噂の鍛冶屋
ガツン、カンカン。
コッコッコッ。
ギチチッ!
よし、出来た。
注文の大盾とレザーベストだな。
確か、新人の奴らが初めてランクアップしたから奮発したって言ってたな。
よし、オマケに特製袋も渡してやろう。
はぁ〜、それにしても人形のベストみてぇに小せぇから目がチカチカすらぁ。
それに大盾っつってもウチの腰から少し上ぐらいの高さしかねぇけど。
もうちっと、良い身体の奴が注文に来ないかね?
ウチと同じくらいかもっとデカい奴が来てくれれば、やり甲斐もあるってぇのによ。
ま、無理もねぇか。
ウチには蛮勇で名が高い巨人の血が通ってるからな!
それにしても、冒険者共の身体がなっちゃいねぇよな。
もっと筋肉を付けろよな。
そうすりゃ、背も伸びるだろうし。
さぁて、次の注文はっと。
なになに、槍と短剣か。
確か、猪の魔物の牙を持ち込んで来た奴の注文だったな。
持っていた槍を壊して猪の魔物を仕留めたらしいな。
そんなに脆い奴は作った覚えはねぇけどな。
槍の使い方も下手な奴じゃねぇし。
どんだけ硬い奴と殺り合ったんだよ。
・・・さらに強力な槍を作ってやるか!
この牙、材質としては一級品だな。
前の槍の材質は鋼だったよな?
それよりも丈夫そうだぞ!
よく生きて帰って来たもんだな!
『ごめんくださーい!』
「おぅ、なんだ!」
なんだ?
小せぇガキの声が聞こえたな。
手に取った牙を置いて部屋から顔を出すと・・・
おぉ!?
凄い身体の奴がウチの店の前に立っていた。
なんだ、あの巨体!?
やべぇ、直で見てぇな!
『こんにちは、あたしはクッキーです!
ここって鍛冶屋?』
おいおい。
なんて声をしてやがる。
凄ぇ可愛らしい声じゃねぇか!
同じ女でこんなに良い身体してるとはな。
うらやましいぜ!
「お、おぅ!
そうだぜ!
何か作って欲しいのか?」
『う〜ん、"ホロウ"何かいる?』
名前はホロウか?
いや、もしかして、違う奴と連絡でも取ってるのか?
『えっと、いらないみたい。
今日はこれで、さよなら!』
『おぅ!
いつでも来な!
歓迎してやるぜ!』
立ち去る鎧の後ろ姿を見ながらウチは部屋へと戻った。
・・・槍にあの鎧のデザインを取り込むか。
《予告》
シスター




