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ブラックとの死闘

ブラックとの死闘

キャスター曰く「いよいよお待ちかねのイベントですね。」

手術から7日目の今日、約束通りブラック対レッドの対決が行われようとしていた。

周りには観客など誰もいない。そう、これは純粋に最強はだれかを決めるためだけの戦い。


レッドは己の恐怖心と戦っていた。全身の震えが止まらない。

ブラックに対してトラウマを持っていたのだ。

アルベルトとして殺された際の衝撃が拭えないのだ。

追いかけられる恐怖、迫り来るキャタピラの音、両足を踏み潰された時の激痛、両腕を切断された時の圧倒的な絶望感、真っ白になってしまった記憶の残滓が怒涛のように胸に押し寄せてきた。息が出来なくなり胸をかきむしる。“ああ、もう駄目だ。”


誰かが目の前に座った。そして頭を胸に抱えられた。頭を優しく撫でられる。

アリシアによる介抱により、気持ちが少しずつ落ち着いてくる。過呼吸も落ち着き、体も精神も正常に戻っていった。

あのあとアリシアとは会話もままならず、この日を迎えてしまった。

しかし、アリシアはこの日のために準備してくれていた。

「勝ってください。」アリシアからそれは手渡された。

聖剣ソチアスはすでに柄の部分が真紅に光り輝き、いまや遅しと振動しているようだ。

「まかせろ」初めて使う言葉だった。自分の目を犠牲にしてまで俺を助けてくれたのだ。

この恩を今返さずしていつ返すのだ。俺は全力で戦うことを改めて決意した。


ブラックのキャタピラが音を鳴らして迫ってくるが今の俺は怖くない。逃げるも躱すも自在だからだ。速度では絶対負けない圧倒的な自信がトラウマを飲み込んだ。

伸縮自在の両腕が迫ってくる。先端のソードがあやしく光輝く。2本の緩急変幻自在の刃を受け流しながら間合いを図っていく。戦車の上の上半身がターゲットだ。


レッドは迫り来る戦車のキャタピラをソチアスで切り裂く。片輪走行になった戦車はその場で半回転して動きを止めた。

その時は一瞬だった。

右から来る刃を最初の居合で切り裂く。左から来る刃を燕返しで切り裂いた。そのままジャンプして戦車の上に着地し、再度居合の発動。ブラックの上半身が真横に切断された。

その時、聖剣ソチアスの真紅の輝きが広範囲に伝播した。


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