表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
引きこもりは禍鎧を着込んで  作者: ウツウツ
19/74

溢れ零れる魔石

「んじゃぁ、魔石の欠片をこのチェックバケットに入れてくれ」


次にガンデスは丸いザルのような物を鎧の前に置いた。


「おい、それは俺も見た事がないぞ。

なんだよ、それ。」


横から見たロムがガンデスに疑問の声をあげた。


ガンデスはロムに視線を向けて答えた。


「こいつは、魔石の欠片の金額を計る為の道具だって言ったろぉ。

ロムは採取系のクエストしか受けて無ぇから見たことねぇんだろうよぉ」


そしてガンデスは鎧の様子を伺った。

魔石の欠片を入れているような袋を探しているのだろう。


しかし、鎧はそのような物は持っていなかった。

全身鎧以外は何も見当たらない。


ガンデスは少し目を(つぶ)ると納得したかのように(うなず)き話を続けた。


「アイテムポーチやインベントリリングに仕舞ってんだろ。

それらをこのチェックバケットに放り込むと金額を教えてくれるからなぁ。

金はギルドに取りに行かなきゃ無ぇから少し後になるぞぉ」


ガンデスが目の前のザル、査定籠(チェックバケット)の説明をした。

そう、側面には何かが表示されるような枠があった。

ここに金額が表示されるのだろう。


また、道具袋(アイテムポーチ)財産の輪(インベントリリング)は冒険者の憧れの魔道具である。


しかし、両方とも高額である。

その上、財産の輪(インベントリリング)は希少性が高く、持つ者はごくわずかの限られた者だけが持っているのだ。


ガンデスは鎧の中に道具袋(アイテムポーチ)を仕込んでいるのだと推測したらしい。


『へぇー。

そんなのがあるのね!

それじゃ"ホロウ"【ポケット】から全部の魔石を出しちゃって!』


クッキーの声には悪戯(いたずら)っ子のような雰囲気があった。

クッキーの掛け声に鎧は静かに従った。


何も無い空間から綺麗な球体が査定籠(チェックバケット)の中へと落ちていった。


そして、それが切っ掛けとなったのか次々と空間から溢れるように出ては査定籠(チェックバケット)の中へと入っていく。


いや、入りきれずに査定籠(チェックバケット)から溢れてしまい始めた。


「待て待て待て!?」


その様子を見て慌てて鎧に止めるように言うガンデス。


その様子を声を忘れたように呆然と見つめるロム。


悪戯(いたずら)に成功したようで自慢するような雰囲気のクッキー。


三者三様である。


《予告》


パーフェクト

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ