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「リセット」で好きな時間に戻れる俺は、やりたい放題人生を生きていく!!

作者: 黒豆100%パン


「ふー、今日も疲れた」



俺はそう言いながら自分の家の扉を開ける。帰宅は深夜ということもあり、物静かだ。仕事はいつもはこんな遅くはならないが、今日に限っては終わらせるものが多くこんな時間になってしまった。

ガチャリという音と共に扉を開ける。そこにはいつもの俺の家の玄関。この光景を見ると帰ってきたんだという気がする。


「え??」



俺はついそんな声をあげてしまった。なぜならそこにいるはずのない男がいたのだから。空き巣か?そう思っているとその男はナイフを持って襲いかかってくる。俺は目を頭ながら、こう呟いた。



「リセット」




「ふー今日も疲れた」



俺は玄関の前にいた。そしてスマホを出し、警察へと電話をする。警察はすぐに到着し、俺の家に入る。そして俺の家にいた空き巣を簡単に捕まえてしまった。



「いやあ、この力は便利だなあ」



俺はそう言いながら、フーッと息をついた。今のは俺が持っている最強とも言える力、「リセット」。戻りたい場所を想像し、リセットと言うだけで今のように時間を戻す事ができるのだ。先ほど俺は強盗に襲われていたが、この力で扉の前に戻り。そして警察に電話をし事なきを得たというわけだ。この力は戻りたい位置を想像して言えばいいので簡単に使える。



「いやあ、本当に便利だ。まさか変な老婆にあってよかった」




俺はとある日変な老婆に出会う。その老婆は「時を戻す力が欲しいか」と聞いてきた。最初は何を言っているのだと思ったがなんとなく受け取った。

最初は半信半疑だったが、力の使い方が分かってからは先ほどのように嫌な事などがあったらこの力で戻る事できた。



例えば転んで服が汚れた、仕事でミスをしたなどそんな些細なことでも大丈夫。少し戻ってなかった事にし、転ばないようにするだのミスの箇所を直すだのとなんでもできる。

もちろんそんなちゃっちい事ではなく、宝くじの番号を知ってから戻り買うこともできる。だがそれは何だかずるい気がするのでやらないが。



「やっとおわった...」




「事情を色々と聞かれ答えていたらいつのまにか1時を回っていた。外を見ると青い流星が見える。



「そう言えば、青い流星が見えるんだっけなあ。一番良く見えるのは来年だっけか」



そう呟いて家あくびをしながらに入る。俺は疲れた体でベッドにダイブし、あくびをして眠りについた。








「でさあ!」



俺は次の日、休みという事で知り合いと買い物に来ていた。大きなショッピングモールで、ファストフード店やブティックなど様々な店が並んでいる。俺は最近買ったワックスで髪を整えているので完璧だ。

そんな道を歩いていると何やら白い布が引かれた台にガラガラの抽選機が置いてあるのが見えた。そして段幕には「1回限りの商品ガラガラキャンペーン」と書かれていた。俺はその台に近づいてこのガラガラ抽選をやりたいということを伝える。そこにいた店主は快く承諾してくれて、引く事になった。



「さて...」



俺はガラガラと音を立てながらその装置を回す。出てきたのは白い玉。それと同時に「残念ー」という声が聞こえた。俺はその瞬間に抽選をやる前の姿を想像しリセットと呟く。するとまた抽選の前に戻っていた。



「ハズレー」



「ハズレー」


「ハズレー」


「ハズレー」



何度も引いても白い玉ばかり。時々ピンクやオレンジも出るが、しろばかりだ。だがこちらはリセットの力で何度もやり直せる。タイミングをずらしたり、回す速度を調整したろりしして何度も回すとやっと金色の玉が出てきた。その瞬間チリンチリンというベルの音が鳴り響く。




「大当たり!!!高級牛肉だよお!!」



「やった!」



「お前すげえなあ!」



「ま、まあな」



もちろんこの力のことを誰にも話していないので実力といことになっている。これでもう俺は怖いものなしだ。

その高級牛肉を袋ごと受け取り意気揚々と買い物の続きをする。

その途中、食事をするために店に寄った。中の白い綺麗なテーブルに腰掛け、注文をする。そして料理を待ってる間、こんな話になった。



「お前、なんかすごいよな」



「ああ、そうか?」



「ああ。この前だって階段から転びそうになったお婆さんを助けたじゃないか。しかもまるで予知したかのように」



「そうだったかな」



俺はとぼける。もちろんリセットの力で戻ったがそれは言わないでおく。これもあの老婆に出会ったおかげだ。あの出会ったことを想像しながらニヤニヤする。すると話は変わり「ところで、その髪は自分でやったのか?」と友人が訪ねてくる。最近ワックスを買って整えた髪を案の定触れてきた。予想通りだ。



「まあ、毎日手入れした()()()()してるからな...あれ?」



俺は突如目の前の光景が変わった事に驚いた。先ほどまで昼のデパートだったのだが、夜の人気のない場所だ。



「は?なんで?まさか...戻った?...まあそうだろうな。まあでも実はリセットをなかったことにして戻れるんだけどな!はっはっは!」


俺は暗い夜道で1人でそう呟きながら「戻れ!」と言った。だが戻らない。俺はその瞬間青ざめた。なぜならデパートであの老婆と会う前の自分を想像していたからだ。いやでも、また貰えばいい。俺はあの老婆のいた場所に戻る。



「えっ?」



俺は驚いた。もうそこには老婆の姿はなかったのだから...。


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