08 お届け
突然の訪問者は『黒猫嵐の魔導急便』の配達魔導車システマでした。
「こんにちはミスキさん。 珍しいですね、一緒に配達なんて」
「ご機嫌よう、モノカさま、マクラさん。 王都がいろいろ大変で配達業務が大忙しなのですよ」
「ミスキお姉さんこんにちはっ、リカお姉さんたちは?」
「ごめんなさいねマクラさん、配達がいっぱいいっぱいで、この荷物を渡したらすぐに行かなくちゃならないの」
「はい、受、け、取、りっと。 それじゃ、みんなによろしくですっ」
「がんばってねっ、ミスキお姉さんたちっ」
「はい、皆さんにもよろしくお伝えくださいね、それではまた」
「「さようなら」」
「お仕事大変そうだったね、お母さん」
「そうだねマクラ。 あの娘たちもシステマもものすごくがんばり屋さんだから、配達に引っ張りだこなんだって」
「システマケーキ作ったら、みんなよろこんでくれるかな」
「きっとみんな大喜びだよっ、ミスキさんは絶対に泣いちゃうよね」
「ミスキお姉さんが泣き虫さんなのは、誰よりも感激やさんだからだよってマヤお姉さんが言ってたっ」
「そうだね、でもあんまり涙がこぼれるとシステマケーキがしょっぱくなっちゃうから、ほどほどにして欲しいな」
「どうしよっかな、やっぱりお口の中に『転送』すればいいのかな」
「いつもみたいに美味しく出来ればみんなぱくぱく食べちゃうから『転送』している暇なんてないと思うよ」
「そっか、じゃあいっつもみたいに、だねっ」
「そう、マヤさんのお腹がぽんぽこになっちゃうくらいに食べさせましょ」
「まかせてっ」
マクラのやる気まんまん顔、ヨシッ。
ところで荷物は、シジミ宛て?