謎の少女ら
「女?
なんでこんな所に?」
「あいつの中身かな?」
「いや、確かにあいつも幼い女の声だったがよ。
体格が違うだろ、体格がよ。
種族は・・・人と妖精種のハーフか?」
キルトラとノートンが倒れた彼女らについて話し合う。
ジェスとグランドンは黙ったままだ。
いや、ジェスは顔を晒していた。
彼女達が全裸である事に気がついて見ないようにしているようだ。
グランドンは、部屋を見渡し敵が居ないと分かるや退屈そうに壁に寄りかかった。
「他に言いたい事もありますがまずはその子達から離れて貰えますか?」
ホールメンギルド長の容貌は鎧の姿を、そして行おうとしていた行為を推測したためか変貌した。
髪が逆立ち、目が紅く光り、顔や腕のような見える肌の部分にはには何やら文字や絵のような物が浮かび上がっていった。
背後に居る『ジェスパイス』の面々はすぐ近くで変容するホールメンギルド長に驚きの表情は見せなかった。
どうやら、『ジェスパイス』の面々はホールメンギルド長の変身について知っていたようだ。
『ホールメンギルド長さん。
コレは邪悪な存在の気配がするの。
だから、殺さないといけない。
なんでそれを止めるの?』
クッキーは身も凍るような冷たい声音でホールメンギルド長に問い返した。
ホールメンギルド長は黙って鎧の、そして倒れている少女3人の方へと歩いた。
そして、ホールメンギルド長はクッキーの問いに答えずアビリティを使用した。
それは鎧にも使ったアビリティだった。
『主神アランよ、彼の者の情報を開示されたし!【アナライズ】』
ホールメンギルド長は3人のステータスを確認したのだろう。
普通の少女達がこんなダンジョンの最奥地のボス部屋で倒れているという異常な事態のはずなのだ。
それも彼女らは普通の少女とは言い難い特徴も持っている。
確認をしたホールメンギルド長は何かを知っているようで異常な事態にも関わらず冷静に情報を読み解いていった。
「やはり・・・魔人でしたか。
ホロウ、彼女らの身柄をギルドで保護いたします。
よろしいですね?」
ホールメンギルド長は『ジェスパイス』の面々には聞こえない程度の小声で彼女らの正体を呟いた。
その言葉にクッキーは激しく反応した。
『それは敵だよ!?
今、ここで、殺さないといけないの!』
騒ぐクッキーを余所に鎧はホールメンギルド長に静かに頷いた。
そして倒れていた3人の少女に敵が落とした毛皮を被せて【ファング】を使用して落とさないように抱え上げた。
「・・・ご理解をありがとうございます。
ホロウ、そしてクッキー様。
この事は後日、ギルドで話し合いたいと思います」
ホールメンギルド長も容貌が元通りになり、入口へと歩み始めた。
「では、皆さん!
『群勢の巣穴』は無事に制覇されました!
これより、町に帰還いたします!」
初めてホールメンギルド長がクッキーの名前を呼んだ。
そして、続く言葉は町への帰還の合図だった。
その合図で『ジェスパイス』の面々は歓声をあげた。
Aランク相当のダンジョンを制覇したのだ。
自分達が活躍出来なかったとしても喜ばしい事である。
『ジェスパイス』の面々は入口へと向かい始めた。
『"ホロウ"どうするの?
アレは敵なんだよ?
ギルドに渡しちゃっていいの?』
鎧はクッキーの言葉に答えず、静かにホールメンギルド長の後を追った。
その際に【ブック】を使用して今回倒して埋まった情報を見ていた鎧であった。
《予告》
ウォーロック




