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彼女と不仲になったなら  作者: 吉木那央
第二章 小野田光の場合
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06 案件の謎を解くために

「状況を整理しましょう」

 

しばらくの沈黙の後、長門先輩がメモを見ながら話し始めた。

「小野田君の、彼女から受けているストーカー被害は二週間前の日曜日から受けていると」

「はい」

「だけど彼女にそのことを聞いても、知らないと言われると」

「そうです」

「でもそんなはずはないと思って、彼女の友達に聞いてみると、たしかにその時一緒にいたと言われると」

「そうなんです……」


 単純に考えると、その友達がグルになって口裏を合わせているのだろう。

 ただこればかりは今どう考えても確かめようがない。


「実際に調べてみるしかないな……」


 部屋の中にいる三人が、一斉に俺の方を見てきて、ようやく自分の考えていることが言葉に出ていたことに気付いた。

「いや、えっと実際に調べてみるといっても……」


「それならみんなでお出かけするしかないね!」


 俺の発言を遮って彩はそう言った。

「お出かけ?」

「だって買い物していたり、道を歩いていたりすると、下松さんが見ているのだから、その様子を確かめるには、みんなでお出かけするしかないんじゃない?」

 たしかに。それなら手っ取り早く真相を確かめることができる。第三者の目から見れば、だれの発言が正しいのかが一目瞭然だろう。

「なら、彩が一緒に行ってくるのか?」

 彩が男と一緒に買い物に行ったりすることには、少し心に引っかかるものがあるが、まあ仕方ないことだろう。それに相手は彼女持ちであるし、間違いは起こらないだろう。

 と思っていたが。


「何言ってんの。みんなで、って言ったじゃん」


 その言葉の意味を理解するのに、三秒もかかってしまった。


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