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第16話 陰日向者の夏本番+生意気後輩登場

 笑う門には夏来なつきたる……いやそこは福来るか。


 幼馴染みの葵と2年振りに話す様になったり。

 

 俺の憧れの七宮さんと買い物に行ったり。


 日本のトップアイドル有栖川と劇談の習い事以来振りに再開したりとせわしない日々が続いた6月も終わり今日から夏本番の7月だ。


「部屋のエアコンもやっと直って夜な夜なあった葵の侵入も無くなった。これで6月以前の頃の平凡な日々が戻って来る……」


「そうね~、7月になったら夏休みだし色々とイベント満載だし。来月は私達だけでプチ旅行にも行くから時間が幾らあっても足りないわね~、光~」


 エアコンも数日前に業者に修理してもらい直してもらった。窓もちゃんと鍵を閉め。葵の部屋を覗かない為に白色のカーテンを着けた。


 6月の時の様な葵の勝手な部屋への出入りは出来なくなっていた筈だ。


 なのにどうして───


「俺の部屋のベッドでくつろいでんだ? 葵」


「ん~? 優奈お姉ちゃんが窓の合鍵作ってくたのよ。それと私の部屋のエアコン壊れちゃったのよ~、だからエアコンが直るまでひかりの部屋に居候させてもらうからよろしくね」


「な、何だと? 姉さんがそんな許可出すわけ無いだろう? あの人重度のブラコンなんだぞ。そんなだから小学生の頃、俺は女の子達から変な扱いをだな……」


「はいはい~そうね。嫌な思いをしてたのねよしよし~(小学生の頃はモテモテだったのよね。光は自覚無いだろうけど。告白しようとする女の子達を優奈お姉ちゃんが分からせて告白を阻止してたのよね。それを近くで見ていた私は二の舞になるのが怖くて光の幼馴染みであり続けて……今に至るのよ。くぅぅ~!)」


 何だろうか? 葵の奴。俺の頭をでながら苦痛の表情をしてるんだが。情緒不安なのか?


「それよりも何で俺の部屋に勝手に入れたんだ?  確か一週間前に鍵をかけて葵が勝手に侵入出来なくさせた筈だよな」


「優奈お姉ちゃんから光の部屋の窓と扉の合鍵をプレゼントされたのよ。〖これでいつでも光君の部屋に遊びに来てね~〗って言ってたわ」


 あのブラコン姉さんめぇ~! なんて事してくれてんだ? 最近、学校の時、以外の葵は俺へのスキンシップがやたらと激しいっていうのに。


 ん? 逆に学校の時は何で最近話しかけても来なくなったんだ? 


 6月の仲直りした時はあんなに学校でもしつこく絡んで来たのに可笑しくないか?


「……なあ」


「何? もっとヨシヨシされたい? ヨシヨシハマっちゃった?」


「誰がハマるか。それよりも。葵。なんで学校だと俺に他人行儀で接してくるんだ。目を合わせても避けてるだろう? 俺の事」


 二年前の様に関係が冷え切るのも嫌だしな。ここは素直に葵に直接聞いて確めた方が良いだろう。


「それは……うぐっ!」


 何故か顔を赤らめながら口ごもる葵。


「それは?」


「み、皆の前で光と居るのが恥ずかしくなっただけよ。後、数日したら前みたに学校でも話しかけるから待ってなさいっ!……い、今は光の部屋に居る時にイチャイチャしてあげてるだからそれで我慢してよね。全くもうっ! じゃあ。私は自分の部屋に帰るからまた明日ね。おやすみなさい」


 葵はそう叫ぶと俺の部屋の窓を開けて自分の部屋へと帰って行った。


 着ている服か制服だった為、スカートがたなびき目のやり場に一瞬困った。


「……今日は青色か。あおいだけに」


「アホーッ! なにどさくさに見てるのよっ! 変態っ! 後で優奈お姉ちゃんに報告するんだからね」


 ……どうやら。俺が青色を見た瞬間を葵に見られていたらしい。これは後で姉さんにお仕置きされる流れだな。うん。


《黎明高校 廊下》


「昨日は酷い目にあったな。まさかあの後、速攻で姉さんがやって来てあんな場所に拉致らちられるとは思いもしなかった」


「何が思いもしなかったですか? 汐崎先輩~」


 廊下を普通に歩いていたらいきなり視界が暗くなった。誰かが俺の両目を手で塞いだようだ。


 そして、この人をおちょくる様な喋り方はアイツしかいないよな。


「……その声は佐伯か?」


「ピンポーン~! 正解ですよ~、汐崎先輩。ていうかこっち向いて下さいよ~」


 勝手に俺の両目を塞いでいたくせに名前を言い当て瞬間。俺の右肩に抱き付いて来た。


 茶色の髪色のショートヘアーにハスキーボイス。女子の平均的身長よりも若干低い背が守ってやりたくなる様な雰囲気……簡単に言えば男の保護欲をそそる様なオーラをわざと放っている小悪魔系後輩。


 佐伯さえき静華しずかがニマニマした表情で俺を見つめていた。下の名前が静かではなやかという意味だろうに。


 名前に反して派手な服装と性格で名は体を表すの対義に入るの様な奴だよな。佐伯って。

 

「汐崎先輩~、聞きましたよ~」


「何が?」


「あの二年生の女帝事、織姫先輩とまた喧嘩別れしたんですよね~? 中学校の頃みたいに~、良いんですか? こんな現状で? 織姫先輩。超人気者で美人さんだから寄ってくるイケメン達に寝取られちゃいますよ。NTRですよ。NTR 。織姫先輩は黎明高校が誇る究極のビッチギャルなんですから 」


 コイツはどこからそんなどうでも良い情報を嗅ぎ付けて来るんだ? それに寝取られってどこのセクシー漫画だっつうの。


 それに中学校からの後輩だからって俺達の関係にづけづけと……これだから真のビッチは遠慮が無いんだ。


「別に葵との関係は良好だし。葵は清純な可愛い女の子だぞ。お前みたいな本物のとは違うんだよ。本物とはな」


「はぁ? 織姫先輩とは良好な関係?……五月女さおとめ先輩め。私に嘘のリーク情報を流しおったな」


五月女さおとめ? なんだ? アイツが情報をばらまいているのか? なら俺が直接言って」


「あ~、いえいえ。こちらで勝手に血祭りに上げておくんで気にしないで下さい~、それより今週の放課後どこか暇だったりしません? 暇なら私達と久しぶりに放課後デートしましょうよ~、放課後デート……ねえ? 汐崎先輩~」


 佐伯は八重歯をニカッと出しながら俺に頼み込んで来た。


 今週の放課後か……何も予定も無いし。後輩の頼みなら仕方ない。どの日かに予定を組んで遊んでやるか。


「ああ、どうせ。暇だし良いぞ。いつの日が良い?」


「マジですか~! 言質げんち取りましたからね~、じゃあ金曜日の放課後。部活の娘達も一緒に連れてくるんでよろしくお願いしますね。汐崎先輩~、ではでは~」


 佐伯はそう言うと俺の身体から離れ廊下を走り去って行った。


「おうまたな……てっ? 今、佐伯の奴。部活の娘達も一緒にって言ったのか?」


 それにしてもなんで今週の金曜日なんだろうか? 金曜日だとなにか良い事があるんだろうか? 謎である。

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