機械的にレベル上げ
ズドドドドンッ!!!
地を揺るがすような音が連続して響き、大量の光の粒子が弾けて鎧へと吸い込まれて行く。
それ以降は大きな部屋に鎧が一人、ポツンと立ち止まる。
『ねぇ、ねぇ、"ホロウ"。
ねぇってば!
そろそろ次の部屋に進もうよぅ。
目の前に出口があるんだよ?
もぅ、いつまでもここで待ってたら、また邪悪な存在がたくさん湧いてきちゃうんだよ!?』
そうクッキーが鎧を非難する。
それに動じないかのように男は鎧の操作を止めていた。
いや、ただ操作を止めている訳ではないようだ。
パソコンのある一点を凝視していつでも鎧の操作を、攻撃の準備をしていた。
そして、その一点に黒いシミのような物が染み出してきた。
そして、そのシミから何かが出る前に男が動いた。
連動するかのように鎧がシミに攻撃を開始した。
ズドドドドンッ!!
また地を揺るがすような効果音と共に大量の光の粒子が弾けて鎧へと吸い込まれて行く。
どうやら、男は敵が出現する場所、リポップ地点を見つけたらしい。
男は出現した敵が動き出す前に鎧を操作して攻撃をする。
敵が出現するまでに1分もかかっていない。
俗に言う敵が大量に潜んでいるモンスターハウスと呼ばれる部屋だろう。
敵が大量に潜んでいる場合、普通の人は戦闘が長引きゲームを進み難い、障害扱いである。
しかし、男からしたらカモでしかないのだ。
鎧のレベル上げる為、【ブック】の敵の情報を集める為、敵の落とすアイテムを集めて後々活用する為に黙々と続ける。
そう、時間に余裕のある男はそれを長時間続ける事が出来、男はそれが苦ではないからだ。
『ムムム。
"ホロウ"レベルが上がったみたいだよ!
ねぇ、レベルが上がったよ!
もう止めようよ!』
クッキーは拗ねてしまっているようだが。
ゲームによっては出現した回数によって敵の強さが上がったり、強力な敵が稀に出現したりするのだが、今回はまだそういった事はないようだ。
だから男は鎧で出現した敵を動く前に倒すことを続けているのかもしれない。
ー【スマッシュ】を入手したー
『あ、あれ?
やった、やったよ!
"ホロウ"【ブック】の情報が集まったみたいだよ!
集まったのは・・・ゴブリンだね!
後で【ブック】でゴブリンの情報をチぇックしないとね!』
ズドドドドンッ!!!
鎧に大量の光の粒子が吸い込まれていく。
モンスターハウスを利用してアビリティを得た男の表情は変わらず無感情のままであった。
機械的に、作業として淡々と鎧の操作を続ける。
いや、男の動きが変わった。
『え?
【スマッシュ】の事を聞きたい?
えへへ、それじゃ教えてあげるね!
【スマッシュ】はAPを消費して使えるアビリティだよ!
えーっと、【スマッシュ】にはAPを1だけ消費して使えるみたい。
あ、今の"ホロウ"はAPが11あるから11回使えるね!
APの回復は時間が経つと回復するよ!
他にもアイテムで回復をしたり、"ホロウ"の行動でも回復するからね!
あとはやり方も教えてあげるね!』
男はクッキーから【スマッシュ】のやり方を教えてもらった。
そして、教え終わった直後に画面にシミが現れた。
ズドン!!!
今まで連撃だった鎧の攻撃が【スマッシュ】一撃だけを床に叩き付ける。
男は【スマッシュ】の効果を知りたかったのだろう。
大量の光の粒子が弾けて鎧へと吸い込まれていく。
しかし、そこには敵の姿は居なかった。
つまり、鎧の連撃と【スマッシュ】一撃が同等かそれ以上の威力があるのだろう。
そして敵の出現を待つ鎧。
しかし、待てども待てども敵は出現しない。
どうやら、出現が止まってしまったようだ。
男は操作して鎧を部屋の出口へと進めていく。
鎧はダンジョンの攻略にまた一歩進め出した。
『あ、"ホロウ"先に進むの?
よし、それじゃあ、どんどん攻略しちゃおう!』
《予告》
チャレンジ




