異世界
固く厚く、何よりも顎が鍛えられそうな食べずらい干し肉というものを初めて食べた。やはりツァーラの格好といい、この干し肉といい少し文明のレベルが現代とは思えない。しかし、こんなに固いというのに、ツァーラさんは何事もなく食べている様だった。さらに不思議なことに食べている最中でも仮面を外すことはなかった。何か深いわけでもあるのだろうか。ものすごく気になる。決めつけるにはまだ早いだろう。ここが異世界なんてまだそう決まったわけじゃない。
「そういえば、詳しい話を聞いてなかったな」
「ん?……あぁ、そういえばそうでしたね。では改めて、縦山一郎と申します」
「タテヤマ イチロウ。あまり聞かない名だな。君の出身は?」
「生まれても育ちも高鍋町です」
「タカナベチョウ? 聞いたことがないな。最近になって新しくできた集落か?」
少しイントネーションに違和感を覚える。先ほどから外国の人としゃべっているような錯覚を覚える。
「いや、集落って。宮崎県の方なんですけど」
「ミヤザキケン? なんだそこは? アイレスにいた商人でもその地から来たものはいなかったような。やはり新しくできた集落?」
「アイレス?」
反芻するように、聞きなれない言葉を吐いた。
「あぁ、ここら辺じゃ一番栄えている集落だ。それも知らないってなると、本当にどこから来た?」
どこから来たかと聞かれても、答えずらい。いつの間にかここに居たとしか言いようがない。
「どこと言われましても。なぜかこの森で寝ていたのでどうとも答えられないんですよね」
ふむ。と彼女は黙ってしまった。なにかまずいことを言っただろうか?
いや、そうなのだろう。いつの間にかここにいたなんて話をそうやすやすと受け入れられるわけがない。
また彼女は警戒してしまうだろうか。
「そうだな。君と似たような話を少し前に聞いたことがある。もっともこの話は人が消える話だが」
「人が消える、ですか」
「そうだ。とある森では人が頻繁に消えることがあるらしい。私も又聞きだから確証は持てないが、恐らくそうなのだろう。現にこうして君が飛ばされてきたのが何よりも物語っているだろう」
そうなのだろうか。その話はただ単に遭難しやすい森でもあるというだけの話ではないだろうか。
「それは、ただ単に森で迷子になっているだけでは?」
「……それもあるだろうが、君の衣装はここら辺では見たことがない。だから私は言い切るよ」
彼女の眼は見れないが、まっすぐこちらに向かっている姿勢は、確信を持っていると言わんばかりの自信に満ちている様だった。
いつの間にかここに居ること。見慣れない服装。そして人が消える森の話。確かに、ここまでの話出されると彼女の言っていることは正しいのかもしれない。
はぁ、と長い溜息を吐き出し。無意識に張りつめていた気が抜ける。見上げてみると、俺の人生では今までで見たこともないくらいの星空が広がっていた。
俺は、異世界に飛ばされてしまった。
認めてしまえば、えらくあっさり受け入れられた。だからと言って、問題が片付くわけでもない。
「俺、帰れるんですかね?」
「帰れるさ。いや、私が責任をもって君の故郷に帰そう」
「それがたとえ異世界だったとしても、ですか?」
「……フ、ハハハハハ。あぁあぁ、たとえ違う世界だったとしても必ず送り帰そう。
不安なのはわかるが、安心しろ。言葉が通じているんだ、君もこの広い世界の住人ということだよ」
謎の理論であろう。
送り帰してくれる。その言葉で安心したのか、それとも疲労がとうとう限界まで来たのかはわからないが、眠気が急に襲い掛かってきて、大きいあくびをする。
「もう夜も深い。私が火を見ておくから、もう寝ておきなさい」
「そうですね。すみません。今日はもう寝ます。おやすみなさい」
「あぁ、おやすみ」
そうして俺は、眠りについた。
書いててつまらないということは、見ていてつまらないということですよね。そういう気持ちで書いてます。
知識がないと何も書けないって馬鹿らしいけど、心理ですよね。この時代って干し肉あったんでしょうか?あったとして、固いんでしょうかね?何もわからずにただ想像だけで決めつけて書いてます。ツァーラさんマジ書きずらい。たまにツァーリと間違えて書いてそうって思います。
まあ最初から劇的ではないですよね。悲劇的でもないんでしょうが、それでも劇的であるとは言いずらい。まあこれは世の中に異世界転生/転移が多く出回ってあらゆる工夫がなされてきているから、ではなく私の技量が全くと言っていいほどにないという示唆に他ならないのですけど
頭空っぽにして書きたいように書いてみたいですね。でもつながらないと話としてなっていない。ジレンマですね。
乙です
頑張って書き続けます。これが唯一の成功体験になるように