赤毛の少年?
「出たんだってば!」
赤毛の少年がカウンターを挟んだ片目に大きな傷跡がある強面な巌のような男に対して必死に叫ぶ。
「だからよぉ、何が、何処で、出たんだって聞いてんだろぉがよぉ?」
カウンターに肘をつき、指でリズミカルにカウンターを叩く巌のような男は赤毛の少年に問い返した。
その視線にはぐちゃぐちゃになった草と奥にある道具と行き来している。
「それによぉ、ロム。
おめぇ、納品のポラン草がぐちゃぐちゃじゃねぇか。
後ですり潰してポーションの材料になるからって薬師ギルドの奴がうるせぇってのによぉ。
いつもは、綺麗な奴を持ってくるおめぇがよぉ。」
「だ、か、ら、出たんだって!
バカデカい鎧が!
全身、黒くて、デカくて、こわい奴が!
森の中でマッシュを、こう、ぱぁっとしてたんだよ!」
「はぁ?」
「鍛冶屋のオーベルさんよりもデカい鎧が森に居たんだよ!」
「おいおい、ロムよぉ。
鍛冶屋のオーベルっていったらジャイアントの先祖返りで2マールを優に超えた大女じゃねぇかぁ。
どんだけデカい奴に会ったんだよぉ?」
「だって、木々をバッサバッサ倒しながら森の奥から出てきてマッシュをこう、踏み潰したりしてたんだぜ!」
「ほぉ、そりゃ、やべぇなぁ。
ほらよぉ、これが納品の報酬だぞぉ。」
巌のような男がカウンターで操作していた道具から5枚の銅の硬貨を取り出し赤毛の少年に渡した。
「あ?
いつもより報酬が少ないぞ!」
文句を言う赤毛の少年。
しかし、その手はしっかりとカードを受け取ってポケットから出した巾着に入れていた。
「おいおい、あんだけぐちゃぐちゃだったんだぞぉ?
それが規定の報酬だぞぉ。
ロム、おめぇはいつも綺麗だから色ついてんだぞぉ。」
「じゃなくて!
森にヤバい奴が居たんだって!」
「おぉ、そうだなぁ。」
巌の男が頭をガリガリと掻きながら赤毛の少年の話を聞いていく。
見た目に反して良い人らしい。
<><><><><><><><><><><><><><><><>
『ちょっと!
"ホロウ"止まって!』
森の中を彷徨う鎧に幼い女の子の声が静止の声を掛ける。
男は鎧の操作を止めて画面を凝視した。
そこには大木にぽっかりと開いた大穴があった。
『これは、邪悪な存在が出てくるダンジョンだわ!
さぁ、入って入って!』
男は鎧を操作して大木に開いた大穴へと進めて行った。
《予告》
サーチアンドデストロイ




