表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/27

魔導士ホワイト

魔導士ホワイト

ツタン帝国の最大魔力保持者ホワイトは苦しんでいた。彼女は魔力を戦争の道具として使用したくなかった。しかしツタン帝国は妹を人質として戦闘への参加を強要した。

ホワイトの特性は風と雷である。己の力で人を殺めるのが辛く悲しく、どうしようもなかった。妹1人に犠牲になってもらえば他の人間を殺さずに済むのであるが、そんな計算のうえ割り切れることではない。

この苦しみから逃れるため自殺しようとしたが、「お前が死ねば妹を殺す」と言われてしまった。私はどうすれば良いのだろう。


ツタン帝国の議会から次の命令が下った。裏切者のレッドを見つけ出し殺せとの指示だ。

レッドを殺した暁には、妹を人質から解放してやるとの条件が付けられた。

レッドは、なぜかブルー及びイエローも殺したようだ。何があったかは分からないがよっぽどのことであろう。あれほどまでにツタン帝国に貢献してきたのだから。


レッドの情報をキャスターから聞くに、ブルーもイエローもどうやらカメール王国の次期王女のアリシアを殺す目前で対決になったらしい。どうやらレッドはアリシアを守るために反旗を翻したようだ。

そして、キャスターからとんでもない情報がもたらされた。

このことはツタン帝国の議会にも知らされていないことだが、なんとレッドはもともとツタン帝国の民ではなくカメール王国の兵士を改造したとのこと。

当時記憶をなくしていたので、実験していくうちに頭角を現しツタン帝国の戦士に数えられるまでになったのだが、どうやら最近記憶を取り戻したのだろう。

それならば、現在の彼の行動の意味がすべて理解できる。レッドは本来の“彼”に戻ったのだ。


敵ながら同情すべきことだらけだ。自分の意志とは関係ないところで戦地に送り込まれる兵士の気持ちなど、腐った連中には一生分からないのだろう。


ホワイトはレッドを殺せるか、殺す覚悟が自分にあるのかわからないまま、アリシアがいる戦地に向かうのだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ