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3話


「・・・続けてもいいか・・・?」


クロードと名乗った怪しい銀髪の男は少し困り気味に訪ねてきた。


・・・・本当にやりずらそうだと、ヒナは少し同情した。



「私の名はクロード。この国セレスティアで魔導師を統括している。


我が国は長年魔法に頼ってきたが、

近年魔力を持ちながら産まれてくる人間が減少してきている。

その限られた人間も昔に比べると持つ魔力の力が弱まっている。


この国は魔力で防壁を作っていたがお陰で魔力の防壁が弱まる一方だ


そこであなた達を呼んだ」




「えっ私、普通の女子高生なので魔法なんて使えませんっ

・・・って、一度言ってみたかったのよね~」


月島絵莉依が言った。


「何処で使うつもりだったんですか・・・」


ヒナは恐る恐る聞いてみた。



「ほらぁ、こんな事もあろうかと頭の中でシュミレーションしてたのよ」


「どんなシュミレーションですか!?」


(何、この子可愛い顔して実は妄想壁のある結構痛い子!?)


密かに憧れていただけあって意外な一面に少しショックを受けてしまった。




「四つの動力装置があり、魔術師達が魔力を放出している。

そこに魔力を送り込んでほしい。

動力装置はそれぞれ四つの塔に設置していて

我が国の魔導師達に合わせてただ詠唱して貰うだけでいい。」



クロードは今度は断りもせずに話を続けた。

どうやら諦めたらしい。



「なんか想像してたより地味だな」


「そりゃー戦争経験ない俺らが何かと戦うなんて絶対無理だしよ」


吉原レンが意見した。

何だか一番まともそうな事を言っている気がする。




「しかし俺達は魔法など使った事は一度もないぞ?

そもそも俺達の住む世界に魔法が存在していない。」


「いや、あなたがたからは強い魔力の波動を感じる。

ただ使い方をしらないだけで。

動力装置には魔力の媒介となる人間が魔法陣の中で詠唱すれば

使い方が分からずとも自然と魔力を吸い上げる仕組みになっている。


そして早速今夜魔力放出をお願いしたい。

一夜明けたら元の場所と時間に戻すことを約束する。

それまではゆっくりしていてくれ。部屋を案内させる。」



小笠原拓斗の質問にクロードが答えた。




「俺今日バイトあるからたっぷり寝かしてもらってから

戻してもらっていいっすかー?」


吉原レンが手を上げていった。


やっぱりマイペース集団の一因のようだ。

しかもヒナ達の通う学校は校則でアルバイトは禁止されているはずだが。




「待って下さい!!」


ヒナも手を上げた。


「それってタダでやれってことですか!!?」


出来る事ならこんな面倒な事に関わりたくない。

そういう思いだったのだが口からでたのはこの言葉だった。


これがヒナの出来る唯一の抵抗だった。






「ああ、すまない。言うのを忘れていた勿論報酬はとらせる」


「マジ!?俺バイト辞めていいってこと!?」


吉原レンは嬉しそうに声を上げた。



「報酬というのはどういうものだ?

こちらの通貨を渡されたところで意味はない」


「じゃあ宝石とか?」


「日本円を銀行振り込みならいいんだけどなぁ」



口々に話す桜華学園生徒にクロードは逆に質問を返した。



「そちらの国ではキンや鉱石は価値のあるものだろうか?」


「ふむ、金か。ウチの家は宝石商を営んでいてな

貴金属や宝石なら換金して皆に配れるが

それに俺はそこらの一般庶民とは違いアルバイトなどしなくても

庶民とは比べ物にならん裕福な生活が保障されているから、

本来バイト料など興味ないんだが」


小笠原拓斗の言葉に宇都宮流依も頷いた。


「そうだな、基本俺らは普段カードで買い物してるしな。」


(やな感じ!!)


ヒナはそんな二人を睨んだ。



「しかし、これは現金ではかえられない、価値のある経験だ!

頑張ろうな!」


ヒナの心情を知らぬ宇都宮流依は目を輝かせながら言った。



(この人・・・こんな面倒臭い人だったんだ・・・しらなかった)



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