登校初日
私は作品を投稿するのが初めてなので至らない点だらけだと思いますがどうかよろしくお願いします。
男は言う。静かにだが強い声色で
「ショーは続けなければいけない。例え明かりが突然消えようと、音楽がならずとも、相手が台詞を間違えても、何か重大なことに気づいても。それがショーである限り続けなければいけない」
青年は必死に耳を塞ぐが声は頭に響く、まるで共鳴するように頭の中で…。
緩やかな坂を少し駆け足で上がっていく。時期は四月だ。桜は満開で風で舞う花や坂道に落ちた花が視界をピンク色に染め上げている。とそんな風に桜を満喫していると坂の終着点から声が聞こえてくる。
「急げー!いくらなんでも初日から遅刻はまずいぞー!」
「分かってるよー!。だから今急いでるんだろうがー!」
「嘘言わないの!桜の木に目線が行ってたよ!」
「お前目ぇ良すぎだろ…」
最後の一言は小声だったせいで聞こえなかったのか「何ー」と聞き返してくる。とりあえず少しでも早く坂を上りきろうと走る速度を上げる。
「ハァーーげほっけふっ」
程なくして坂は上りきったが元来、体力のないので呼吸をかなり乱してしまう。
「大丈夫?」
心配してくる級友を手で制しながらすうぅぅと息を吸う。
「ふぅぅ。もう大丈夫だ」
「急いでよもう5分しかないんだから」
「分かってるっての。つーか急げって言いすぎだろ」
「なんだってー!あんたが遅いのがいけないんでしょうが!!」
無意味な言い合いをしつつも二人は靴箱へと駆けていく。ガタガタと靴箱を開けている時に横から声を掛けられる。
「ねぇ」
「なんだ」
「さっき見たんだけど今年もあんたと同じクラスだったわよ」
「すげぇな、何年連続だっけか?10年目?」
「今年で12年目よ」
「すげぇ」
「さっきも言ってたわよ」
そう言ってくすっと笑いかけてくる。そして満面の笑みで言ってくる。
「じゃあ今年も一年よろしくね!」
その笑顔に釣られてこちらも笑顔になる。
「あぁ」
そしてチャイムが鳴った
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