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採掘者ギルド

採掘者ギルドは以外に早く見つかった。

というより,戦士ギルドから目視できる位置にあった。


採掘者ギルドは,重厚感ある木造の建物で,その建物にそぐわない煌びやかな看板が掲げられている。

安物の鉱石ならいいが,高価なものだったら盗まれるよな。絶対。

案外知らないうちに一個ぐらい減っているかもしれない。

俺は,入り口の横に貼ってあるポスターに目を配る。


「根気のある人随時募集中。私たちと一緒に夢を追いかけませんか?」


…………夢を掴みましょうぐらいは書けなかったのかと少し思いながらも,俺は採掘者ギルドに入っていった。


「ようこそ採掘者ギルド『ミレラリオ』へ!」

「あ,ども」


開口一番元気の良い挨拶を受付の女がしてきた。

ついつい先ほどの戦士ギルドとのギャップに尻込みしてしまった。


「本日はどのような御用ですか?」

「ああ,このギルドに入るか決めかねているから,その説明を聞きたいんだが……」

「はい。畏まりました」


ふむ。このギルドは(受付の)感じが良くていいな。


「では,ご説明しますね」

「よろしく」

「このギルドでは主に,採集・採掘の依頼を請け負って,それを解決いたします」

「例えば,どんなことをするの?」

「簡単なものですと回復薬の原料となる薬草の採集を行なったり,装備品などの製作に使う鉱石を取ってくるなどです。難易度が高い依頼になりますと,古代遺跡の調査などですね」

「へえ,そんなものまでやるんだ」

「はい。この町では滅多にこういう依頼は来ないので,あまりないんですけどね」


そう言って,受付嬢は苦笑いする。

あまり期待はしないでおこう。


「遺跡が近い町や大きな街ですと,それ専門のギルドがあったりするのですけどね」

「まあ,そういうのにまだ興味はないので,大丈夫ですよ」

「そうですか。では,説明を続けますね」


受付嬢は一呼吸入れて,説明を続けた。


「わたくしどものギルドへの入会は,どなたでも可能です」

「戦士ギルドみたいに入会に試験とかはあるのか?」

「いえ,ございません。ギルドへの入会の際は,簡単な書類を作成して終了です」

「へえ,それだけでいいのか」

「はい。しかし,注意点がございます」

「注意点?」

「はい。依頼を受ける際に,契約金を,依頼を担当する方が支払う義務がございます」

「どのくらい払うの?」

「それは,依頼内容によって異なります。依頼難易度が高いほど,契約金は高くなります。これは,依頼失敗の際に依頼者への謝罪金とギルドの信用を損なった罰金として徴収致します」

「依頼を達成したときは,契約金は返ってくるの?」

「はい。全額をお返しいたします」


なるほどなるほど。

これは割りと信用できそうな感じだ。


「ありがとう。他に注意点はある?」

「はい。後は,これは我々の希望なのですが,根気のある方が入会していただけると助かります」

「というと?」

「はい。依頼内容が……その,まあ地味で,単純ですので,やめてしまわれる方が多いんですよね」


ハハハ,と受付嬢が乾いた笑いをする。

確かに,飽きるよなー


「わかったよ。説明ありがとう」

「いえ,もし興味を持たれましたら,是非ご入会下さい」

「ああ,それじゃあ」


俺はそう言って,採掘者ギルドを後にした。

建物を出て,もう一度俺はポスターを見る。


…………確かに,夢を追いかけるが正解だな。


そう思いつつ,次に向かう先は,僧侶ギルドだ。

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