表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/16

1話

私立らしさを兼ね備えた大きな門を開放し生徒で賑わう朝の正門。

ある四人の生徒が歩けば皆が道をあけて見入った。


「まぁ、異世界部の方々よ」


「今日も皆さん素敵ね」


「本当、とっても近寄りがたいわ」



学園自慢の制服に身を包み颯爽と歩く

彼ら四人はこの学園では有名人的な扱いを受けていた。


容姿もさることながら家柄や成績など全てが完璧なのであったりと

何かと話題に事欠かない三人の男子生徒と、学園一の美少女。


それが彼ら”異世界部”の部員である。

四人を見守っていた一人の生徒がふと呟いた。


「でも異世界部って何をやっているのかしら?」


「さぁ?」


「私も入ってみたい」


「私も!」



女子生徒たちが楽しそうに騒ぐ横をすり抜けるように歩く一人の生徒は

心の中で呟いた。


(そんないいもんじゃないのに)


すると後ろから同じクラスの友達が声をかけてきた。


「ヒナ、今日は異世界部だっけ?」



学内の有名人ばかりが集う異世界部にただ一人ごく平凡な生徒がいた。

それがヒナだった。


異世界部の部員である水野ヒナは他の部員と離れて登校していた。




「う、うーん・・・そうだっけ・・・」



今日金曜日は異世界部の活動日なのだが、

現実を見たくないがために曖昧に答えた。


にもかかわらず早々現実に引き戻される事になった。



「おーいヒナー!!」


「げっ流依先輩っ」


異世界部の部長を務めている宇都宮流依が大勢の生徒に囲まれた中

こっちに向かって手を振っている。


見つからないようにコソコソと学校に入ろうとしていたのに

見つかってしまった。



「先輩が呼んでるよ?」


「聞かなかったことに・・・・」


「先輩が手を振ってる・・・いいなぁ」


彼は特に女子生徒に人気が高かったりする。




「ヒーナー!!」


無視されようとしているとは気付かない流依は、

ヒナに気付いて貰うために更に手を大きくブンブンとふり乱した。


とっても嬉しそうに。


クールだと思われがちな彼は実はとても親しみやすい人物だったりする。


流依が手を振り名前を呼ぶので自分まで注目される結果になった。


ヒナは注目されるのが大の苦手なのだ。


そんなヒナの心情をしるよしもない流依は満面の笑みで言った。



「今日は異世界部だぞっ☆」


その笑顔がとても腹立たしい。、

いっそのことあの綺麗な顔をぶん殴ってやりたい衝動に駆られた。





私はある事件のせいでこの怪しい部活に入ることになったのだ。


ある事件というのは放課後、吸い寄せられるように

物置として使われている部屋に立ち入った・・・ことが失敗だった。


普段は鍵がかかっているハズなのにドアは開いていたのだ。



中に入ると鏡が目に入った。

随分掃除されていないはずだが埃がたまっているのは枠のみで、

薄暗い部屋の中妙に鏡自身がなんとも言えない存在感を放っていた。


普段のヒナは怖がりのはずで暗いところが苦手なはずだが


何故か室内に一歩を踏み出してしまった。


不思議に光る鏡に魅入られるように。


"触れてみたい"そんな衝動にかられてしまった・・・。



そして手を伸ばしたその時指は鏡をすりぬけ我に返った。

これはヤバイ。


一気に恐怖に駆られるが意思とは反対にどんどんからだが鏡へと引き込まれる。




「ちょっと、何これ!?」


開け放されたドアを見る。誰もいない。


「誰か助けてーーーー!!!!」


それでも必死に声を上げた。


「もがーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」




「もが?」

「クスクス」

「え?」



必死になりすぎて目を瞑っていたらしい。

目を開けると学校の有名人四人と


「全員そろったようだな」



銀色の髪に白く重そうなローブを纏い大きな杖を持った

いかにも魔術師風の格好をした男がたっていた。


しかもさっきまで学校の室内にいたはずなのだが、

今いるのは円形のホールのような部屋だった。


これが始まりだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ