悪夢の足音
シスタークライヤスに伝えようと階段に向かった鎧が目にしたのはその丸い体型から想像もつかないほど速く階段を駆け上がるシスタークライヤスの姿だった。
ナルはシスタークライヤスにぶつからないように階段を登りきって横に交わしていた。
「先ほどの音は!?
何があったのですか!!」
『シスタークライヤスさん!
イビリオンが居たの!
でも、安心してね!
"ホロウ"が無事に倒したよ!』
説明を求めたシスタークライヤスにクッキーが事の顛末を説明し始めた。
「まぁ、まぁ、まぁ!
この孤児院に、しかも、教典がイビリオンになっていたなんて!
子供達に被害が出ない内に貴方が倒してくれて助かったわ」
クッキーが説明していた間、鎧が抱き付いてきたナルの頭を優しく撫でていた。
「教典の事は気にしないでちょうだい。
聖アローナに掛け合って新しい教典を届けてもらいましょう。
イビリオンを倒して教典が破れたのよね?
申し訳ないけれど貴方の持っている教典の一部を渡して貰えるかしら?
外部の人に教典の一部でも渡してはいけない規則があるのよ。
依頼板にはサインをしたから代わりに持っていってちょうだい」
鎧は【ポケット】から悪魔教典から倒して得た教典を渡し、シスタークライヤスから依頼板を受け取った。
「・・・んんん!?
あら、あら、あら!
教典があまり傷付いてないわね?
イビリオンになった物は倒した後はバラバラになるはずだったわよね?
もしかして、アビリティをお持ちなのかしら?」
『うん!
"ホロウ"は【バニッシュ】を覚えてるよ!』
「まぁ、まぁ、まぁ!
それは素晴らしいわ!
・・・教典の中身も変わらないわね。
これなら新しい教典を送ってもらわなくても良さそうよ」
シスタークライヤスが無事に教典が帰ってきた事を喜んだ。
鎧達は一階まで降りた。
鎧はナルを肩に乗せ落ちないように支えていた。
ナルは鎧の兜にしっかりとつかまって落ちないようにしていた。
その様子を鎧を見て逃げた他の子供達も羨ましそうに見ていた。
「今回はありがとう。
イビリオンを倒して教典まで返ってきてくれたわ。
ナルも良く貴方に懐いているわね。
この子は人見知りが激しくて。
どうかしら?
また、この孤児院に顔を見せに来てはもらえないかしら?
もちろん、依頼を受けて来ても、ミサに来るのでも歓迎するわ」
「またきてね」
鎧がナルを肩から降ろすとシスタークライヤスは再度、鎧にお礼を言いまた孤児院に来てくれないか頼んだ。
ナルも鎧の臑当に抱き付いて鎧の兜を仰ぎ見た。
『えぇ!
もちろん遊びに来るよ!
そうだよね"ホロウ"?』
ーミッション《女帝蟲を倒せ!》
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男はパソコンの画面の様子を無感情に見ながら近くの水筒を開けて口に近付ける。
その口から湯気がふわっと出る。
どうやら、保温性の水筒に温まった飲み物が入っていたらしい。
男は腕を上げ伸びをして近くの目薬を手に取った。
少し休んだ男はパソコンの前に座った。
そして、キーボードを叩き始めた。
《予告》
モンスターパニック




