森
耳鳴りがする。頭が痛い。瞼越しに当たる暖かな光が、目をつんざく。
昨日は何をしたんだっけ? いつも通り、何もしなかったんだっけ。
頭痛を振り払うために上体を起こす。
春の柔らかな風が頬をかすめた。
(いま何時だ?)
ベッドの上で充電していたスマホを探す。しかしどこに手をやろうとも芝のような感触しかなく、掛布団の存在すら見当たらない。
あたりを見回してみると、そこには何もなかった。あるのは芝と木に囲まれた広い空間があるだけだった。
状況がいまいちつかめない。何がどうなってこうなっているのかがわからない。どうしてここにいるのか、どうして寝ていたのか、昨日何があったのか、何一つ思い出せないままでいた。
(やばい、とりあえず何をするべきだ?)
必死に考えてもできることは少ない。近くに舗装されている道はなく、勘で歩く必要がある。知らない森の中を歩くのは危ないが、だからと言って一人でここに居たって助けが来るわけもない。
覚悟を決めて、どちらに向かっていいかもわからないまま歩き出した。
あれからしばらく歩き続けた。目印になるよなものは見えず、舗装されていると思わしき道もなかった。ここは未踏の森なのか、はたまた俺が歩き出した方向が違ったのかはわからない。
歩き出しはまだ明るかったが、ここまで歩いてきて空はすでに茜色に染まっていた。あともう少しすれば夜になる。そうなってしまえば昼間歩いていた時よりももっと危険があるだろう。野宿の覚悟もしなければならない。どこか腰を落ち着ける場所がそれまでに見つかればいいのだけれど。
「せめてスマホさえあればよかったのに。ほんとなんでこんなところで寝てたんだろ?」
あれから時間がたったのに、一向に思い出す気配がない。そもそも家で寝ていたのだから外で寝ているなんでのがおかしい。
歩き続けてる中で、まず思い至ったのが夢であること。これは夢で、途方もなく変わり映えのしない森をただ延々と歩いているという夢を見ているに過ぎない。という考えだが、だとしたら意識がはっきりしすぎている。たまに、あっこれゆめだ。となることはあっても、これほどまで自由にできる夢を見たことがない。それに何より歩いてきた疲労もちゃんとある。だから、これは夢ではないと結論付けた。
ふたつめに思いついたのが、何者かあるいは俺の意思でこの森まで来て、あそこで気持ちよく寝始めた。というものだ。自分の意思で来たというのはありえない。もし仮に自分の意思でここまで来たのならその記憶があるはずだ。だが、何者かが俺の意識を奪ってこの森に捨てたのなら、あり得るのかもしれない。頭を殴られでもしたり、強力な麻酔薬を飲まされれば、誰だって記憶はなくなるだろう。幸いなのが、昨日だけ思い出せないというところだろうか。
あとは、自分で考えておいて笑ってしまうが、異世界に飛ばされてしまった。という仮説だ。巷で人気の異世界転生、転移であり、不思議な森の中に飛ばされてしまった。という考えだ。
まずありえない。ただ寝ていただけのニートを転移させて何の得があるというのだろうか? そもそもそういうのは転移する前に神様とやらにであって、なにかしらの能力を授けてもらってからではないのか? まあそういったテンプレートになぞらない作品もあるのだろうが、これはフィクションじゃない。事実は小説より奇なりとはいうが、それは夢物語でもそうであるというわけではない。
どれだけ不思議なことであっても、不可能を排除しきったあとに残ったものが事実である。とはだれが言ったものかは忘れたが、二つ目に考えた、何者かに連れ去られたというのが妥当だろう。
これだけ歩き続けても、やはり何も見えてこない。
(しょうがない。ここらへんで休めそうなところを探すしかないか)
俺は歩くのをやめて、辺りを見回してみる。やはり休めそうなところは見当たらない。
その時、どこか遠くの方でガシャガシャという音が聞こえてきた。
(人がいるかもしれない)
ようやく人に出会える。そんな思いで音がする方へと歩き出した。
ここを書いてて楽しくないんですよね。なんでだろうなって思った時に、おれがこれを読んで面白いって思えないからだろうって結論になりました。まあおもんないです。
次の話も書いてはいるのですが、現在悩み中です。ポケモンのNN決めるときってめっちゃ時間かかるじゃないですか。あれです。そこさえクリアしちまえば、なんとか先に進めるはずなんですがね。だって設定練ってる時が一番楽しいんですもん。それを説明するところなんて書いてて楽しいの権化でしょう。知らんけど。
本文を書いてみて本当に思いますけど、自分には経験と才能が著しくかけているってのを感じます。ただこうやって少なからずとも世に出しているというのは誇れますし、この異世界を旅するって思うとくそわくわくします。
頑張って続けます。書きたいことがあるならとりあえず書けってことです。