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引きこもりは禍鎧を着込んで  作者: ウツウツ
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持久決戦

『待って"ホロウ"。

この先に何か、いるよ。』


幼い女の子の声が硬い声音で警告を発した。

クッキーの警告に従い前者していた鎧は立ち止まった。

その先には何かの紋様が描かれた門らしき物があった。

そして鎧を操作する男はその画面に大きく映る紋様を近くにあった紙に素早く写し書きをした。


大きな円にいつくもの小さな円が描かれた紋様だった。

男は絵心があるのか綺麗に写し書いた。

どうやら、男はこの不思議な紋章がゲームの何かのヒントになるかもと考えているようだ。


現代の文明の機器、カメラやスマートフォンを使わずに手書きで書き写すのは男のこだわりなのかもしれない。

ただ、近くにあったからという理由かもしれないが。


鎧が門に手をかけ、力強く押し開けると、その先には大量のどぎつい紫色の物体が!

それは、あの紫色のきのこの大群だったのだ!

その数は大部屋であるその部屋一面がどぎつい紫で覆われてしまうほどだ。


そして、その際奥に王冠を被った巨大な何かがどぎつい紫色の物体を生やして増やし続けていた。


『何、これ?

え、ちょっとこれは無理・・・』


どうやら、このダンジョンのボスが最奥で紫のきのこを増やし続けて鎧に対抗しようとしているらしい。

状態異常のパラライズが鎧に効かないと分かっているような、対抗手段の無い紫のきのこを増やし続ける最奥の巨大な王冠を被った何か。

知性か理性でもあるのかもしれない。


鎧はその紫の絨毯へと踏み込む。

紫のエフェクトが光の粒子と共に広がる。


《状態異常・ポイズン》


途端に鎧の動きが鈍る。


『待って"ホロウ"!

一人じゃ無理だよ!』


しかし、男はクッキーの警告を聞かずに鎧の操作を続ける。


鈍重な動きで紫のきのこを潰していく。

いつくもの紫のエフェクトと光の粒子がばら撒かれる。


鎧は取り押さえられ進むに進めなくなっていく。


「やっぱり」


男はボソリと呟く。

男は何かに気付いたようだ。


そして無謀とも言える挑戦を続けた。


増殖し続ける紫のきのこ。

それを鈍重な動きで減らす鎧。

最奥の巨大なボスへと辿り着かず膠着、むしろ押される鎧。


時折、クッキーの悲鳴や泣き叫ぶ声が部屋中に響き渡る。


しかし、時間が経つ度に状況が変わっていく。


未だに鎧は倒されず、鈍重な動きで紫のきのこを潰していく。

そして、その鈍重な動きは最初よりは加速していた。


『うそ、どうして、なんで?』


クッキーはその状況に追いつけず鎧の側で疑問を口に出す。


ー【デッドポイズン】を入手したー


そして、鎧は倒れず、最奥の巨大なボスまで辿り着いた。


それは巨大なきのこだった。

王冠のような傘とマントのようなヒダが特徴の巨大なきのこがボスだったのだ。


ボスきのこはまだ紫のきのこを生やし続けていた。

最後の抵抗のつもりか最初の頃よりも早く生やす巨大ボスきのこ。


それも無駄な抵抗に終わった。


鎧が大きくゆっくりと腕を引き、そしてその拳をボスきのこへと打ちつける。


ボズン!!!


途轍(とてつ)もない衝撃音と共にボスきのこを大幅に削り取った。


男は【スマッシュ】を使ったようだがその威力はダンジョンの通路で使っていた頃よりも数段も激しさを増していた。


ボズン!!!

ボズン!!!


鎧はボスきのこに【スマッシュ】を乱打した。


大きく削り、消し飛ぶボスきのこ。

そして最後に爆音と共に弾け、部屋を覆い尽くすほどの光の粒子を撒き散らした。

そして、浴びるように鎧へと吸い込まれていく様子はまるで鎧を讃える光のように見えた。


ー【ファンジャイロード】を入手したー


ーミッション《大菌王茸(ファンジャイロード)を倒せ》クリア


ークリア報酬・10000パル

【フォレストオーラ】


『すごい。

凄いよ!

"ホロウ"が勝った!』


《予告 》


ホスティリティー

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