表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/13

8話 second case

「当時と容姿はだいぶ違うとはいえ、お前も襲われる可能性がある。お前を送って、帰ることにするわ。」

「あ、ありがとうございます。」

 資料を机の上に整理して並べる。他にも刑事がいたので、2人は挨拶をした後、階段を下りていく。

 あたりは真っ暗。警察署の周りにあるレストランなどもラストオーダーの時間か客の入りはない。人通りは疎らで街灯はあるが車は少ないために静かな雰囲気。近くの住宅街に人通りがあまりない。こんな場所で悲鳴を上げても誰も助けに来ない。

「……」

 何者かにつけられている、そんな感覚がする。八坂は気づいていないが、エイジは周辺を注意深く見る。人影は感じないが視線を感じるのは確かで現にエイジがいなくなり、八坂一人になったら真っ先に襲われそうな感じもしてくる。八坂とともに帰って正解だったかとエイジは思った。

「あ、ここまでで結構です」

「…ほぅ」

 その前には立派なマンションがあった。

 エントランスは暗証番号を入力してあけるタイプのため、セキュリティは万全であった。

「こんだけガードが固けりゃ怪しい奴に入られる心配もなさそうやな」

「そうですね。」

「…俺かてこんなんよりものっそいボロアパートやのに…」

 エイジは影でいじける。

「うぅ、まぁえぇか。安全なことにこした事はないしな。んじゃ、また明日も頼むで」

「はい。」

「んじゃ、俺はここらで失礼するわ」

「はい、おやすみなさい」




 深夜1時半。

 人通りのない商店街の路地裏に、2人の男が対峙していた。

「てめぇ、 誰に向かって口聞いてんだ? っなめんじゃねぇぞ!」

「ケケケ、あんたにだよ、中村ナカムラ隼人ハヤト君?」

「て、てめぇ、何モンだ?」

「…記憶にないなら思い出さなくていいよ。どうせ…」

「どうせ… なんだ、はっきり言えボケぇ!」

「あんたはここで死ぬんだからさ」

「ざけんな! 死ぬのはてめぇだ! こいつで細切れにすんぞ!」

 中村はポケットからナイフを取り出す。

 もう一人の男は動じることはなく、中村に対して冷ややかな笑みさえ浮かべる。

「けっ、社会のゴミはすぐに道具に頼りやがるんだな。それにそんなちんけなナイフじゃ今時の中高生だって殺せやしねぇよ」

「あぁ? すかしてんじゃねぇぞボケぇ!」

「ケッ、切りかかろうが動きが見え見えなんだよ」

 中村は男に対して切りかかるが男は動じることなく全てを避ける。

「バーカ」

 一瞬見せた隙を突き、男はどこからともなく取り出したゼットソーで中村の腹を刺す。

 中村はあふれ出て止まらない血の出る傷口を押さえながら呆然とする。

「う、く…」

 倒れこむ中村に対し、男はさらに両手両足と喉元を刺す。

「喉を潰して助けを呼べないようにしといたよ。それに両手足の自由は利かない。苦しみながらゆっくり死なせてやるよ。」

「う、うぅ…」

「…本当ならお前が死ぬのは数日後だったが…。作戦は一刻を争うという名台詞もあるもんでな…。不遇だったな。」

 中村は一言も喋らず動くことすら間々ならない状態だった。

「ハハハハハ…、アーッハッハッハッハ!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ