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引きこもりは禍鎧を着込んで  作者: ウツウツ
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ジョブ無き者

魔物の居ない広い通路を走るホールメンギルド長、『ジェスパイス』、鎧。

通路の前後にはバンバリオンのお陰か、魔物の姿は一匹たりとも見当たらない。


「そういや、デカイの!

俺は『ジェスパイス』の副リーダー、盗賊(シーフ)のノートンだ!

得意な事は罠解除と周囲の警戒だ!」


身軽そうな男、ノートンが鎧に声を掛けてきた。


『よろしく、ノートン!

あたしはクッキー!

得意な事は、えーっと・・・

アビリティの説明だよ!』


クッキーがノートンに得意な事を伝え返した。


「そうか!

アビリティに詳しいんだな!

ジョブは!?」


ジョブ。

それは男が初めて聞いた単語だった。

いや、初めてではないだろうか?

他のゲームで良く聞いた事のある単語だからだ。


ジョブとは職業の事だろう。

それも、普通の仕事ではなく、戦う者の職業のはずだ。


ノートンも言ったのだから。

自分は、盗賊(シーフ)だと。

それは普通の言葉ならば犯罪者を指す言葉だろう。

しかし、男の考えている、知っているジョブだというなら・・・

それは、ゲームを進めるには必要なシステムの一つではないだろうか?


『ない!』


クッキーは断言した。


「・・・へ?」


ノートンはそのクッキーの一言に呆気に取られ走っていた足を緩めた。

ホールメンギルド長や他の『ジェスパイス』の冒険者達も立ち止まる程の衝撃だったらしい。


『あたしも、"ホロウ"もジョブは無いよ!』


「!」


「ウソだろ?

おい!

ホールメンギルド長!

あんたは一般人をダンジョン攻略に呼び込んだのか!?」


「いや、そんなはずは・・・

私はてっきり『バーサーカー』か『ダークナイト』かとばかりに・・・」


「まさか、護衛しながらダンジョン攻略をしろって言うの?

お荷物さんはここに置いて囮に使う?

不死徒が居るし、『銀翼』が保護してくれると思うけど」


ジョブが無い。


ホールメンギルド長の次に走っていた大盾を持った白い鎧の者は冒険者の集団が立ち止まった為、ダンジョンの通路の前の警戒を始めた。


クッキーの爆弾発言によってダンジョンの通路でホールメンギルド長に詰め寄るノートン。


そして、さらっと毒を吐くローブを着た女。


我関せずとばかりにダンジョンの通路の背後を警戒する無骨な武装したスキンヘッドの初老の男。


鎧を余所に話は進んだ。


「何、考えてんだ、あんた!

ジョブ無しじゃ、ゴブリンにも負けちまうだろ!」


「しかし、彼女は実際に大量の魔石や素材をギルドに持ち込みました。

中にはキングの魔石と素材も有り『枯れた大木』を攻略したのは彼女で間違いありません」


「あいつがただのポーターかもしれねぇだろうが!」


「それは・・・」


『ふふん!

"ホロウ"はレベル50も超えてるよ!

だから強いもん!』


さらに爆弾を落とすクッキー。

自慢気に話しているが今は出すべきではなかった。


「はぁ?

ジョブ無しでレベルが上げられるはずがねぇだろぅが!!

てめぇは黙ってろ!


って、何処に行く気だよ!?」


そうこうしている内に鎧は前へと進んでいた。

いや、【ダッシュ】を使い爆走して前に進んだ。


大盾の白い鎧の者を抜き去りさらに先へと爆走した。


そこには一体の魔物の姿が!

そして鎧はその魔物を轢き殺した!

そして魔物は弾けて光の粒子となって鎧へと吸い込まれて行った。


そのまま男はダンジョンの奥へと走り去った。


「くそっ!

暴走しやがったな!

追いかけるぞ、ジェス!」


ノートンが詰め寄っていたホールメンギルド長から離れ鎧を追い掛けるように大盾を持った白い鎧の者に言った。


「いや、囮として使おうよ。

丈夫そうな鎧を着てたしさ」


さらに毒を吐くローブの女。

確かに鎧を囮にするには十分なほど目立ってくれるだろう。

巨大な鎧がダンジョン内を爆走するのだから。


「・・・助けるぞ」


ジェスと呼ばれた男は静かに決断を下した。

その一言で『ジェスパイス』は動き出した。

鎧を追い掛ける為に!


「アビリティを使える、ジョブ無し?

・・・あり得ませんね。

やはり、彼女には何か秘密がありそうですね」


ホールメンギルド長は薄く笑いながら『ジェスパイス』に付いて行った。


《予告》


マーチレス

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