生き返った鎧
三つ子を子供好きな侍女に任せて男はパソコンの電源を立ち上げた。
そして目的のゲームを開くと画面には変な格好の鎧と多くの人が映っていた。
「囲まれてる?」
『"ホロウ"!
・・・ぐすっ。
起きて!
ねぇ、起きてよ!』
クッキーが泣き叫ぶ言葉がパソコンから聞こえる。
男は他のプレイヤーに囲まれたと思った。
それは何故か?
同じ服装で集団だって動く姿を見たからだ。
NPCでは完璧にし過ぎるがこの集団は微妙に動きがずれている。
それも、同じ行動をしていない。
ならば答えは一つ。
プレイヤーの集団だろう、という事だ。
周囲には同じ服装が何かをしている。
周囲に散らばっているのは門番と同じ服装の集団だ。
役に扮したプレイヤーが門番をやっていたのかもしれない。
また、少し近いところには別の集団が居た。
ダボッとした服装の集団だ。
こちらは散らばっている門番の集団よりも少ない。
その集団の中にホールメンギルド長の姿が見えた。
男にはこの状況が分からない。
しかし、誰かに襲われて操作する鎧が変な格好になっているのだろうと判断した。
オンラインのゲームならば他のプレイヤーを襲うプレイヤーもいる。
襲われればアイテムや経験値などを奪われるシステムのゲームも数多くある。
それを多くが盗賊と呼ぶ。
盗賊に気付けばアイテムを奪われまいと抵抗する者が多いだろう。
男はキーボードに触れようとしない。
鎧に対する集団の様子を静観するようだ。
カタ、カタ。
しかし、クッキーの泣き叫ぶ声に押されてキーボードに触れた。
するとゆっくりと変な格好の鎧が自然に立ち上がった。
『"ホロウ"!』
するとクッキーは歓声を上げた。
その声には絶望の淵から希望の光が見えた者のような雰囲気がある。
散らばっていた集団は何人か鎧の様子に気が付き大きく手を振っていた。
ダボッとした服装の集団は鎧を指差し驚愕の様子で騒ぎ始めた。
ホールメンギルド長は静かに鎧に近付き、鎧の安否を確認する為声をかけた。
「クッキーさん、ホロウさん身体は大丈夫ですか?」
男はその様子を無感情に眺め続けた。
そして、男は二つ目のダンジョンの方へと進んだ。
どうやら、この集団への興味が無くなりダンジョンに向かう事にしたようだ。
《予告》
レィジョン




