表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ワンライ投稿作品

たとえば原始の海で出会ったならば

作者: yokosa

【第53回フリーワンライ】

お題:

愛は言葉と態度の両方で示せ


フリーワンライ企画概要

http://privatter.net/p/271257

#深夜の真剣文字書き60分一本勝負

 こんな時、どうするのが正解だろうと緊張した頭で考える。

 いくつかの考えが浮かんでは消えた。

 どうもしっくり来ない。

 自分には到底出来そうもないが、みんな軽々とこんなことをしているのか。いや、「みんな」――人間どころではない。動物でもやっている。

 この地球上にいるありとあらゆる生物がそれを行っている。 綺麗に着飾るものがいる。

 身体を大きく見せるものがいる。

 美しく唄うものがいる。

 身体を鳴らすものがいる。

 動物に可能で、自分には不可能なのかと、気が滅入った。


 何かを言いかけてはやめ、不定形を掴むような手振りを幾度か繰り返した。


 そして、ふと、思った。

 発想のフォーカスが人間から逸れたために、スケールの制約が時間的空間的束縛から解放された思考で。

 太古、生命が生物の形を取る以前、身体も言葉もなかった頃、最も原始的なそれはどうであったのかと。


 彼は黙ってベンチから腰を浮かせると、彼女の方へと近寄って座り直した。

「…………」

「…………」

 一呼吸置いてから、彼女もまた彼の方へと近付いた。

 二人は寄り添って、お互いにお互いの体重を預け合った。

 緊張が弛緩していく頭で考えた。

 つまりはそういうことなのだろうと。



『たとえば原始の海で出会ったならば』了

 短いですね。出来ればもっと短くしたかった。極限まで圧縮してタイトルで落としたい。

 やれと言われればやりたくない。やるなと言われればやりたくなる。

 へそ曲がりでしょうか。いいえ、天の邪鬼です。

「両方で示せ」と言われると、どっちもやらずになんとか出来んもんかと考えたくなるのが人情。最初の着想では一次元とか二次元とか宇宙的なサムシング(言葉も身体もない!)だったんだが、上手くまとまらなくて気付いたらこうなった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ