クワガタと芋虫と鱗と
鎧は【ダッシュ】を使用して動き周りながら巨大な虫の敵を倒していった。
敵の種類は3種類いた。
一体は巨大クワガタのような姿の虫の敵だ。
巨大で人を斬れそうなアゴが特徴だ。
巨大クワガタはアゴをガチンと鳴らしながら積極的に鎧へと襲いかかった。
しかし、そのアゴで挟まれる前に男は鎧を操作して【ダッシュ】で突進して体当たりをした。
巨大クワガタが怯んだ隙に【スマッシュ】をその巨体に叩き込む。
鎧の反撃を繰り返すことによって最後の一体が倒された。
ー【ギロチン】を入手した
もう一体は、天井に張り付いたブヨブヨとした芋虫のような敵だ。
天井に張り付いたまま、その場から動かないが何かの液体を鎧に目掛けて発射する。
鎧は当たる前に近くにいた巨大クワガタにぶつけて様子を見て分かったが、強烈な酸であるらしく、巨大クワガタに液体が触れた部分が崩れるように溶けたのだ。
【ダッシュ】を使用中は重力を無視するらしい。
かなり鈍重そうな鎧が壁を駆け上がり、天井で逆さに爆走している様子を男は無表情で見ていた。
ブヨブヨとした芋虫は【ダッシュ】でぶつかるだけで弾けて光の粒子へと変わった。
光の粒子は近くの鎧に吸い込まれていった。
しかし、数が数だけに長い間、鎧は天井を駆け回った。
ー【アシッドボム】を入手した
最後の一体は部屋の一部に密集していた。
形は鱗のようで重なりあうように密集していた。
男は【ダッシュ】の使用を止め、天井から落下し、その密集した五角形の鱗のような敵に当たる寸前で【スマッシュ】を使った。
何体もの鱗のような敵に【スマッシュ】が当たったはずなのだが、一体だけが弾けて光の粒子となった。
どうやら、鎧の攻撃を一体だけに集中するような能力があるらしい。
そう判断した男はキーボードを叩き鎧を操作した。
最初はただ、鎧が拳を振り上げ密集した鱗のような敵に振り下ろした。
しかし、今度は一体も割れはしなかった。
次は拳を連打させたが、変化は無かった。
その後は男は鎧を操作し、【スマッシュ】を連打させた。
一体、また一体が弾けて光の粒子へと変わっていく。
どうやら、普通の攻撃では倒せない敵だったようだ。
密集した鱗のような敵もただ、倒される訳ではなかった。
身体の角度を変え、鎧の攻撃を受け流そうとしたのだ。
しかし、鎧の【スマッシュ】の前では無駄な抵抗に終わった。
鎧は順調に敵を減らしていった。
ノートン、キルトラ、ホールメンギルド長が鎧に追い付いたのは特殊な部屋で大量に居た巨大な虫の魔物の最後の一体であった鱗のような敵を倒した時だった。
ー【ロイヤルガード】を入手した
最後の鱗のような敵を倒した先には扉があった。
『"ホロウ"!
この先からあの時と同じ気配を感じるの!』
クッキーが固い声で警告をしてきた。
あの時。
それは、『枯れた大木』のダンジョンボス、大菌王茸の前の部屋の時の事だろうか?
ならば、この扉の先にはこのダンジョン『群勢の巣穴』のダンジョンボスがいるのかもしれない。
そのクッキーからのヒントを聞き、男はキーボードを叩き始めた。
《予告》
スペル




