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ある死神の日記3

楽しんでいただけたら幸いです

初めまして、こんばんは!私は死神です。

今からあなたを虹の橋までご案内致します。

道中少しお話でもいかがですか?


ありがとうございます。

あなたは、文鳥さんですね。死因は乾燥したごはんつぶを喉に詰まらせてしまって窒息?

わぁ…苦しかったでしょう。今は大丈夫ですか?


そうですか。それはよかったです。


ぴーちゃんっていうお名前なんですね。

私もそうお呼びしてもよろしいですか?


ありがとうございます。そうですね。飼い主さんたち呼びながら泣いてますね。


えぇ、えぇ、あの様子でよくわかります。

とても…愛されていたんですね。

もっと一緒にいたかったですね。

…楽しい思い出もたくさんあったんじゃないですか?


そうですか。お風呂が大好きで!毎日一緒にお風呂に?!綺麗好きさんなんですね。ぴーちゃんは。


あぁいつも一緒に入っていた?あのメガネの少年とですか。あの少年とのお風呂の時間が好きだったんですね。


一番仲がよかった!そうですか。片手で包んでくれるのがうれしかった?

マッサージもうまかった?へぇ!鳥にもマッサージってあるんですか!


あ!首ですか?へぇ!優しくつまむように!?


マッサージ気持ちよかったんですかー!いいなぁ私もマッサージされたいですー!


あの少女は?妹?あなたの妹みたいだったんですか?!


よく泣いてた?涙をくちばしで?飲んで慰めてたんですか!そうでしたか。


手に包んでくれてるのが、お母さん?


お母さんのマッサージは独特?

全身エステに?ヒップアップ???鳥の全身エステってどういうのなんですか?


あ、体を優しく包むように片手で撫でてるだけ?ヒップアップは尾羽をすごい優しい手つきであげる?確かに独特ですね。


えぇ、えぇ、寂しいですね。


あと二人?あの場にいなかった?男性と少年が!


そうですか。確かに、少年も、男性もいないうちに亡くなってしまったから、驚いちゃうかもしれないですね。


旅行の時に?点呼!ふふっそうなんですね!ちゃんとカウントしてもらえたんですか!


そうですね。飼い主さん、泣きながらたくさん話しかけてくれてましたね。ありがとうねって言ってくれてましたね。


何か伝えたいことはありますか?


たくさんありすぎて?そうですよね。


ありがとうですか。そうですか。その気持ちは絶対届いていますよ。


えぇ、大丈夫。あの人達は、生きてる限りあなたのことを忘れたりしませんから。


え?忘れた方が幸せかも?いえ?多分覚えていた方が幸せですよ。あの人達は。


そういうモノなんです、人間は。


あぁ、そうでしたね。私もともと人間なんですよ。だから、愛したものがあるということは人間にとっては特別だとわかるんです。


私ですか?愛したこと…あったのかもしれないですねぇ。死神になってしばらくは覚えていたはずなんですけど、もう思い出せないんです。ふと、あぁ懐かしいなぁなんて過ることはありますが、何が懐かしいのかはわからないんですよね。


そうです。覚えていられることは幸せなんです。あぁ、もう着いてしまいましたね。

幸せなお話をありがとうございます。

あぁ!そうでした!

ぴーちゃんさん、あなたはこちらの扉をくぐったところで飼い主さんがいらっしゃるまでお待ちいただくことになります。


寂しくなったら夢池を覗いてみてください。

飼い主さんと交流できますよ。

とはいっても夢なので、実際の交流ではないのですが。

どうやら、一緒に渡ることになる飼い主さんと飼われていた当時の飼い主さんにギャップを感じないように夢池を覗いた時間の飼い主さんの姿が映るようになっている…と先輩が言ってましたので!


えぇ。では、また!

楽しい待ち人時間をお過ごしくださいませ!

お読みいただきありがとうございます

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