ギルドカード
「おぉ、ついたぞぉ」
ギルドの裏へと回り、鎧と巌のような男、そして赤毛の少年が大きな倉庫の前へとやって来た。
そして巌のような男は倉庫の扉を押し開けた。
何処かに手を当てると倉庫の中が明るくなった。
そこには様々な物が仕舞われていた。
「俺はギルド登録に必要な道具と査定の準備をするからよぉ〜。
そこのロムと話したりこの倉庫に売りたい物を準備しながら待っていてくれよぉ〜」
そう言ってガンデスは広く、様々な物が仕舞われていた倉庫から出て行った。
『そういえば、なんでロム君はあたし達について来たのかな?』
クッキーがロムが居ることを不思議に思ったのか直接本人に問いかけた。
「それは俺がお前にお礼を言いたかったからな!
この前、森で魔物を倒しただろ?
その時、俺は魔物に見つかりそうだったんだけどよ。
そこをお前が魔物をばーん、と殴って蹴ってやっけたんだぜ!
あの時は本当に怖かったから・・・
隠れてたから分かんなかったかもしれねぇけどな。
助かったぜ、ありがとな!」
赤毛と同じような赤さに頬を染めながらロムは鎧に、クッキーにお礼を言った。
恥ずかしそうに、しかし、年相応の満面の笑みだった。
『あー、"ホロウ"が森の魔物を狩りつくした時に?
そうだったんだね。』
クッキーは納得したようだ。
しかし、ロムの顔には戸惑いの表情を見せた。
「・・・なぁ?
さっきもホロウって聞いたけど、誰だ?
もう一人仲間でも居るのか?」
自身が森に居た時の状況を思い出しても目の前の鎧以外は見かけなかった。
そう思うロムはクッキーに聞いた。
『あたしのパートナーである人だよ。
目の前に居る鎧の人が"ホロウ"!
邪悪な存在をやっつけたのも"ホロウ"だからね!』
そう、実体のある方は"ホロウ"である鎧であろう。
では、クッキーは何者なのか。
「?」
ロムもまたもや戸惑いの表情で首をかしげるのだった。
「よぉ〜。
道具を持って来たぞぉ」
そしてガンデスが二つの道具を抱えてやって来た。
丸いザルのような物と黒い正方形の物だった。
「まずはギルドの登録をするぞぉ。
ギルドに登録すると魔物から手に入れた物はギルドで売れるようになるぞ。
あとはギルドから発行されたクエストも受けられるようになるぞ。
ただし、クエストにはランクがあるから気を付けろよぉ。
最初のランクはGランクだ。
クエストをこなしていけばランクが上がるからなぁ。
まぁ、下手したら下がる時もあるから気を付けろよぉ。
それと、ミッションと呼ばれる物はギルド登録をしている者は強制参加になるぞぉ。
それでも良いかぁ?」
『はい、大丈夫です。
登録をお願いします。』
「そうかぁ。
この黒い奴を触ってくれ」
そうガンデスは言いながら黒い正方形の物を鎧へと差し出した。
鎧はガンデスの声に従い、黒い正方形に小手を乗せた。
「よぉ、直接触れて・・・んぁ?
なんか道具が発動しているが・・・
まぁ、いいか」
黒い正方形が縮んだり厚さが無くなっていき、一枚のカードとなった。
「これがお前のギルドカードだぞぉ。
失くしたら再発行で銀貨1枚必要になるからなぁ」
鎧はカードをガンデスから受け取った。
《予告》
ボール