮を綺麗に剥かれた果実を小さくかじる。


果汁が本に垂れそうになり慌てて本を閉じた。


「へぇ、賢神のも知らないなんて流石だなぁ」


「主神の、呑気に言わないで。

過去の映像では3人の魔人を連れてダンジョンに向かったんでしょ?

対処しなくても良いの?」


果汁を垂らさないように一口で食べようとして口の周りをベタベタに汚した少年は気楽に答えた。


「心配はないよ。

『共存する獣』は出て来られるのは構造上、小物だけだし。

ダンジョンを操ったとしても付近の町への影響は極僅かさ」


「はぁ、忘れたの?

アレが攻略したダンジョンからは一体も魔物が出現してないのよ?

『枯れた大木』や新しく出現した『群勢の巣穴』からもよ。

このままじゃ『共存する獣』も同じになるんじゃない?」


「それはそれで素晴らしいじゃないか。

ダンジョンから魔物が出ないって事は平和でいいさ」


「・・・魔物から得た物で私達の生活が成り立っているというのに本気で言ってるわけ?

バカにもほどがあるわよ」


「それでもさ。

魔物が出現しなくなれば魔物によって、殺される人が居なくなるんだ。

それだけでこの世界の文化は急速に成長するよ」


少女は少年の言葉に呆れたらしく黙って果実を食べる。


言葉を交わさず黙々と果実を食べる2人。

食べ終わった少女は少年から蒸されたタオルを受け取り手を綺麗に拭いた。

少年は自分の蒸しタオルで顔を豪快に拭いていた。


「アビリティは調べ終わった物を教えるわよ。

メモの準備は良い?」


「あぁ、いつでも!」


「まず、目に付いた【ナインスシンボル】よ。

九柱の神々のシンボルをまとめた効果がある脅威のアビリティ。

でも、単体のシンボルよりも効果は劣化されてる所が救いね。


【ファンジャイロード】も侮れないわ。

『枯れた大木』に現れる最奥に居るキングの能力を使えるみたい。

ダンジョンボスの名前が付いたアビリティなんて訳が分からないわ。


他にも【ブック】なんて言う倒した魔物からアビリティを得るなんてふざけた物としか言いたくない物もあるし。


地味に即死攻撃の【ギロチン】や死んだ後に発動するアビリティ。


時間が経てば経つほどアビリティが増えるはずよ。

正直、あの魔王よりも厄介じゃない?」


「う〜ん、確かに厄介かなぁ」


少年は呑気に新たに剥いた果実に口の周りをベタベタにしながら噛り付いた。

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