神の分霊
鎧が人ならざる少女達に細工をしていると倉庫の扉が開いた。
「申し訳ありません。
準備をしていて遅れてしまいました」
遅れてきた事を詫びながらホールメンギルド長が入って来た。
その顔には決意をした者の顔付きであった。
「ホロウ、そしてクッキー様。
まずは、此度の『群勢の巣穴』の攻略に尽力して頂き、感謝いたします」
ホールメンギルド長は鎧に対して頭を下げた。
そう、ホールメンギルド長は姿が見えないクッキーという存在を認識している。
それは、何故か?
『群勢の巣穴』で鎧に使用された【アナライズ】というアビリティが関係しているのだろう。
「しかし、この町を救ってくれた恩人に私は仇を返す事を行います」
唐突にホールメンギルド長は言った。
『なに、今は誰とも話したくない気分なのに。
"ホロウ"に迷惑を掛けるつもりなの?
ホールメンギルド長?』
クッキーはやつれた声音で言い返す。
しかし、いつもより覇気や生気のない声音は違和感と不気味さを感じさせる。
「貴女方は人外の身。
それも、名の無い混沌神の分霊である貴女様が居る事を知った。
ならば、貴女様ならば。
今後の行方は分かるのではないかと」
ホールメンギルド長は真っ直ぐと鎧を見つめた。
『そう。
あなた、そこまで見てしまったんだね。
分かった。
この町からは出て行く事にするよ。
ソレはどうするの?
殺すならあたし達で消すよ?』
クッキーが冷たい声音でグラノから出ると言い出した。
男は2人の台詞を淡々と聞いた。
その上で思ったのはゲームの進行しているのだろうという事。
唐突な流れではあるが、後でクッキーに聞くと決め、2人の成り行きを黙って見つめる。
「彼女達は国の管理下に置かれるだろう。
ギルドで保護してあげたいのだが、貴女方の情報を伝える際には省く事の出来ない情報ですから」
『ふーん。
結局、始末されるんだ』
「始末ではありません。
適切な教育を行い、人に危害を加えないように教育するのです」
『はは、確かにソレらだったらダンジョンの管理操作もできるようになるからね。
利用して、利用して、最後には捨てられる運命。
本当は"ホロウ"の糧にしたかったけど、もう良いよ。
え?
ソレを育てる?
え、"ホロウ"何を言ってるの?
それは邪悪な存在なんだよ。
なんで育てるの?』
男は姪の三つ子と人ならざる少女3人を回せ重ねたのだろうか。
クッキーの言葉通りに叩き潰そうとしていた者とは思えない意志だ。
「それは、看過できません。
例え、神の使徒であろうと魔人は魔人。
ダンジョンを増やし、増強させる能力を持った者達。
国が放置するとは思いません」
どうやら、男が考えた通り、彼女達はキーパーソンだったらしい。
男はその事を理解して、考えていた案を実行するべく、キーボードを叩き始めた。
《予告》
チルドレン




