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洗濯機は入りませんか、その2

夏風邪怖い、耳がきこえなくなって焦った。

夏は暑い、当たり前のことなので油断してたのかもしれない。

勤め帰りのいつもの道、あの夜俺は死んだ。






「ここまで、よろしいでしょうか?。」


あれから、盗賊団と共に彼らのアジトとへ向かい、彼らの奥方達に洗濯機の使い方と保守整備を説明中である。

盗賊団のアジトといっても普通の村だった。街道からかなり離れたところにあるんだけどね。

今はその村の共同洗濯場で、うちの主力商品である白物家電…洗濯機が稼働中。


奥様A「1回に洗える量はそんなに多くはないのね」


年の頃なら20~25位の若奥様風だけど、ロングヘアーを後ろで束ねてる美人だな。

なんか初々しい感じでここが盗賊の巣窟だとは思えない雰囲気を出してるんだよね。


俺  「申し訳ございません、一応4人家族で考えております。ですので何回かに分けていただくことになります。」


あれ一番後ろにいた40代位の女性が出てきた、貫禄あるよなぁ~抱いて欲しいw。


奥様B「まぁそれはいいさね、親方とこから順番でいいんじゃない?。」


初老の女性が頭を傾けながら前に出てきた、先程洗いあがった洗濯物を手に取りながら


奥様C「そうねぇ、でもそれじゃ独りもんの係りのジャネットの時には夕方になっちまわないかい?。」


どうやらこの女性が親方さんの奥さんかな?というか一夫一婦じゃないかも、全部親方の奥さんという可能性もあるか

羨ましいというか、大変じゃないのかなぁとか、でもここで上手くやらないと家に帰れないかもなぁ…うん。


俺  「それじゃあ、こうしましょう。3台お買い求めいただくということに・・・」


そこで首領が口を挟む、それまで彼は遠くから様子を窺っていた。

つい先刻街道で彼を先頭にした集団に囲まれたときは本当に生きた心地がしなかったけど、襲われるわけじゃなかった

彼らは俺が他の町で売った洗濯機の評判を聞いた奥さんたちに頼まれて街道で俺を待っていたらしい。

人は見た目で判断してはいけないということだけど~見た目怖いんだもん、そんな彼が慌てて話にわりこんできたけれど。


首領 「おいまて、それは!」

奥様B「ちょいと、だまってな!。誰があんたの臭い服を洗ってるとおもってるんだい。」


でもあえなく撃沈、奥様Bってたぶんこの人の奥様じゃないかな?あの強面のおっさんが引き下がったというか、

引きずられていった~家の陰に見えなくなると何か聞こえたような気がするたぶん気のせいだと思う、そういうことにしておこう。


ちらりとそちらを見た後はさして気にしてないことにして、動力源である魔水晶に魔力をチャージする。

この魔水晶はもちろん天然ものではない、そんなの高額すぎるのでうちの商品に入ってるのは我が社の誇る傑作模造品~人造の魔水晶になる。

天然の物に比べると貯蔵する魔力の量もチャージできる回数もしれているけど価格は百分の一以下でその製造方法は極秘だ。

なんせ電気のないこの世界で家電品を売って商売しているんだからね。

まぁそれ故に定期的な魔力の補給が必要なんだけれど、そこは欠点ではなくそれも永続的な収入源となっている。

専用洗剤も定期的にいるし、まぁ使えば減るもんだし同業者は今のところいないし。


俺 「もちろん、御予算もありますでしょうから私どもの方としましても勉強させていただきます。」


馬車の後ろの扉を開けて中の在庫を覗きながら、残りの洗濯機は2台だしここから出れたら一旦帰ろう。


首領の奥様「金のことはいいよ、といいたいところだが何分ね苦しい家業だからねぇ~いくらだい。」

俺    「先程の町長さん宅では1台10Gでお買い求め頂きました・・・。」

首領の奥様「30かい高いねぇ~25にならないのかい。」

俺    「いえ、20Gでお願いします。」


あ~何言ってんだろ俺、赤字だよ1台ただじゃんかこれで命が助かるとは限らないのになぁ。とはいえ心証を良くしとけばという

下心もありありなんで、


首領の奥様「まじで?いいのかい2台分じゃないか、まさかうちのに殺すとか脅されてないだろうねぇ?。」

俺  「いえいえ、そんなことはございません、最初は確かにびびりましたが、今回はまとめ買いしていただいた初めてのお客様記念価格ということで、。」

首領 「ふん、もとからそんなに高くないんじゃないか。」あれ、どこから出てきたこの人さっきそこの家の角に…。


俺  「ははは・・・ご冗談を10Gというのがいかにお得な価格かということをお話させてもらってもいいのですが、」


ちらっと奥様方の方を横目で見ると、なんで安いのかを聞こうとしてくれてるように見える。


首領の部下「おかしいじゃねぇか、それなら1台ただにしちゃ大損だろうが、」

あれ別の男が増えた、これはやばいのかもしかしてここまでか?ロイどこへ行った。


ロイ・ハーモンドは某国の騎士だった男だ、実家は商家だからか顔が広いし腕も立つはずで雇ってる。

そういえば、この村に来てから顔を見てないどこに行ったんだろうか?。

しかし、安くするといって文句言われるのもなぁ…やっぱり買ってもらえず殺されるんだろうか?。


俺  「そうですね、安すぎますよね?じゃあ32Gでお願いできますか。」

奥様方「「「「高くなってる。」」」」

俺  「だって、安いとだめなようですから、他と同じように運送費込みでのお値段でお願いしましょうかと。」

奥様方「「「「「ひっこんでな、ヤス!てめーの世話は誰もしてやらないよ。」」」」」


そう言うやいなや、首領とその部下のヤス君は奥様方に引きずられて家の角に消えた。

聞くに堪えない音と懇願するような男の声が聞こえたが気のせいだと思う…うん聞こえない。

戻ってきた奥様方はひたすら謝ってくれた、気を悪くせずに安くできる秘密を教えてほしいと。


俺  「え~と、お値段の方は先程の通りでいいですよ、3台で20ということで今回だけのお付き合いではないでしょうし。」

首領の奥様 「この後もある~と?。」

俺  「うちの製品これだけじゃないんですよ?。」


そう言って総合カタログを取り出して、今回は持ってきてない冷蔵庫とかオーブン付きコンロの便利さを説明し

最後にトースター(試供品)を取り出して食生活の改善まで提案する。

トースターでパンを焼いているとどこからともなくロイが出てきた、どこにいたんだか役に立たない奴だw。


「どうぞ食べてみてください。ただこれは手持ちが一台しかないので次にまでご自由にお使いください。」

そう言いながら、焼きあがったパンをまずは実力者の三人に配る。続けてスライスしたパンをトースターに入れるのを忘れない、

二回目は前回の余熱があるので焼き上がりも早い。


「ほう、サクッとしてるねぇ。」

「あの固いパンが!!。」

「これなら私らでも食べやすいねぇ。」


よしよし、好評だ特に親方の奥様に受けてる。ちょっとカリッとしたのも美味しいんですよ?。


「これ借りてていいのかい?。」

「どうぞ、お使いください。そしてよければ皆様でお買い求めください他では買えませんよ。」


その後、残りの洗濯機の設置と魔力チャージを済ませて代金をいただく、二台分と洗剤6箱20Gと30Sをちゃんと支払ってもらい

村を(アジト)後にした。もちろん帰り道も行きと同様に目隠しをされた状態で街道まで連れていかれた。

「喋るなよ、わかってると思うが?。」

「お客様の秘密は守ります、それが当店のモットーですから。」

そういって別れたので、後ろから刺されることはないーと思いたい。


しばらく街道を進んでから、馭者台で横に座るロイが思い出したように聞いてきた。


「なぁ旦那様、うちの店にモットーなんてあったっけ?。」

「あるよ、読んでないのかおまえさん。」

「すまん、読んでない。」

「まず最初に雇い主を置いていかない。と書いてある。」


「あっー村でのことか?。」

「他にあるのか?。」

「あれはだなぁ…。」

「今日と明日の飯は抜きだな。」

「え~と、許してください。」

「給料なしでもいいんだぜ?。」


などといいながら、とりあえず家路に向かう。

家がある都までは遠い、で売り物がないのが辛い。



すいません、戦闘しませんでした。

考えたんですよ、突如馬車が変形してロボットにw。

流石に、無理ありすぎなんで

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