表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/27

アリシアの記憶

「どうして助けるのです。あなたは敵なのでは?」


「つッ」


「姫様、ご無事ですか」従者のダリアと近衛兵が集まってきた。

ダリアは負傷兵の救護のため一時的にアリシアから離れていたのだ。

レッドは、身をひるがえしその場から離脱した。


アリシアの記憶

その晩、アリシアは夢でうなされていた。

王都の学園に通っていた時のことを思い出していた。

身分を越えいろいろな人と交わり教養と経験を積ませるため、王の方針により学園に通っていた。

そこで敵国のスパイに命を狙われた。しかも学園の中庭で周りに人がいるにもかかわらず。ナイフで切られる寸前のところでかばわれた。ナイフを持ったスパイは、従者のダリアを弾き飛ばし、王女を刺すために突進してきた。その際、とっさに王女を抱えて飛び退いた男は背中を切られていた。彼は顔を歪めながらも「お怪我はありませんか。」と言った。

それがアルベルトとの出会いだった。

アリシアのための専属治癒魔法士であるダリアは、魔法を使いアルベルトの傷を治癒した。


どうしてこの夢を見たのだろう。アルベルトは先の大戦の時の学徒動員で戦死している。

しかし、なぜかはわからないけれどもはっきりと当時のことを思い出していた。


アルベルトとはそれほど親しかったわけではない。同じクラスの学友である以外は身分の違いゆえ直接話す機会はなかった。しかし先のスパイ事件により普通に話す間柄になっていた。

アルベルトの戦死の報告を受けた際は、立っていることが出来ず、倒れてしまった。それから2週間余り寝込んだ。あまりの心身の衰弱具合を見かねて王はアリシアからアルベルトの記憶を消すように王宮の魔法士に命じた。魔法士の魔法は正常に発動したのだが、アリシアの思いは魔法すらはねのけアルベルトの記憶は守られた。しかし、王の配慮を鑑みアリシアはアルベルトのことを忘れたようにふるまうことにした。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ