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第6話 おっさん現実を思い知る  ※改訂済

前話のあらすじ:たくさんお金が必要だとわかる。

 さて、親友に働かないといけないといけない理由は説明をしてもらった。

 確かに、説明の通り働かないといけないのだろう。


 もし、ゲームのコマンドだと以下のような選択肢を選ぶ状況だろう。


 ーーーーーーーーーーーーーー

 ギルドマスターセインがこちらを見ている。

 どうやら、返事を待っているようだ。

 どうしますか?


   殴る

   謝る

 ➡ お金を請求

 ーーーーーーーーーーーーーー


 この選択肢なら、お金を請求してみようかな。


 「でも、俺って昔ギルドに貢献していると思うだよね!

 だから、娘達の学費くらいは出してくれても良いと思うんだ!」


 うん、なんとも普通な流れだ!

 これなら、俺にお金を払ってしまうだろう。


 正直、娘達の学費さえ、どうにかなればあとは少しの稼ぎでも足りると思っている。

 むしろ、村だったら野菜育てれるし、近所の人に野菜をもらっても生活ができる。


 そう思ってお偉いさんの顔を見てみると、ニヤッと笑った。

 というか、お偉いさん改め、セインだけど。


 「確かに、当時お前には世話になったからな。

 このまま、ほっぽり出して放置するのは気がひける。

 それに親友としては出来る限りの協力はしてやりたいとは思っている。

 だから、ギルドからお前宛に奨学金を出してやろう」


 …?

 奨学金?

 どういうことだ??


 「……? 奨学金ってそれって借金……?

 それとも、ただでくれるやつ?」


 「借金だ!

 当たり前だろう?

 お前の働きに対しては、当時に巨額の褒賞で渡されているはずだ。

 父親達もお前のことを思って最大限渡しているはずだ」


 そう。

 前にも言ったが、こいつの父親がギルドを束ねているグランドギルドマスター。

 そして、なんとその仲の良かった一人がこのハイラス王国の国王である。


 どこの物語だよって思うかもしれないが、いつでも強いものには強いものが集まっていくのだ。

 類は友を呼ぶという事だ。

 

 俺の親も仲がいいため、それがきっかけでセインと出会って仲良くなった。


 そして、当時は国王とセインの父親の恩情もあって、十分すぎるほどの褒賞をもらっているのだ。

 しかし、今回はその褒賞も綺麗さっぱり使いきってしまったらしい。


 その後、少しセインに交渉をしてみたが、どうやら借金になってしまうそうだ。

 むしろ、働いて欲しいと思っていそうだ。


 絶対、セインは俺が勝手に隠居したことについて、まだ怒っている。

 セインは太っ腹のため、学費くらい俺が出してやる、とか言いそうなのに言わないということは、相当怒っている証拠だ。

 これは分が悪いな。


 実家にお金を貸して欲しいと言いたくても、それもかなわないだろう。

 もし、実家に行ってしまえば娘達にバレてしまう。

 実家と娘達にバレるのだけは避けたいところだ。


 貴族院という貴族を管理しているお役所に行っても、今の俺は、死んでいることになっているため貴族としての資格も無くなっているから、多分相手にしてもらえないだろう。



 ギルドに娘達の学費は肩代わりして貰えても、働くしかなさそうだ。


 強い魔法を使うことが出来ないし、得意だった剣も槍もまともに振ることが出来るかも怪しいので、冒険者は無理だ。


 飲食店などの接客業を探すしかないかな?

 あとは荷物運びとか、門番とかの仕事に応募してみようかな?

 でも門番とかって騎士団がしているイメージがあるので、現実的なところで接客業とか事務職といったところかな?


 見た目が30代のオッサンで素性がわからない人を雇ってくれるか疑問である。

 信じてもらえるか?

 そのあたりの信用問題が就職できるかに関わってきそうだ。


 見た目は30代、中身は15歳。

 って、どこかで聞いたことがあることの真逆だな。


 絶対信じてもらえない。

 むしろ、怪しい人扱いされるだろう。


 「……君には、もうお金がない。

 引き篭るのは終了して、働くしかないのだよ」


 ……しょうがない、働くか。

 

 セインがふざけていたとしても、本気で言っているのがわかる。

 もう、腹を括って働くことにする。

 とりあえず、いつから借金を返せばいいか教えて貰おう。


 「なあ、セイン。

 俺はいつからお金をギルドに返すことになる?

 あと期限と値段も教えてほしい」


 セインは、やっと腹を括ったかというような表情をしている。


 こっちは、働きたくないし、当時の知り合いにバレたくないんだけど。

 でも娘達のためにはやるしかないから、やるだけだ。


 「お前が考えそうな事はわかる。

 どうせ、働きたくないとかバレたくないとか考えているんだろう?

 しかし、一応は一丁前な父親だな。

 今のお前を姉さんにも見せたかったよ。

 

 わり、今のは失言だった。

 だから、そんな辛そうな顔をするな。


 お前の娘達の学園の費用は1ヶ月、金貨10枚だ。

 だから、3人分だと月々最低総額30枚はかかるだろう。

 それに生活費として、月々金貨5枚とすると、月々金貨45枚といったところかな?

 支払い期限は毎月末でいいとしよう」


 金貨などはこの世界のお金だ。

 この世界では共通のお金を使われている。


 不換紙幣ではないため、本当の金などを使用しているため、共通のお金として使うことができるのだ。

 そのため、為替レートなども存在しないし、金貨1枚の価値は基本的に変わらない。


 お金の数え方は10進歩で、日本円のレートに直すと以下のようになる。


 1円 = 銭貨1枚(アルミで出来ている。)

 10円 = 鉄貨1枚

 100円 = 銅貨1枚

 1000円 = 銀貨1枚

 10000円 = 金貨1枚

 100000円 = 白金貨1枚


 銭貨1枚のことを1ルトという。

 だから、日本での1000円が1000ルトということになる。

 

 日本円と同様の計算ができるため、俺からすると馴染みやすい。


 「というか……、月々、金貨で45枚だと?

 って、ことは450000ルトじゃないか!!

 一般人の平均所得が250000ルトとかだぞ!

 それにその金額って俺の食費とか家賃って含まれないのだろう?」


 「当たり前だ、たくさん稼げ」


 なんという親友だ。


 ついでに物価についてはだが、平成の日本を参考にして貰えればいい。

 勿論、ピンキリで上から下まで様々あるが、以下は大体の相場である。


 パンを1つ買うのに約100ルトだ。

 普通の部屋の家賃は100000ルトくらいが相場である。

 冒険者が世界的に多いため宿屋は一泊5000ルトくらいだ。


 全く話は別だが、暦は地球と同じ太陽暦だ。

 ただ太陽暦とは言わず、いつの間にかそうなっていたとのこと。

 ここのあたりは、歴史が違うから違う世界に居るんだなーって思う瞬間である。


 とまあ、一般的な仕事だと250000ルト稼げたらいい方だろう。

 家族を持つならもっと稼ぐしかない……。


 あれ?

 俺詰んでない?

読んで下さりありがとうございます。


誤字脱字などございましたら、ご指摘いただけますと幸いです。

また、感想やブックマークをしていただけると大変嬉しいです!!


本日の更新はここまでです。

手直しをしながら、書き溜めている分が終わるまでは更新速度を維持したいと思います。


※2018/8/28 改訂済

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