迷宮の大詰め
ある小部屋で立ち続ける鎧。
もし、その場面だけの画面を見ればどこかのBOSSに見えてしまうかもしれない。
しかし、男が操作するれっきとした主人公なのだ。
男はキーボードを叩き、新しく得たいくつかのアビリティについてクッキーに聞く事にした。
『"ホロウ"?
治ったの?』
幼い女の子の声が鎧の動きに気付いたようだ。
しかし、その声にはいつもの明るいものではなく、哀しげな声音だった。
男はそんな事は気にせずにアビリティの説明をするようにキーボードを叩く。
『良かったぁ。
治ったんだね!
ふんふん、入手したアビリティの効果を知りたい?
うん、いいよ。
教えてあげる!
【スマッシュ】
【センス】
【デッドパラライズ】
【グロウ】
この4つだね!
【スマッシュ】は強力な一撃を放てるアビリティだよ!
威力はATKに関係してるよ!
消費APは一回につき1だね!
【センス】は周囲の状況を探るアビリティだよ!
SPDとDEXが関係してるよ!
こっちはAPを消費しないからね!
【デッドパラライズ】は・・・。
周囲に状態異常・パラライズにするアビリティだよ。
範囲は残ってるAPによって変わるよ。
でも、発生条件が自身が死んだ時なの。
だから、あまり使って欲しくないな。
【グロウ】は植物を育てるアビリティだよ!
DEXが関係してるよ!
続けて使えるからね!
消費APは植物の種類で変わるよ!』
次に男は【マップ】を使用して鎧が通ったダンジョンの構成を見る。
そこには行き止まりや部屋の大きさまで全てが表記されていた。
どうやら、男はこの小部屋の前の通路、部屋を踏破しているようだ。
そして男は今、隠し部屋を探しているのだろう。
不自然な広さがあればそこを【センス】を活用して草の根を分けるように探すだろう。
男は鎧を前に進め始めた。
どうやら、隠し部屋のような空間は無いと判断したらしい。
ーミッション《大菌王茸を倒せ》ー
《予告》
キングキラー