邂逅
いや違うんですよ
「すみません。少しいいですか?」
近づいて、声をかける。相手は姿は草木が邪魔をしてまだわからない。
「何やつだ」
一瞬のうちに、緊張感がその場を支配した。声だけで威圧され、向こうにいるその人は警戒心を強めている様だった。
「すこし、道をお尋ねしたいのですが」
茂みから身を出す。相手の姿がようやっと明確に見える。
話しかけた相手は小柄な人だった。華奢というほど細くないが、体格が良いとはお世辞にも言えない。金色の長く美しい髪を無造作になびかせていた。
だが、目の前の人の顔は変な模様があしらえられている仮面で隠れていて全くわからない。それだけではなく、格好もおかしい。皮でできているであろう分厚そうな服は、服ではなく鎧に近かった。腰に差さっていて、目の前の彼女は今にもそれを引き抜き襲い掛かってきそうだった。
「ち、違います!怪しいものじゃないです!」
とっさに口に出すが、彼女の格好や行動に圧倒され、思わず後ずさった。彼女の眼にはますます怪しく映ったのか、剣をゆっくりと引き抜いた。
(やばい、想像以上にヤバい!どうしようどうするどうなる?まずはなんだ、何をするべきだ?)
必死に頭を働かせる。とてつもなく恐怖を感じるこの人に対し、どういえば、どう答えれば剣を収めてくれるだろうか。
いまだ正解はわからない。
「俺の名前は縦山一郎! 23歳無職! この森で迷ってしまって、どこに行けばいいかもわからないから、近くにいたあなたに声を掛けました! 決して怪しいものではありません!」
必死に叫んだ。自分でも不思議なことであるが、とっさに出た言葉が自己紹介であった。きっとはたから見ると失笑を誘う滑稽なさまであったのだろう。
「ッフ」
肩で笑いをこらえている彼女からは、先ほどのような怖さはない。握っていた剣を鞘に戻し、完全ではないだろうが、警戒をといてくれた。
「いや、すまない。あまりにも必死なものでな。名乗られたなら名乗り返そう。私は......ここら辺ではツァーラで通している」
「よろしくお願いします。ツァーラさん」
「うむ。まずは話をしたいところだが、もう日暮れ時だ。まずはここで野営準備をする。手伝ってくれ」
俺は短くはい、と返事をして彼女の指示道理に木の枝を集め始めた。
こうして、俺の第一村人発見はこうも情けなくも、何事もなく終わった。
いや、違うんですよ。マジで。ほんとにすいませんでした。今回はマジで短いです。ほんとにごめんなさい。時間がなかったというか、時間しかなかったというか、時間内にやれなかったというか、時間内にやらなかったです。
まあ言い訳です。怠惰だったというだけというか、今回はもう少し書いているはずなんですよ。推敲前は。ただ、ここで新しい人だしたし、今回はここまででいいかなってちょっと思っちゃったんです。
まあこれを見ている人はいないので、どれだけ言い訳しようが何にもなりませんが。
これからも頑張ります。